英規制機関のMHRAは4月30日、キシロメタゾリンまたはオキシメタゾリンを含む点鼻スプレーや点鼻薬について、過度な使用により、リバウンド性鼻閉、薬剤性鼻炎、および過剰使用による耐性発現があるとして注意を呼びかけている。
【MHRA Drug Safety Update 2026.05.01】
Nasal decongestant sprays and drops containing xylometazoline hydrochloride / oxymetazoline hydrochloride: increased risk of rebound congestion, rhinitis medicamentosa, and tachyphylaxis with overuse
https://www.gov.uk/drug-safety-update/nasal-decongestant-sprays-and-drops-containing-xylometazoline-hydrochloride-slash-oxymetazoline-hydrochloride-increased-risk-of-rebound-congestion-rhinitis-medicamentosa-and-tachyphylaxis-with-overuse
これら点鼻薬の副作用として次の3つが知られている。
リバウンド性鼻閉
キシロメタゾリンやオキシメタゾリンを含む点鼻薬を過剰に使用したことが原因で鼻腔が腫れ、一時的に鼻詰まりが生じる状態。
薬剤性鼻炎
これらの薬剤を継続的に使用することで、鼻粘膜やその他の鼻腔内構造に目に見える変化が生じ、鼻詰まりの他に、鼻のかゆみやくしゃみ、鼻水が発現し、重症で治療がされない場合には鼻腔内に不可逆的な構造変化が生じ、外科的処置が必要となる場合がある。
タキフィラキシー(速成耐性)
薬剤投与後に薬剤に対する反応が急激に低下し、その結果として薬剤耐性が急速に発現し、薬剤の有効性が急速に低下する状態となる。
その影響は5日間以上継続使用した後に顕著になる。
鼻づまりの症状が再燃するため、患者は鼻づまりの症状を緩和するために薬剤の使用頻度や使用時間を増やすことになり、臨床的に重大な影響を及ぼす。
独立機関であるヒト用医薬品委員会の心血管・呼吸器・腎臓・アレルギー専門家諮問グループおよび医薬品安全性監視専門家諮問グループでは、これら点鼻薬の長期間の使用における副作用についてレビュー、その結果、これまでの成人および12歳以上の小児における最大使用期間を7日間から5日間に変更することを推奨。
今年1月、英国王立薬剤師会(RPS:The Royal Pharmaceutical Society、現在The Royal College of Pharmacy に改称)では、「鼻づまり解消スプレーの使用は7日間に制限すべき」(→TOPICS 2025.01.10)と注意を呼び掛けていたが、さらに使用期間の制限を求めるものとなった。
MHRAではまた、プソイドエフェドリン、フェニレフリン、エフェドリンなどの鼻づまりの治療に使用される他の経口および鼻腔内投与薬と併用しないことも呼びかけた。(併用禁忌)
本邦ではオキシメタゾリン塩酸塩を含有する、ナシビンメディ、ナシビンMスプレーについて、用法・用量で「連続して1週間を超えて使用しないでください。使用を中止した場合は2週間以上あけてください」との記載がされているが、ナファゾリン塩酸塩を含有する製品については使用期間の注意記載はない。
参考:
Recommended use of some nasal decongestant sprays limited to five days by UK regulator
(MHRA 2026.04.30)
https://www.gov.uk/government/news/recommended-use-of-some-nasal-decongestant-sprays-limited-to-five-days-by-uk-regulator
関連情報:TOPICS
2026.01.10 鼻づまり解消スプレーの使用は7日間に制限すべき
2026年05月01日 23:08 投稿
