豪州では薬剤師によるワクチン接種がどのように拡大していたか

豪州では薬剤師によるワクチン接種がどのように拡大していたかについての概説です。

【Pharmacy. 2026 Jun 26】
The Evolution of Pharmacist Administered Vaccinations in Australia: A Narrative Review of Legislation and Regulatory Documents
https://www.mdpi.com/2226-4787/14/4/92

2010年5月
Pharmacy Guild of Australia が、ワクチン接種を含む薬剤師の業務範囲を拡大するための地域薬局ロードマップ(Community Pharmacy Roadmap)を公表

2013年12月5日
オーストラリア薬剤師委員会(Pharmacy Board of Australia)は、ワクチン接種が薬剤師の業務範囲内にあることを宣言

2014年
クイーンズランド州薬剤師予防接種パイロット事業(QPIP)が開始
参加者の96%から支持ざれたことから、法改正に動き出す

2014年12月
西オーストラリア州が、薬剤師による18歳以上の個人にインフルエンザワクチン接種を許可するための法改正。2016年までに他州でも同様の法改正が導入。

当初はインフルエンザ、MMR、dTpa(三種混合ワクチン)などの少数のワクチンに限定されていたが、2017年以降、摂取可能なワクチンのリストは大幅に増加

2020年までに一部の州では、高齢者介護施設、病院、地域の保健所でのワクチン接種を行うことが許可

2021 年の COVID-19 ワクチン展開に薬剤師が組み込まれたことは、より広範な立法改革の触媒に

2024年に地域薬局で導入された国立予防接種プログラム薬局ワクチン接種(NIPVIP)イニシアチブにより、高齢者介護施設や障害者施設で無料の国立予防接種プログラム(NIP)ワクチン接種が可能に

研究者らは、薬剤師が予防接種の主要な提供者としての役割をますます果たすようになっていることが示されているとしたうえで、この変化は、プライマリケアにおける業務分担への世界的な潮流を反映しており、オーストラリアは、薬剤師の人材を効果的に活用して国の公衆衛生目標を達成している米国やカナダなどの国際的なモデルと肩を並べる形となっているとした。

一方で、ワクチンの承認、年齢要件、サービス提供体制に関しては、州の間で依然として大きなばらつきが見られるとして、薬剤師が安全に予防接種の役割を拡大できるよう、研修、資格認定、支援体制など、人材育成に必要な要件を探るための追加研究と、ワクチン接種率と費用対効果の評価が不可欠だとしています。

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当時、ギルドが示した2010年5月のロードマップでは、将来の取り組みとして、「薬剤師によるワクチン接種」を掲げた他、

A. Medication Continuance(服薬継続)
B. Minor Ailments Scheme(軽症疾患治療)
C. Chronic Disease Management(慢性疾患管理)
D. Home Medicines Review(在宅医薬品レビュー)

について、

国の政策との整合性、関係者との協議、インフラと人員配置、トレーニング、サポートとなる基準や手、チェックリスト、消費者の利益、資金調達 についての要件などのプランを提示し、

地域薬局業務としての確立
短期目標(2015年6月まで)
中期目標(2020年6月まで)
長期目標(2010年7月以降)

という期間ごとの目標を掲げていました

今やほとんどが実現し、フィー付きの業務になっていますね

こういうのを見ると、ワクチン接種限らず、職能団体や業界団体が明確な将来ビジョンとして掲げ、パイロット実現・法改正を目指さないと、日本での薬剤師の職能拡大は難しいと思いました。


2026年08月18日 15:49 投稿

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