11日、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が開催され、改正薬機法で定められた指定濫用防止医薬品の指定について、これまでの濫用等のおそれのある医薬品のエフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ブロモバレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリンに加え、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミンの指定が提案され、了承されました。
【厚労省 2025.11.11】
令和7年度第8回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65298.html
今後、パブコメを経て、令和8年5月1日の施行のスケジュールですすめられるようです。
資料1-2 指定濫用防止医薬品の指定について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001592529.pdf
今回の調査委では、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部の嶋根卓也先生もプレゼンを行っています。
資料1-3 嶋根参考人提出資料(濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001592646.pdf
プレゼンは嶋根先生らがまとめた、令和6(2024)年度に行われた厚生労働科学研究の概要を説明し、デキストロメトルファンとジフェンヒドラミンの指定の必要性を委員に説明しました。(→TOPICS 2025.04.15)
濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究
(2024厚生労働科学研究)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/177774
アリルイソプロピルアセチル尿素について、嶋根先生からは、乱用に伴う健康影響に関する情報が乏しいとして、今後、基礎研究を通じて、同成分の依存性などの健康影響を評価していく追加試験が必要とする見解が示されましたが、委員からは、「鎮静作用の問題よりも副作用の点から海外では使われていないのにどうなのか」「海外の状況など、早急に確認して欲しい」など、その取り扱いについての意見が続出。
これに対し、厚労省の担当者は、「アリルイソプロピルアセチル尿素については情報が十分でない現状がある。有効性安全性の観点から適正に使われていれば問題ないと考えます。海外の情報も含めて、今後実態の調査をしたい。」との発言に留まりました。
関連情報:TOPICS
2025.04.15 濫用等のおそれのある医薬品の成分指定に係る研究(2024厚生労働科学研究)
2024.08.18 海外におけるアリルイソプロピルアセチル尿素の規制状況メモ(未定稿)
2025年11月11日 16:07 投稿


