論文・報告あれこれ 2014年7月

 今月もためてしまいました。他サイトではあまり紹介されていない、ちょっと気になった論文や報告などをピックアップしました。気になったものは独立記事にするかもしれません。誤りがあったらご指摘下さい。これから (J-STAGE に掲載のものは、発行後一定期間過ぎてから解禁となるものがあり、1年以上前に掲載された論文等を紹介する場合があります)

 ★更新することが多いので、2013年1月分よりスタイルとURLのタイプを変えました。サイドバーに各月記事へのリンク、右下に最終更新日を記してあります。 

右下に最終更新日を記してあります。 

紹介日 論文・報告タイトル
(紹介記事・ブログ、関連論文)
概要・コメント
07.28 Treatment of Vertigo: A Randomized, Double-Blind Trial Comparing Efficacy and Safety of Ginkgo biloba Extract EGb 761 and Betahistine
Int J Otolaryngol.Published Online 25 Jun 2014)

ウクライナで行われたRCT。イチョウ葉エキス(EGB761)は、めまい治療にベタヒスチンと同等に有用だとした。
07.28 Parents’ preferences for seasonal influenza vaccine for their children in Japan
Vaccine Published Online 22 Jul 2014)
フルテキストで確認したい明治薬科大公衆衛生の庄野助教らのオンライン調査の報告。海外では点鼻型のインフルエンザワクチンが導入されているが、近い将来日本で承認された場合の親の対応を尋ねています。
07.28 Lessons Learned from the Fukushima Nuclear Accident for Improving Safety of U.S. Nuclear Plants
(National Academy of Sciences)

福島第一原発の事故から得られた教訓を米国での安全対策に生かすために全米の専門家を集めてまとめられた、米科学アカデミーがまとめた報告書。地震や津波などの「複合災害」の危険性を指摘し、米国の原発周辺地域で避難計画などの緊急対策が適切か再検討する必要があるとした。
07.28 Minutes of the PRAC meeting 10-13 June 2014
(EMA Published Online 21 Jul 2014)
ビルダグリプチンによる横紋筋融解症のシグナルなどが議論された。
07.28 Drugs and driving: blood concentration limits to be set for certain controlled drugs in a new legal offence
(MHRA Drug Safety Update 2014.7)

運転能力が損なわれているかどうかにかかわらず、一定以上の血中濃度が検出された場合には、罪に問われるとした、2015年3月より英国で発効される改正法の解説。コカインやモルヒネの他、ジアゼパム、クロナゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムなども該当するという。
 07.28 Verapamil decreases the glucose-lowering effect of metformin in healthy volunteers
Br J Clin Pharmacol Published Online 24 Jul 2014)
メトホルミンにベラパミルを併用すると、OCT1との競合的阻害?により作用が減弱するとした。
07.28 Levonorgestrel and ulipristal remain suitable emergency contraceptives for all women, regardless of bodyweight
(EMA 2014.07.24)

 肥満の女性だとレボノルゲストレルによる緊急避妊の効果が減弱する可能性があるとした論文発表に伴いEMAで行われたレビュー結果の公表。効果に問題はないと結論付けた。
07.28 Efficacy of paracetamol for acute low-back pain: a double-blind, randomised controlled trial 
(Lancet Published Online 24 Jul 2014)

豪州で行われたRCT。急性腰痛にアセトアミノフェン(パラセタモール)は効果がないとした。
07.28  「妊娠・授乳と薬」 対応基本手引き(改訂2 版) 2012 年12 月改訂
(愛知県薬剤師会 妊婦・授乳婦医薬品適正使用推進研究班 2012.12)
ちょっと前のものですが、総論の他、具体的な問い合わせ事例も紹介。
7.22 Cilostazol Add-On Therapy in Patients with Mild Dementia Receiving Donepezil: A Retrospective Study
(PLoS One Published Online 26 Feb 2014)

