重篤副作用疾患別対応マニュアル

 「重篤副作用疾患別対応マニュアル」は、従来の安全対策に加え、医薬品の使用により発生する副作用疾患に着目した対策整備を行うとともに、副作用発生機序解明研究等を推進することにより、「予測・予防型」の安全対策への転換を図ることを目的として、重篤度等から判断して必要性の高いと考えられる副作用について、患者及び臨床現場の医師、薬剤師等が活用する治療法、判別法等を包括的にまとめたものです。

 このマニュアルは、学術論文、各種ガイドライン、厚生労働科学研究事業報告書、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の保健福祉事業報告書等を参考に、厚生労働省の委託により、関係学会においてマニュアル作成委員会を組織し、社団法人日本病院薬剤師会とともに議論を重ねて作成されたマニュアル案をもとに、2005年度から開催されている「重篤副作用総合対策検討会」で検討され取りまとめられています。

重篤副作用総合対策検討会(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=128695

 しかし、作成開始から10年程度経過したため、記載内容が古 くなっていることから、より一層の活用を推進するため、関係学会等の協力を得ながら、最新の知見を踏まえた改定・更新が2016年度より5年をかけて行われています

 本ページではこれまでのマニュアルと改定・更新の状況について紹介します。

 この「重篤副作用疾患別対応マニュアル」は、下記のような項目に従って記載されています。(対象とする副作用疾患に応じて、マニュアルの記載項目は異なる場合あり)

スティーブンス・ジョンソン症候群
(患者さん向けリーフレット)

「スティーブンス・ジョンソン症候群」患者さん向けリーフレット

副作用名
  • 日本語標記・英語標記、同義語
患者の皆様へ
(患者及び患者の家族向けの指導文書)
  • 副作用の初期症状
  • 副作用の概要と初期症状
  • 早期発見・早期対応のポイント
医療関係者の皆様へ
  • 早期発見と早期対応のポイント
    (副作用の好発時期、リスク因子、早期に認識しうる症状、早期発見に必要な検査とその時期、医療関係者の対応のポイント、患者指導のポイント等)
  • 副作用の概要
    (自覚症状、多覚所見、検査検査所見、画像検査所見、病理組織所見、発生機序、薬剤毎の特徴等)
  • 副作用の判別基準(判別方法)
    (臨床現場で遭遇した症状が副作用かどうかを判別(鑑別)するための基準(方法)を記載)
  • 判別が必要な疾患と判別方法
    (当該副作用と類似の症状等を示す他の疾患や副作用の概要や判別(鑑別)方法について記載)
  • 治療方法
  • 典型的症例概要
    (典型的な症例について、可能な限り時間経過がわかるように記載)
  • 引用文献・参考資料

 重篤な副作用を患者さんにわかりやすく説明する際には、マニュアル全文より「患者の皆様へ」の部分のみを抜粋した「患者さん向けリーフ」を活用するとよいでしょう。(作成済みのマニュアルは、厚労省HPにリンクしてあります)

 また、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(http://www.pmda.go.jp/)ウェブサイトにも、重篤副作用疾患別対応マニュアルのページがあります。

 改定のスケジュールや学会の意向については、下記を参照下さい
(改定スケジュール A:平成 29年度着手予定、B:平成30年度以降着手予定(優 先度高) C:平成30年度以降着手予定 (優先度中)、未定(時点修正))

重篤副作用疾患別対応マニュアル改定・新規作成に係る学会アンケート回答
(第9回重篤副作用総合対策検討会 2017.05.15開催)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000135902.pdf

★印は、第8回重篤副作用総合対策検討会以降から、新たに作成提案が行われているもの

領域 対象副作用疾患 患者さん向け・リーフレット 全文 改定案
スケジュール
備考
(関係学会)
皮膚 スティーブンス・ジョンソン症候群 PDF:440KB
(平成29年6月改定)

PDF:138KB

PDF:939KB
(平成29年6月改定)

PDF:1036KB

改定案
(第9回検討会)
日本皮膚科学会
中毒性表皮壊死症
(中毒性表皮壊死融解症)
PDF:417KB
(平成29年6月改定・変更はないようです)
PDF:952KB
(平成29年6月改定)

