緊急避妊薬を求める若者の薬剤師への視線(海外研究)

地域薬局における避妊・中絶の臨床サービスおよび調剤サービスに関する青少年の経験と受容性について、34の研究のシステマティックレビューで検討

eClinicalMedicine. 2025 Jul 31】
Contraception and abortion information and care in community pharmacy for adolescents: a systematic review
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12336644/

思春期の子どもたちは、薬局でのSRHサービス利用体験全体に悪影響を及ぼし、将来のサービス利用を阻害する要因となった、恥ずかしさや薬剤師からの批判的な視線を経験した。

彼らは、薬局のプライバシー保護の不備による恥ずかしさへの懸念、薬剤師・薬局スタッフとのやり取りにおける気まずさ、薬剤師・薬局スタッフからの批判的な視線を経験している。

殻らはまた、薬局スタッフの配慮の欠如(相談時の大声での会話など)が、恥ずかしさや批判的な視線をさらに悪化させると参加者は指摘。

さらに、薬剤師や薬局スタッフによる軽視的・非協力的な態度や否定的な対応・処遇が、思春期の参加者に恥ずかしさや恐怖感をもたらしている。

緊急避妊薬の提供に関係のない繰り返しの質問や詮索的な質問は、思春期の人々から共感の欠如やスティグマ化と受け取られた。

米国4州で実施されたミステリーコール調査では、電話の3%で詮索的な質問を受け、2%から6%が異なるスタッフに同じ説明を繰り返す必要があった。

こうした懸念は、緊急避妊薬の販売を評価した4件のミステリークライアント調査でも明らかであった。

薬局スタッフは、思春期の子どもに緊急避妊薬を提供することを適切とは考えていないようであり、しばしば軽視したり、関連情報の提供や緊急避妊薬の販売を拒否する場合もあった。

思春期の若者は、避妊薬や緊急避妊薬を入手する際、女性の薬剤師や薬局スタッフと関わる方が好みで、安心感を覚えると答えている。

若者からは自分たちの状況を理解してくれていると認識されており、少女たちは女性薬剤師に情報や避妊法を求める方が安心できると感じている。

研究者らは青少年は恥ずかしさを感じ、薬剤師の判断に対して不安を感じており、SRHサービスの利用経験全体にマイナスの影響を及ぼすとした。

日本でも緊急避妊薬の市販化となりますが。この研究結果を見ると、ティーンの若者が緊急避妊薬を求めた場合でも、こういった思いに配慮するとともに、偏見を持ったりしないようにしなければいけないでしょう。


2025年09月06日 23:06 投稿

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