7月20日放映のNHKスペシャルで紹介された国立循環器病研究センターの研究。ドネペジルで治療中の軽度認知症患者にシロスタゾールを上乗せすると認知機能低下の抑制につながる可能性があるとした。
7.22 Cilostazol improves cognitive function in patients with mild cognitive impairment: A retrospective analysis
Psychogeriatrics Published Online 11 Jun 2013)
上記研究の発表に先駆けて発表されたパイロットスタディ
7.22 Free NHS Health Check~Helping you prevent heart disease,stroke,diabetes, kidney disease and dementia
(NHS/保健省/英アルツハイマー協会)
これもNHKスペシャルで紹介されていたもの。心臓血管病と認知症の関連があるとしたNHSの検診?を呼びかけるリーフレット。下記GLの更新を重ねて見ると、スタチンも認知症予防のために服用することが推奨されているようにも思えてくる
7.22 Lipid modification: cardiovascular risk assessment and the modification of blood lipids for the primary and secondary prevention of cardiovascular disease
(NICE 2014.7)

 

NICEのGLの更新版。
「ポリファーマシーやライフスタイルなどに留意し、使用についてはリスクベネフィットを話し合う」「アトルバスタチンを推奨」「ビタミンDやCoAQとの併用も推奨されない」「服用中のサプリメントの使用は処方医や薬剤師に要相談」 などが追記。
スタチンの使用すべきする人の範囲が広がっており、今回のUpdateには、ドラフトが示された時点から批判も少なくない。
7.22 Antibiotic prescribing practice in residential aged care facilities — health care providers’ perspectives
(Med J Aust Published Online 21 July 2014)

高齢者向け介護施設(住宅系)における抗生剤の使用状況を40人の看護師、15人のGP、6人の薬剤師にインタビューし、問題点について検討したもの。感染管理GLの欠如や看護師の訓練不足などが抗生剤の不適切な使用につながっているという。
7.22 違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)の乱用拡大とその規制
(精神保健研究 (60) 11-15,2014)

脱法ドラッグの問題を化学的に解説したもの。合成カンナビノイドを含む製品の他、脳内のドーパミン神経系を刺激して興奮作用や陶酔感を出すカチノン系の化学物質などが検出されいている。
7.22 American Geriatrics Society Feeding Tubes in Advanced Dementia Position Statement
(J Am Geriatr Soc Published Online 7 july 2014)
米国老年医学会の高度の認知症患者への経管栄養の是非についての見解。
7.22 Thema: Hittegolf en medicijnen
(Dé website van alle apotheken in Nederland)

オランダ薬剤師会の生活者向けの暑さ対策を記したページ。パーキンソン病治療薬や精神病薬を服用中の人に対しては発汗減少に対しても注意を呼びかけている。こういう情報の発信は日本でも可能だと思う。
7.22 FDA Consumer Advice on Powdered Pure Caffeine
(リンク切れかも →キャッシュ

カフェインの過量摂取による健康リスクについての注意喚起。米国ではカフェインは健康補助食品として販売されている他、食品にも配合されている文化にも問題があると思う。日本ではカフェインは原末は劇薬。しかし、錠剤や液剤のOTCは第3類。しかも、ネットではまとめ売りも。日本でも過量服用によるトラブルはないのだろうか?
7.22 Inhaled corticosteroids in children with persistent asthma: effects on growth
(Cochrane Database Syst Rev Published Online 17 July 2014)

コクランレビューの更新版。吸入ステロイドが成長を抑制するとして、英国では改めて話題に。
7.22  抗生物質を用いた自己治療と薬剤師の対応 -インドネシア首都圏における横断的研究-
(国際保健医療 29(2) p81-90,2014)
インドネシア首都圏において抗生物質を買い求める顧客の行動様式とそれに対する薬剤師の対応を明らかにしたもの。日本では処方せんなしで抗生剤は購入できないが、使用動機としては通じるものがあるかもしれない。
7.22 【介護サービス事業者による生活支援サービスの推進に関する調査研究事業】
要支援者の自立支援のためのケアマネジメント事例集
(日本総合研究所 2014.3)
 「認知機能の低下の有無」「疾患(慢性疾患、急性・進行性の疾患、その他の疾患)」など18の類型に分類し、27事例を抽出してケースレポートとしてさくせいされたもの。現場でどのような取り組みが模索されているか参考になる
7.22 Effects of Extended-Release Niacin with Laropiprant in High-Risk Patients
NEJM Published Online 17 July 2014)

