オピオイド含有咳止めを薬剤師専用薬にしたら(スイス)

スイスではコデイン類やデキストロメトルファンなどのオピオイド含有鎮咳薬は、2019年1月の法改正で、Liste B+(正当な理由のある例外的な場合には、薬剤師が医師の処方箋なしに患者に処方薬の調剤が可能)に区分され、処方箋による調剤か薬剤師による直接の相談後の調剤のいずれかとなりました。

この研究は、薬剤師の関与の下、どのような成分の鎮咳薬が供給されていたかの研究です

【Swiss Med Wkly. 2026 Oct 22】
Dispensing behaviour in relation to opioid-containing antitussives: a survey among community pharmacists
https://smw.ch/index.php/smw/article/view/4922/6738

調査は2023年11月から2024年3月にスイスの地域薬剤師を対象にしたオンラインで行われたもので、お国柄、ドイツ語・フランス語・イタリア語で実施されています。

調査の結果、過去5年間におけるオピオイド含有鎮咳薬の需要の変化について尋ねたところ、需要がわずかに減少した(38.9%)、大幅に減少した(21.0%)など、半数以上(59.9%)が需要が減少した回答。

乾性咳嗽に第一選択ととなっていたのはブタミレート(Butamirate)系(本邦未承認)で、次いで植物由来製剤、モルクロフォン(本邦未承認)が続きました。

一方で、オピオイド含有鎮咳薬の有効性について尋ねたところ、8割が有効と答え、また7割近くの人が他の鎮咳薬よりも効果があると答えています。

有効であるとの考えが多いのに、オピオイド類の供給を控えている背景には、潜在的な乱用(misuse potential)を約9割の薬剤師が懸念しているためで、規制対象外のOTCを売っている現状もあるようです。

また、Liste B+ による販売では、相談と販売記録が求められることや、相談に係る追加費用(7~9スイスフラン、1,350~1,740円)がかかることから、どうしてもオピオイド含有鎮咳薬が必要とする場合は、医師に処方箋を書いてもらう対応もしているようです。

一方、言語別では、フランス語圏の参加者が最も調剤に慎重で、半数がオピオイド含有鎮咳薬を一般的に調剤しないと回答。おそらく2017年にこれらを処方箋薬化したフランスの規制が影響しているのではないかと思います。

関連情報:TOPICS
2025.08.19 Liste B+ 医薬品は日本でいうところの零売?(スイス)


2026年11月08日 16:01 投稿

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