論文・報告あれこれ 2017年5月

 しばらくお休みにしていましたが、ちょっとメモとして再開してみました。来月以降も継続できるかどうかはわかりません。紹介日は基本的にツイートした日です。

 他サイトではあまり紹介されていないものを中心に、ちょっと気になった論文や報告、発表などをピックアップしました。気になったものは独立記事に するかもしれません。誤りがあったらご指摘下さい。必ずしも最近アップされたものとは限りません。(特にJ-STAGE に掲載のものは、発行後一定期間 過ぎてから解禁となるものがあり、1年以上前に掲載された論文等を紹介する場合があります)

 ★更新することが多いので、2013年1月分よりスタイルとURLのタイプを変えました。サイドバーに各月記事へのリンク、右下に最終更新日を記してあります。

 右下にこのページの最終更新日を記してあります。

紹介日 論文・報告タイトル
(紹介記事・ブログ、関連論文)
概要・コメント
05.26 The contribution of direct patient reported ADRs to drug safety signals in the Netherlands from 2010 to 2015
Pharmacoepidemiol Drug Saf 2017 Msy 19)
副作用患者報告も、オランダLarebシグナル検出の役割を果たしているとした。(特にジェネリック医薬品や精神神経症状に関するもの)
05.26 薬局・薬剤部の機能を活用した副作用報告の推進に関する研究
(H28厚生労働科学特別研究)
医師等との連携なども含めた実施上の課題等を整理し、今後実現可能な制度改善提案(ガイダンス骨子案)をまとめることを目的として実施。「医薬関係者の副作用報告ガイダンスの骨子(案)」をもとにより具体的な業務手順書の検討を進めて行くことが必要であるとした。
05.26 内服薬処方せんの記載方法標準化の普及状況に関する研究
(H28厚生労働科学特別研究)

 

本研究において、検討会報告書に示された内容について時間は要しているものの、確実に前進していることが確認されたとした。(そうかなあ)
報告書に示された短期的方策について期限を定めて実施を求めることが重要であるとした。
論文・報告あれこれ 2016年9月でも紹介)
05.26 適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究
(H28厚生労働科学特別研究)
 05.24 WHO 国際医薬品モニタリング制度 ―WHO 医薬品安全グループの活動 ―
(薬剤疫学 21(2) 77-90)
WHO 国際医薬品モニタリング制度について、その経緯、概要および現状について紹介するとともに、活動の中核を担っている医薬品安全グループが実施している活動や業務内容についても紹介。
05.24

関節リウマチを主な適用疾患とするバイオ医薬品における有害事象プロファイルの比較
(薬剤疫学 21(2) 63-76)

日本で承認されている免疫調節作用を有する抗体医薬品 12 品目について検討。肺疾患や皮膚疾患を持つ患者等については、抗 TNF 薬を使用する際に、一部の感染症が生じやすい可能性に配慮する必要があると考えられた.
05.24 Finasteride: rare reports of depression and suicidal thoughts
(MHRA Drug Safety Update 2017 May 24)
フィナステリド1mg(プロペシア)についても、うつ症状が現れたら、中止することを助言するを求める

05.24 Associations of Acid Suppressive Therapy With Cardiac Mortality in Heart Failure Patients
J Am Heart Assoc.2017 May 16)
PPI服用で心臓死リスクが低下する可能性があるとした、福島医大の研究
05.23 Pharmaceutical-grade Chondroitin sulfate is as effective as celecoxib and superior to placebo in symptomatic knee osteoarthritis: the ChONdroitin versus CElecoxib versus Placebo Trial (CONCEPT)
Ann Rheum Dis、2017 May 22)

硫酸コンドロイチンが変形性膝関節症に有用だとする研究
05.22 Use and abuse of medication during 2014 FIFA World Cup Brazil: a retrospective survey
BMJ Open 2015 Sep 10.)
2010年大会より減少したが、2006年大会並みで、NSAIDsの使用はまだ高い水準であるとした。
05.22 High prevalence of medication use in professional football tournaments including the World Cups between 2002 and 2014: a narrative review with a focus on NSAIDs
Br J Sports Med. 2015 May;49(9): 580–582.)
これまでの論文のレビュー。
05.20 Metoclopramide-induced Serotonin Syndrome
Intern Med 56(6): 737–739.)
ミルタザピン、ラモトリギン、アリピプラゾール、ロラゼパムを服用中の双極性障害の40歳女性の国内症例
05.20 Bullous Pemphigoid associated with Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitors: A Report of Five Cases
J Diabetes Investig. Published Online 2017 May 18)
DPP-4阻害薬との関連が疑われる水疱性類天疱瘡5例の国内報告。海外でも同様の報告があります。
05.20 後発医薬品の採用及び使用の課題に関する調査報告書
(日本ジェネリック製薬協会2017.3)

全国の医療機関(診療所・病院)から無作為抽出した診療所 2,000 施設、病院 1,500 施設の計 3,500 施設とここれら医療機関票の対象病院 1,500 施設に勤務し、医薬品の採用検 討に携わる医師各 2 名の計 3,000名を対象に郵送により調査
 05.19 Healthcare Access and Quality Index based on mortality from causes amenable to personal health care in 195 countries and territories, 1990–2015: a novel analysis from the Global Burden of Disease Study 2015
Lancet Published Online 18 May 2017)