LDL-Cを低下させるとされているナイアシンのリスクベネフィットに関する研究。
7.22 Therapeutic management of anal eczema: an evidence-based review
Int J Clin Pract Published Online 4 Jun 2014)
肛門湿疹に対する治療についてのレビュー
7.22 ADR reports for the HPV vaccine
(Danish Pharmacovigilance Update 2014 vol.5)
デンマーク当局に寄せれたHPVワクチンの有害事象についてまとめたもの
7.22 Sporanox (Itraconazole) Capsules
(FDA Safety Information)

イトラコナゾールの製品情報の改定。黒枠警告で相互作用(禁忌)が記されている。日本より併用禁忌が多いような気がする
7.22 Hypertension, Antihypertensive Medication Use, and Risk of Psoriasis
JAMA Dermatology Published Online 2 July 2014)

長期の高血圧状態ややβ遮断薬の長期使用が乾癬リスクを高めるとした、看護師を対象とした前向き研究
7.22 Safety of Vaccines Used for Routine Immunization in the United States
(AHRQ 2014.7)

ワクチン接種の安全性に関するレビュー
7.22 Possible cardiovascular problems associated with testosterone products
(Health Canada 2014.07.15)

テストステロン製剤に関するヘルスカナダの注意喚起。日本ではOTCとしても配合されているが、注意喚起は必要だろうか?
7.22 患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン
(日本精神神経学会 2014.06.25 Update)

「改正道路交通法」や「自動車運転死傷行為処罰法」の施行を受け、自動車運転能力が低下した状態にある統合失調症やてんかんなどの患者に対して精神科医が主治医としてかかわる際の行動規範を示したもの。
7.22 Comparison of acid inhibition with standard dosages of PPIs in relation to CYP2C19 genotype in Japanese
(Eur J Clin Pharmacol Published Onlilne 6 Jul 2014)
浜松医大の研究。ラベプラゾールは、他のPPIに比べてCYP2C19遺伝子型の影響が少ないというメリットがあるとした。
7.22 Working Together to Manage Diabetes: A Toolkit for Pharmacy, Podiatry, Optometry, and Dentistry (PPOD)
(CDC published Online 16 Jul 2014)

 
7.22 Bisphosphonates and possible risk of optic neuritis added to the medicines monitoring scheme
(Medsafe 2014.07.08)
視神経炎発症のシグナルが検出されたとして、監視対象として指定したとして、注意喚起を行う。
7.22 Emergency Department Visits by Adults for Psychiatric Medication Adverse Events
JAMA Psychiatry Published Online 9 Jul 2014)
精神神経系薬剤による有害事象が原因と思われる緊急訪問室への受診で最も多かったのがゾルピデム。次いでクエチアピン、アルプラゾラム、ロラゼパムが続いた。
7.22 Vaccination in Elite Athletes
Sports Med Published Online 2 Jul 2014)
海外トレーニングや海外遠征するトップアスリートも、ワクチン接種は重要とした総説
7.22 Improvement of a Woman’s Alcohol-Related Dementia via Off-label Memantine Treatment: A 16-Month Clinical Observation.
Ann Pharmacother Published Online 2 Jul 2014)
独の症例報告。メマンチンはアルコール関連の認知症の認知機能を改善させるかもしれない。
7.22  Sitagliptin Use in Patients With Diabetes and Heart FailureA Population-Based Retrospective Cohort Study
(JACC Heart Fail. Published Online 25 Jun 2014)

シタグリプチンを服用している人は、服用していない人と比べ、心不全による入院例が多いとした。
7.22 Success of rogue online pharmacies: sewage study of sildenafil in the Netherlands
(BMJ Pubulished Online 2 Jul 2014)
下水処理場でのシルデナフィルの代謝物の濃度測定で、不正オンライン薬局による非合法販売の状況がわかるのではないかという Letter
 7.22 Long-term effect of antihypertensive drugs on the risk of new-onset atrial fibrillation: a longitudinal cohort study.
Hypertens Res Published Online 26 Jun 2014)

利尿薬は心房細動の発症リスクを増やし、ACE阻害薬は減らすことが示唆されるとした。
 7.22 Blood Lead Concentrations and Children’s Behavioral and Emotional Problems A Cohort Study
JAMA Pediatr Published Online 30 Jun 2014)

江蘇省の4幼稚園児を対象として行われたコホート研究。血中鉛濃度が高いとと子どもの問題行動も多くなるとした。
 7.22 Minutes of the PRAC meeting 5-8 May 2014
(EMA)
 

最終更新日:2014年7月28日

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