フランス女子大学生の緊急避妊薬についての認識と使用状況(海外研究)

フランスでは緊急避妊薬が無償で入手できることが可能になっていますが、この研究はフランスのある大学の女子学生を対象に行われた、緊急避妊薬(ECP)についての知識や認識、入手時の薬剤師との関わりなどについての調査結果です。

【Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2026 Jan 10】
Emergency contraception pills among female students: Use, knowledge, perceptions, and expectations
https://www.ejog.org/article/S0301-2115(26)00012-6/fulltext

2022~2023年度に学問分野を問わずすべての女子学生を対象に調査

招待された14,274名の女子学生のうち、2,157名がオンラインアンケートに回答(回答率15.1%)

回答者の39.1%が少なくとも1回はECPを使用

ECPの使用経験
20歳未満 30.8%
20~29歳 44.3%
29歳超  45.1%

健康関連のプログラムに登録している学生と他の分野の学生の間で ECP の使用に有意な差が見られなかったが、過大評価されている可能性がある

ECPの使用経験がある回答者の普段の避妊方法
コンドーム 53.4%
ピル 41.4%
子宮内システム 1.8%

回答者全体での通常の避妊方法に関する知識
ピル    83.5%
コンドーム 78.9%
子宮内の避妊器具 78.6%
インプラント 61.4%
パッチ   29.7%

一部の例外を除き、ECPは地域の薬局(n = 805/844)で調剤されていた
薬剤師の約4分の3(n = 587)がECPの服用方法について指導

一方で、薬局内の秘密厳守の場所で行われたのはわずか4%(n = 30)に留まった

薬剤師が、アドバイスを求められた、または ECP の要求が行われる主な、または唯一の医療専門家であることが多いことが確認された一方、薬局から ECP を入手した経験について肯定的な認識を持っておらず、60 % 以上が調剤中に適切に話を聞いてもらえなかったなどと回答

秘密厳守の設定における薬剤師と患者のコミュニケーションを改善する必要性が浮き彫りになり、薬剤師の役割と位置付けについての疑問が提起

薬剤師は ECP へのアクセスにおいて重要な役割を果たすが、カウンセリングの質と機密性は改善が必要

以前に ECP を使用したことのある女子学生の約96 % は、処方箋なしで使用
回答者のほぼ全員が、ECPの購入や使用に医師の処方箋は不要であることを知っていた

フランスでは、ECPは18歳未満の女性はすべて匿名で無料で入手が可能になっていて、また、2023年1月以降、健康保険証を提示すれば18歳以上の女性も無料であることに留意する(→TOPICS 2025.04.20)する必要があります。

フランスでは、どこの薬局でもECPが入手できることで、地域薬剤師には必要な情報を提供できる体制が求められていることがわかりました。

また、ECPのアクセスがよくても、ピルやコンドームといった避妊法を合わせて行うことを啓発する必要があることが考えられます。

現時点では販売する側にもさまざまなハードルがあるため、日本におけるECPの地域薬局での取り扱いが今後広がっていくかどうかは現時点では不透明です。

また、医療文化やヘルスリテラシーの点からフランスのように無料配布になるとは考えにくいですが、この研究結果から、今後さらに一般化されたときにどのような状況になるのかを踏まえて準備する必要はありそうです。

関連情報:TOPICS
2025.09.26 緊急避妊薬を求める若者の薬剤師への視線(海外研究)
2025.04.20 海外における緊急避妊薬の規制状況と日本でも求められる施策


2026年01月18日 22:33 投稿

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