Category Archives: 有用性・安全性

くすりの有用性や安全性に関する内外の新聞記事・論文等を紹介します。

フィナステリドなどの美容目的の薬剤はより深い安全性監視が必要

男性型脱毛症の治療薬としても広く処方されているフィナステリドですが、投与中止後も持続するうつ病、不安、自殺念慮などの重篤な神経精神症状を引き起こす可能性が長年疑われてきていることは本ブログでもたびたび紹介しているところです。

この研究はこの疑念を裏付ける証拠を系統的に検証し、認識が遅れた理由を分析したものです。

J Clin Psychiatry 2025 Sep 22】
Failing Public Health Again? Analytical Review of Depression and Suicidality From Finasteride
https://www.psychiatrist.com/jcp/analytical-review-depression-suicidality-finasteride/

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医薬品の副作用報告制度を学校の授業で教える(英国)

World Patient Safety Day (世界患者安全の日)の9月17日、英MHRAは17日、英教育省と協力して Yellow Card scheme を通じた医薬品の副作用報告制度について生徒たちが学ぶよう、学校向けの法定ガイダンスに組み込むと発表しています。

【MHRA 2025.09.17】
MHRA and Department for Education embed medicine safety into school curriculum to empower young people
https://www.gov.uk/government/news/mhra-and-department-for-education-embed-medicine-safety-into-school-curriculum-to-empower-young-people

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フランスにおけるBZ系薬剤の適正使用への取り組み

日本で未だ広く使用されているBZ系(ベンゾジアゼピン系)薬剤ですが、フランスでは当局による適正使用のためのさまざまな対策が行われています。

フランス当局のANSMは6月30日、ゾピクロン、ゾルピデム、ニトラゼパムの3剤を販売する製薬会社に対し、30錠包装を止めて、1週間分の治療コースに相当する5~7錠包装での供給(フランスでは箱出し調剤)するよう要請しました。
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痩せる注射を求める女性に当局が注意喚起(英国)

英国でも、skinny jabs と女性の間で痩せるための注射薬との認識が広がっているGLP-1受容体作動薬ですが、英国医薬品庁(MHRA)は、妊娠を希望する人や妊娠中、授乳中に使用しないことや、美容や美容目的で体重を減らしたい場合にも使用しないよう、注意喚起を発出しました

【MHRA 2025.06.05】
Women on “skinny jabs” must use effective contraception, MHRA urges in latest guidance
https://gov.uk/government/news/women-on-skinny-jabs-must-use-effective-contraception-mhra-urges-in-latest-guidance
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セチリジンまたはレボセチリジンを長期使用後に中止した後の掻痒に注意(米FDA)

米FDAは5月16日、セチリジンまたはレボセチリジンを長期使用後に中止した患者に、まれではあるが重度のかゆみを経験する可能性があるとする医薬品安全性情報を発出しました。

【FDA Drug Safety Communication 2025.05.16】
FDA requires warning about rare but severe itching after stopping long-term use of oral allergy medicines cetirizine or levocetirizine (Zyrtec, Xyzal, and other trade names)
https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/fda-requires-warning-about-rare-severe-itching-after-stopping-long-term-use-oral-allergy-medicines

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フィナステリドおよびデュタステリドを服用時は自殺念慮リスクへの留意が必要(EMA)

EMA(欧州医薬品庁)の安全性委員会であるPRACは5月8日、フィナステリドおよびデュタステリド製剤に関する利用可能なデータをEU全体でレビューした結果、フィナステリド1mgおよび5mg錠の副作用として自殺念慮(自殺念慮)を確認したと発表した。

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ドンペリドンの妊婦禁忌が解除へ

4月25日、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が開催され、ドンペリドンについて、これまでの妊婦禁忌が解除されることになったそうです。

【厚労省 2025.04.25開催】
令和7年度第2回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57187.html

ドンペリドンの調査結果報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001481189.pdf

ドンペリドンの「使用上の注意」の改訂について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001481188.pdf

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フィナステリド等による性機能障害や精神障害の潜在的リスク(仏)

フランスの当局のANSMは10月17日、数年にわたって行ってきたフィナステリドに対する措置に加え、EMAののファーマコビジランス委員会(PRAC)も新たなレビューを開始したと発表した(2024.10.17にXに投稿したものを再構成しました)

【仏ANSM 2024.10.17】
Réévaluation européenne de la balance bénéfice/risque des médicaments contenant du finastéride ou du dutastéride
https://ansm.sante.fr/actualites/reevaluation-europeenne-de-la-balance-benefice-risque-des-medicaments-contenant-du-finasteride-ou-du-dutasteride

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妊娠6ヶ月目以降はNSAIDsは使用しないでください(仏)

日本では、NSAIDsの妊娠後期(妊娠8ヶ月)の使用は禁忌ですが、フランスANSMは妊婦に深刻なリスクを及ぼし、胎児の死亡につながる可能性があるとしては製品情報とリーフレットに妊娠6ヶ月目から禁忌とするよう記載を指示。

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親が使用するミノキシジルに子どもが触れることは危険

日本でも発毛や育毛、脱もの進行予防に使われているミノキシジル外用液ですが、あるオンラインニュースが目に留まりました。(Xに2024.12.06に投稿したものを再構成しました)

【Techinsight japan 2024.12.06】
【海外発!Breaking News】親の薄毛・脱毛治療薬が皮膚や口から吸収、乳幼児11人が狼男症候群を発症(スペイン)
https://japan.techinsight.jp/2024/12/ac12051624.html
https://news.livedoor.com/article/detail/27710861/

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