論文・報告あれこれ 2014年9月

 他サイトではあまり紹介されていないものを中心に、ちょっと気になった論文や報告などをピックアップしました。気になったものは独立記事にするかもしれません。誤りがあったらご指摘下さい。必ずしも最近アップされたものとは限りません。(特にJ-STAGE に掲載のものは、発行後一定期間過ぎてから解禁となるものがあり、1年以上前に掲載された論文等を紹介する場合があります)

 ★更新することが多いので、2013年1月分よりスタイルとURLのタイプを変えました。サイドバーに各月記事へのリンク、右下に最終更新日を記してあります。 

右下に最終更新日を記してあります。 

紹介日 論文・報告タイトル
(紹介記事・ブログ、関連論文)
概要・コメント
09.15 Potential Antidepressant Overtreatment Associated with Office Use of Brief Depression Symptom Measures
J Am Board Fam Med. 2014 Sep-Oct;27(5):611-20.)

プライマリケア領域でうつ病をスクリーニングし、評価する有用なツーるとして、PHQ-9(患者さんの健康に関する質問票 -9)というものがあるが、これを使用すると過剰診断につながっているのではないかとする論文。
09.15 Effects of Valproic Acid in Combination with S-1 on Advanced Pancreatobiliary Tract Cancers: Clinical Study Phases I/II.
(Anticancer Res. 2014 Sep;34(9):5187-91.)
徳島大の研究。S-1(ティーエスワン)にバルプロ酸を併用をすると胆管がんに有用らしい。現時点では、フェーズ2。
09.15 Glucagon-like peptide-1 receptor agonist and basal insulin combination treatment for the management of type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis
Lancet Published Online 12 Sep 2014)

基礎インスリンのGLP-1アゴニストとの併用治療に関するシスティマティック・レビュー&メタアナリシス。
09.15 Maternal and perinatal predictors of newborn iron status
N Z Med J Published Online 12 Sep 2014)

妊婦が1日3杯以上牛乳を摂取すると臍帯血に鉄分が行きわたらなくなり、胎児の脳の発育にも影響があるとした論文。ググったら子どもの牛乳貧血というのもあるんですね。研究者らは毎日牛乳を飲む妊婦はサプリで鉄の摂取を推奨。
09.15 ABO blood type, factor VIII, and incident cognitive impairment in the REGARDS cohort
Neurology Published Online 10 Sep 2014)
血液型AB型は認知障害のリスクが高いかもしれないとしたコホート研究。
09.15 Ocular adverse effects with bisphosphonates
(NHS UKMi Medicines Q&A)
ビスホスホネートの目への副作用についてレビューしたもの。
09.15 How can nausea and vomiting be treated during pregnancy?(Update)
(NHS UKMi Medicines Q&A)
 
09.16 Don’t Leave Childhood Depression Untreated
FDA Consumer Updates Pubished 12 Sep 2014)
小児へのうつ病への対応を呼びかけるFDAの消費者向けリーフレット。薬物療法を積極的に推奨するというスタンスという感もあり、一般向け情報としてどうなんだろう?
09.16 Benzodiazepine use and risk of Alzheimer’s disease: case-control study
BMJ Published Online 9 Sep 2014)

「眠剤を使い続けることはボケにつながる」という患者の懸念は、俗説ではなかったともいえる研究。BZ系の使用はアルツハイマーのリスク増と関連していると結論。もともと英国でもBZ系は限定使用が推奨されているので、NHS Chices の解説記事でも辛口のコメントはない。
 09.16 Economic Impact of Redundant Antimicrobial Therapy in US Hospitals
Infection Control and Hospital Epidemiology 35(10) 1229-1235,2014)

 
 09.16 Is it ethical to prescribe generic immunosuppressive drugs to renal transplant patients?
Canadian Journal of Kidney Health and Disease Published Online 9 Sep 2014) 
移植医療で用いられる免疫抑制剤のジェネリック医薬品への代替調剤についての是非についてまとめたもの。
09.16 Olmesartan-associated enteropathy: results of a national survey
Aliment Pharmacol Ther Published Online 9 Sep 2014)
 
09.16 Hyperparathyroidism and Hypercalcaemia with Lithium Treatment
Prescriber Update 35(3): 37-38 September 2014)
リチウムの長期治療をうけている最大約10%で高カルシウム血症がみられる
09.16 The Hard Facts on Drug-induced Priapism (Long-lasting Erections) 
Prescriber Update 35(3): 35 September 2014)
持続性勃起を起こす可能性がある薬剤をまとめたもの。
09.16 Community pharmacy-based asthma services: current perspectives and future directions
Integrated Pharmacy Research and Practice 11 Aug 2014)
 米国の報告。
09.16 小学校における発達段階別薬育の構築
—薬育のできる人材育成を視野に入れた取組み—
(医薬品情報学 16(2) p26-28 2014)
 
09.16 国民的コンセンサスとしての薬教育の必要性
(医薬品情報学 16(2) p23-25 2014)
 
09.16 薬物性血小板減少症の危険因子および自覚症状に関する研究
(医薬品情報学 16(2) p70-80)
カルバマゼピン、メトトレキサート、インターフェロンα、チクロピジンまたはバルプロ酸の投与は、薬剤誘発性血小板減少症のリスクを増加させた。
09.16 医薬品の棚配置が調剤過誤に及ぼす影響
(医薬品情報学 16(2) p63-69 2014)
 
09.16 レセプトデータを用いたスタチン系薬剤による睡眠障害のリスクに 関する解析
(医薬品情報学 16(2) p53-62 2014)
 
09.16 Medical Economic Research on Pharmaceutical Inquiries Made by Hospital Pharmacists about Prescriptions for Inpatients
(医薬品情報学 16(2) p42-52 2014)
東京理科大鹿村氏らの研究。病院薬剤師が行う疑義照会の医療経済的影響を調べたもの。
09.16 Preventing suicide: A global imperative
(WHO 2014.9)

WHOが初めてまとめた自殺予防に関するレポート。各国の取り組み事例なども紹介されている。国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所・自殺予防総合対策センターが翻訳した日本語版もある。
09.16 A successful case of dose reduction in etizolam dependence using fine granules: a case report
(Int Med Case Rep Published Online 21 Aug 2014)
産業医大の症例報告。エチゾラム依存患者に対し、エチゾラム細粒に少しづつラクトース顆粒を加えて、依存から脱出するという方法を紹介したもの。
09.16 Efficacy and safety of methotrexate in alopecia areata
An Bras Dermatol. 2014 Sep;89(5):729-34)
円形脱毛症に対するメトトレキサートの有効性と安全性検討した、ブラジルの研究。単独もしくはコルチコステロイドとの併用で有用の可能性があるとした。

最終更新日:2014年9月15日

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