世界195か国を対象に医療サービスの質を比較してランキング化した報告。4位はアンドラ、2位はアイスランド、3位はスイス。日本は11位、英国は30位、米国は31位だった
 05.19 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書(案)・オランザピン
第31回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 2017.05.17)
オランザピン(ジプレキサ)をシスプラチン等がん化学療法に伴う悪心・嘔吐の効能効果を医学薬学上公知と判断できるとした報告書。用法・用量には、「本剤は他の制吐剤との併用において使用する」という条件の下、「通常、成人にはオランザピンとして 5mg を 1 日 1 回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増量するが、1 日量は 10mg を超えない」となる見通し
 05.19 Lessons learnt in Japan from adverse reactions to the HPV vaccine: a medical ethics perspective
Indian J Med Ethics. 2017 Apr-Jun;2(2):82-88.)

別府 宏圀氏らの報告。
和訳と関連情報が薬害オンブズパースン会議ウェブサイトに掲載されている(→リンク
 05.18 Self reported outcomes and adverse events after medical abortion through online telemedicine: population based study in the Republic of Ireland and Northern Ireland
BMJ Published Online 2017 May 16)

 05.18 An Open-Label Crossover Study of the Pharmacokinetics of the 60-mg Edoxaban Tablet Crushed and Administered Either by a Nasogastric Tube or in Apple Puree in Healthy Adults
(Clin Pharmacokinet Published Online 2017 May 17)
エドキサバンは粉砕で経口か経鼻胃管で投与しても、Tmaxは早いが、CmaxおよびAUCは大きく変わらない、との報告。(→ツイート引用
05.18 Dihydrocodeine
(豪TGA Scheduling delegate’s interim decisions and invitation for further comment: ACCS/ACMS, March 2017)
ジヒドロコデインの Scheduling を 要薬剤師薬と処方箋医薬品のみにする豪TGAの医薬品分類に関する委員会の勧告。海外の状況についての記載があり、ジヒドロコデインを含んでいる日本の製品は、鎮静効果を相殺とrecreational use を防ぐためカフェインが配合されているとのこと。(総合感冒薬等の過量服用はカフェイン中毒リスクも考えなければいけない)
05.18 特集・地域における医療介護連携の展望
(保健医療科学 Vol. 65(2016) No.2)
05.17 Utilization of influenza and streptococcal pharyngitis point-of-care testing in the community pharmacy practice setting.
(Res Social Adm Pharm.2017 May 2)
05.16 せん妄患者に頓用向精神薬を投与する看護師の困難感に関する実態調査
─全国の急性期病院における調査─
(日本医療・病院管理学会誌 Vol. 54 (2017) No. 2 p. 95-105)
 05.09 Risk of acute myocardial infarction with NSAIDs in real world use: bayesian meta-analysis of individual patient data
BMJ Published Online 9 May 2017)

飲み始め1か月でリスクが大という結果が示されたことから、海外では大きく取り上げられている論文。
 05.09 高齢者における健康食品の情報源に関する調査―インターネット調査および紙媒体調査の比較―
(食品衛生学雑誌 Vol. 58 (2017) No. 2 p. 107-112)
横浜市地域老人クラブのイベントに参加した65歳以上の高齢者257人を対象に健康食品に関する情報源,入手経路などについて質問
 05.09 機能性表示食品制度の施行1年後における現状―費者および医師・薬剤師を対象としたインターネット調査―
(食品衛生学雑誌 Vol. 58 (2017) No. 2 p. 96-106)
機能性表示食品の利用が原因と思われる健康被害の相談を受けたことがある人は医師1.6%,薬剤師2.1%であった
 05.05 Calcium supplementation and cardiovascular risk: A rising concern.
J Clin Hypertens 2017 May 2 )
 05.05 Self-care use patterns in the UK, US, Australia, and Japan: a multinational web-based survey
Integr Med Res Published online 2016 Mar 9)
英国(ロンドン、バーミンガム)、米国(NY・ロサンゼルス)、オーストラリア(シドニー・メルボルン・バース)、日本(東京・大阪)の9大都市の成人を対象としたWEB調査。血圧計や健康関連雑誌、WEB有料情報の利用状況などについても対象。日本が4か国でセルフケアが最も普及している(prevalence)というのは意外。
 05.03 DKMA seeks more knowledge about the use of quetiapine in children and adolescents
(DANISH PHARMACOVIGILANCE UPDATE NO. 3 • VOLUME 8 MARCH 2017 )
05.03 DEPRESSION AND SUICIDAL BEHAVIORS
(ISMP QuarterWatch 2016 Q3)

ベルソムラ、オテズラなど(PDE4阻害剤)について検討。日本は国内臨床試験において、うつ病及び自殺関連事象は報告されなかった。(→オテズラ錠・審査報告書

 


最終更新日:2017年6月18日

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