コルヒチンとの併用を注意すべき薬剤

 厚労省は1日、コルヒチン錠について、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤やP糖蛋白を阻害する薬剤との併用との注意などを促す添付文書を指示しました。

使用上の注意改訂情報(平成22年6月1日指示分)(PMDAウェブサイト)

[相互作用]の項が

本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、P糖蛋白の基質でもある。

と改められとともに、併用を注意すべき薬剤名が示されています。

肝代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤[強く阻害する薬剤
アタザナビル、クラリスロマイシン、インジナビル、イトラコナゾール、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、テリスロマイシン

肝代謝酵素CYP3A4を中等度阻害する薬剤
アンプレナビル、アプレピタント、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルコナゾール、ホスアンプレナビル、ベラパミル

P糖蛋白を阻害する薬剤
シクロスポリン

 そして、肝臓又は腎臓に障害のある患者さんで、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の場合には、コルヒチンの使用は禁忌としています。

 また、添付文書上では「1日3~4mgを6~8回に分割経口投与する」となっていますが、投与量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するとして、

「痛風発作の治療には1回0.5mgを投与し、疼痛発作が緩解するまで3~4時間ごとに投与し、1日量は3~4mgを限度とすること。1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい。」

と記載が変更されます。

 コルヒチンは痛風だけではなく、ベーチェット病・掌蹠膿疱症でも使用されるので、留意することが必要かもしれません。

関連論文:
High versus low dosing of oral colchicine for early acute gout flare: Twenty-four-hour outcome of the first multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group, dose-comparison colchicine study.
Arthritis Rheum. 2010 Apr;62(4):1060-8.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20131255

関連情報:TOPICS 2009.09.17 支払基金が、保険適応外薬の給付を認める事例を公表


2010年06月02日 00:08 投稿

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