猛暑日が続く毎日がようやく終わりをつげていますが、気になるのは薬の在庫がない、不足分があった場合に、それを皆さんどう届けていますでしょうか?
これらの研究によれば、直接手渡しか、理解頂き取りに来てもらうことが賢明のようです。
ロキソニン錠60mg1シートに温度データロガーを張り付け定形外郵便で配送。配送中度状況をチェックしたら果たしてどうだったのか。
夏場の苛酷な気温下における郵便を利用した医薬品の配送と品質管理
(医薬品情報学 27(2) p21-30,2025)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdi/27/2/27_21/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdi/27/2/27_21/_article/-char/ja
ロキソニン1シートに温度データロガーを貼り付け定形外郵便で配送。配送中度状況をチェックしたら果たしてどうだったのか
夏場における郵便ポストや配達中のバイク内の医薬品は、一過性の温度上昇により40度を超える環境に2時間程度暴露される場合がある。(雨天投函・当日集荷、夜間投函・翌朝集荷の場合はここまでにはならず)
エアコンが効いていない自動車での配達も同様。
夏場における定形外郵便を利用した医薬品の配送は、品質担保の観点から推奨されない。
夏季の郵送医薬品の品質確保のためには、常温保管の医薬品であっても、過度の熱から医薬品を保護するための適切な対策を検討することが重要。
一方で、チルドゆうパックやクール宅急便など、医薬品配送を保冷可能な配送にすべて置き換えることは追加コストの発生から難しい。送料負担の補助患者の理解を得るような広報活動の検討も必要。
今後オンライン服薬指導サービスとそれに付随した医薬品配送についてもトラブルも増加する可能性の考慮も必要。
薬局からの薬剤配送における薬剤の品質保持及び患者への確実な授与を担保する方法の確立に向けた調査研究
(2023厚生労働科学研究)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/171467
(総括研究報告書)
薬局から患者宅への医薬品配送を想定 した輸送環境調査
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%20-%203%E7%B7%8F%E6%8B%AC%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8_R1.pdf
薬袋に温湿度を経時的に記録できるボタン型超小型データロガーと医薬品を入れ、定定形外郵便、レターパックプラス、宅配便、冷蔵タイプ宅配便(以下、クール便)の4種類の配送方法で岐阜市より北海道、千葉県、愛知県、岐阜県、三重県、愛媛県、鹿児島県の7地点に、2023年度の夏季と冬季に各2回発送し、受け取りまでの温度および湿度を5分間隔で計測。
定形外郵便、レターパックプラスおよび宅配便では夏季に実施した調査では30℃を上回る記録、冬季に行った調査では0℃を下回る記録があり、室温保存の条件から逸脱する場合が認められた。
また、クール便では輸送時の業者設定温度が0℃~10℃と明示されていたが、これを逸脱する記録が認められた。
一方、薬局からの配送後に患者宅の郵便受箱等に医薬品が放されると、外気の影響を受けやすい。
再配送や対面受取以外の方法による配送により外気に触れる時間が多くなる可能性があることについては、事業者間の流通を対象としているGDPガイドラインとは異なる特徴であり、留意が必要。
医薬品薬品配送に対して科学的エビデンスに基づく適切なガイドラインや指針を作成することで、患者への医薬品配送に関して薬局や企業が抱える懸念事項の解決に繋がることが期待できる。
また、オンライン服薬指導実施要領等において、配送を行う又は委託する薬局は、業務に当たって手順の作成等を行うことが重要。
あるあるですよね。
私も猛暑が続く毎日、不足分をどう届けるか悩みました。
日々の天候や温度に留意し、やむを得ない場合には、郵便ポストではなく、郵便局の窓口で渡すようにしました。
今後調剤外部委託が認められ、アマゾンなどが自らで行うようになったら、手順書とかが求められる可能性がありますね。
2025年09月20日 13:41 投稿