入院患者の院外処方せん受付時の調剤報酬の取り扱い

 14日、入院中の患者さんが医療機関を受診し、院外処方せんを発行した場合の調剤報酬の算定について、疑義解釈通知が発出されています。

疑義解釈資料の送付について(その5)
(厚労省2010年6月14日)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-115.pdf

【他医療機関の受診】
(問1) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者を除く。)について、入院医療機関において行うことができない専門的な診療のため他医療機関の受診が必要となり、当該他医療機関から交付された処方せんに基づき薬局において調剤した場合、調剤報酬の算定等は具体的にどのように行うのか。

(答) 当該薬局において、調剤基本料(加算を含む。)及び調剤情報提供料(算定要件を満たす場合に限る。)を算定することができる。ただし、当該患者が出来高入院料を算定する病床に入院している患者である場合には、これらの費用のほか、調剤料(加算を含む。)、薬剤料及び特定保険医療材料料についても算定することができる(調剤情報提供料以外の薬学管理料については、算定することはできない)。

算定に当たっては、調剤報酬明細書の摘要欄に、(1)入院中の患者である旨、(2)入院医療機関の名称、(3)出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載すること。

また、調剤内容(医薬品名、規格単位、用法・用量、調剤数量(投薬日数、調剤回数等)等)について、入院医療機関に情報提供すること。

※ 出来高入院料を算定する病床とは、DPC算定病床以外の病床であって、療養病棟入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料及び特定入院基本料を除く入院基本料を算定する病床をいう。
※ 当該他医療機関が交付した処方せんの備考欄には、(1)入院中の患者である旨、(2)入院医療機関の名称、(3)出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載されている(平成22年6月4日厚生労働省保険局医療課事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その4)」の問2参照)。(→TOPICS 2010.06.7

(問2) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者に限る。)について、入院医療機関において行うことができない専門的な診療のため他医療機関の受診が必要となり、当該他医療機関から交付された処方せんに基づき薬局において調剤した場合、調剤報酬の算定等は具体的にどのように行うのか。

(答) 当該薬局における調剤に係る費用は、入院医療機関が行った調剤に係る費用と同様の取扱いとし、入院医療機関において算定することとなるため、この場合の入院医療機関と当該薬局との間での診療報酬の分配は、相互の合議により行うこと。

また、調剤内容(医薬品名、規格単位、用法・用量、調剤数量(投薬日数、調剤回数等)等)について、入院医療機関に情報提供すること。

 つまり、出来高入院料を算定している病院に入院している患者さんの処方せんを受け付けた場合、「薬剤服用歴管理指導料」は算定できず、患者さんの同意を得て「調剤情報提供料」を算定するという形になるようです。

 一方、DPC算定病棟に入院している患者さんの処方せんを受け付けた場合は、入院での調剤の取り扱いとなるため、実費を処方せんを発行した医療機関に事実上請求することになるようです。

 関連情報:TOPICS 2010.06.07 入院患者の院外処方調剤時は病院への情報提供が必要


2010年06月14日 13:27 投稿

コメントが1つあります

  1. 「入院医療機関と当該薬局との間での診療報酬の分配は、相互の合議により行うこと。」
    極端に、たとえば、薬価分しか払わないとか言われても、こっちは拒否できないんですよね。

    大原則として、入院は院外処方にできなかったんだから、原則どおりにすべきって思いますけど。最近は、病院側から強い意見が出れば何でもありみたいで、法の整合性がなくなっています。

    この件は、もっときちんとしたルールを決めて欲しいものです。