PDF:667KB

改定案
(第9回検討会)
薬剤性過敏症症候群 PDF:120KB PDF:456KB 未定
急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP) PDF:157KB PDF:564KB 未定
薬剤による接触性皮膚炎 PDF:412KB PDF:773KB 未定
★免疫チェックポイント阻害薬による重篤副作用 A
★多形紅斑型薬疹 A
肝臓 薬物性肝障害 PDF:349KB PDF:3,305KB B 日本肝臓学会
★免疫抑制薬、抗悪性腫瘍薬によるB型肝炎再活性化 B
腎臓 急性腎不全→急性腎障害 PDF:204KB PDF:1,015KB A 日本腎臓学会
間質性腎炎(尿細管間質性腎炎) PDF:133KB PDF:499KB A
ネフローゼ症候群 PDF:336KB PDF:948KB A
急性腎盂腎炎 PDF:602KB PDF:666KB A
腎性尿崩症 PDF:347KB PDF:553KB A
腫瘍崩壊症候群 PDF:347KB PDF:718KB A
血液 再生不良性貧血(汎血球減少症) PDF:196KB PDF:640KB B 日本血液学会
出血傾向 PDF:176KB PDF:482KB B
薬剤性貧血
(溶血性貧血、メトヘモグロビン血症、赤芽球ろう、鉄芽球性貧血、巨赤芽球性貧血)
PDF:138KB PDF:541KB B
無顆粒球症
(顆粒球減少症、好中球減少症)
PDF:189KB PDF:573KB B
血小板減少症 PDF:153KB PDF:461KB B
血栓症
(血栓塞栓症、塞栓症、梗塞)
PDF:154KB PDF:489KB B
播種性血管内凝固
(全身性凝固亢進障害、消費性凝固障害)
PDF:131KB PDF:498KB B
血栓性血小板減少症紫斑病(TTP) PDF:349KB PDF:462KB B
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT) PDF:347KB PDF:552KB B
★免疫細胞の活性化
(免疫チェックポイント阻害剤の副作用対応)
A
呼吸器 間質性肺炎 PDF:150KB PDF:2237KB B 日本呼吸器学会
急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群
(急性呼吸促迫症候群)
PDF:126KB PDF:1278KB C
非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作 PDF:164KB PDF:789KB C
肺水腫 PDF:144KB PDF:665KB C
胸膜炎、胸水貯留 PDF:252KB PDF:902KB C
急性好酸球性肺炎 PDF:316KB PDF:726KB C
肺胞出血(肺出血、びまん性肺胞出血) PDF:339KB PDF:646KB C
★放射線肺炎
(対象から外れる可能性も)
未定
消化器 麻痺性イレウス PDF:253KB PDF:685KB 未定 日本消化器病学会
消化性潰瘍 PDF:256KB PDF:585KB 未定
偽膜性大腸炎 PDF:287KB PDF:1,728KB 未定
急性膵炎(薬剤性膵炎) PDF:176KB PDF:523KB 未定
重度の下痢 PDF:328KB PDF:374KB C
心臓

循環器

心室頻拍 PDF:190KB PDF:882KB C 日本循環器学会
うっ血性心不全 PDF:167KB PDF:568KB B
神経

筋骨格系

横紋筋融解症 PDF:128KB PDF:517KB 未定 日本神経学会
白質脳症 PDF:160KB PDF:656KB 未定
末梢神経障害 PDF:158KB PDF:566KB 未定
ギラン・バレー症候群
(急性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー、急性炎症性脱髄性多発根神経炎)
PDF:174KB PDF:609KB 未定
痙攣・てんかん PDF:150KB PDF:479KB 未定
運動失調 PDF:409KB PDF:451KB 未定
頭痛 PDF:380KB PDF:442KB 未定
無菌性髄膜炎 PDF:502KB PDF:713KB 未定
急性散在性脳髄膜炎 PDF:447KB PDF:768KB 未定
小児の急性脳症 PDF:447KB PDF:855KB B 日本小児神経学会
精神 悪性症候群 PDF:248KB PDF:439KB 未定 日本臨床精神神経薬理学会
薬剤惹起性うつ病 PDF:391KB PDF:521KB 未定
アカシジア PDF:422KB PDF:483KB C
セロトニン症候群 PDF:367KB PDF:458KB C
薬剤性パーキンソニズム PDF:150KB PDF:486KB B 日本神経学会→日本臨床精神神経薬理学会
ジスキネジア PDF:181KB PDF:487KB B
新生児薬物離脱症候群 PDF:223KB PDF:446KB A 日本小児科学会
代謝

内分泌

偽アルドステロン症 PDF:116KB PDF:430KB D 日本内分泌学会
甲状腺中毒症 PDF:169KB PDF:507KB D
甲状腺機能低下症 PDF:160KB PDF:1,351KB C
高血糖 PDF:158KB PDF:526KB A 日本糖尿病学会
低血糖 PDF:595KB PDF:771KB A
過敏症 アナフィラキシー PDF:258KB PDF:747KB B 日本アレルギー学会
血管性浮腫 PDF:415KB PDF:606KB B
喉頭浮腫 PDF:378KB PDF:462KB B
非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹/血管浮腫 PDF:378KB PDF:452KB B
口腔 ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死 PDF:157KB PDF:471KB A 日本口腔外科学会
薬物性口内炎 PDF:176KB PDF:515KB 未定
抗がん剤による口内炎 PDF:166KB PDF:508KB 未定
骨粗鬆症 PDF:165KB PDF:1,731KB A 日本整形外科学会
突発性大腿骨頭壊死症 PDF:493KB PDF:790KB C
泌尿器 尿閉・排尿困難 PDF:176KB PDF:726KB C 日本泌尿器学会
出血性膀胱炎 PDF:679KB PDF:1,131KB 未定
卵巣 卵巣過剰刺激症候群(OHSS) PDF:401KB PDF:752KB C 日本産科婦人科学会
感覚器

網膜・視路障害 PDF:164KB PDF:564KB B 日本眼科学会
緑内障 PDF:180KB PDF:551KB B
角膜混濁 PDF:527KB PDF:679KB B
★網膜障害、視覚欠損 B
感覚器

難聴
(アミノグリコシド系抗菌剤、白金製剤、サリチル酸剤、ループ利尿薬による)
PDF:352KB PDF:544KB C 日本耳鼻咽喉科学会
感覚器

薬剤性味覚障害 PDF:584KB PDF:923KB C 日本口腔外科学会
手足症候群 PDF:387KB PDF:1,003KB A 日本癌治療学会

2017年5月17日掲載


最終更新日:2017年7月17日