誤用や非医療目的での市販薬の使用実態は?(国内研究)

市販薬の使用状況、入手経路、また誤用や乱用の状況、また乱用者の援助を求める行動を明らかにした調査研究がこのほど明らかになっています。

Int J Drug Policy. 2026 Jun 2】
Prevalence and characteristics of above-recommended-dose non-medical use of over-the-counter drugs in Japan: a descriptive cross-sectional study using a nationwide online survey
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0955395926002306

この研究は、2025年2月23日から3月31日にかけて行われた、日本における社会と新型タバコに関するインターネット調査研究プロジェクト(JASTIS)によるオンライン調査(25,424人の回答を解析)です。

総合感冒薬、鎮咳薬、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮静剤、睡眠補助剤、カフェイン製品の7つのカテゴリーを対象に、通常の服用(use)、誤用(misuse、推奨量を超える用量の服用)、非医療目的の使用(non-medical use、ハイになることや気分を変えることなど、医療以外の目的で使用)を区別して使用状況を調査。

回答者の71.9%が過去12か月間に何らかの市販薬を使用したと報告した一方、13.4%が誤用、6.8%が非医療目的で市販薬を使用したことが明らかになった。

誤用で最も多かったのが、鎮痛剤(7.9%)で、次いで総合感冒薬(7.4%)、鎮咳薬(5.3%)、抗ヒスタミン剤(5.1%)が続いた。。

非医療目的の使用で最も多かったのは総合感冒薬(3.8%)で、鎮痛剤(3.4%)、鎮咳薬(2.8%)、抗ヒスタミン剤(2.7%)、睡眠補助薬(1.6%)、鎮静剤(1.4%)、カフェイン製品(1.1%)と続いた。

非医療目的で市販薬を使用していると回答した人の各市販薬カテゴリーの入手先で最も多かったのは薬局またはドラッグストアだったが、2番目以下はカテゴリーによって異なった

総合感冒薬、鎮痛剤、鎮咳薬、抗ヒスタミン剤は家にあるものを使用
睡眠補助薬、鎮静剤、カフェイン製品は友人や知人から譲り受けたものを使用
またカフェインについては、オンライン購入が多かった

内訳グラフ
https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S0955395926002306-gr3.jpg

これについて研究者らは、未使用の医薬品の安全な保管と廃棄の重要性や、医薬品の共有に関する教育も必要ではないかとしています。

また非医療目的で市販薬を使用していると回答した人の約3分の2が、複数の市販薬カテゴリーを使用していると回答

一方、非医療目的の使用を行っている人のなかで援助を求める行動を行っていたのは46.9%で、正式な支援サービスを求めた人はわずか23.3%だった。

研究者らは薬局での簡単なアドバイス、学校や職場の保健サービス、公衆衛生センター、匿名でのオンラインサポートなど、敷居が低く、偏見のない相談ルートが必要だとしています。

今回の研究はオンライン調査であり、6.8%が非医療目的で市販薬を使用したという結果を持って、全国的な指標とすべきではないとしながらも、薬剤の種類、入手経路、複数の市販薬の併用、および支援を求める行動に関する記述的知見は、敷居が低く、スティグマを伴わない支援の提供に向けた可能性が示唆されたとするとともに、さならる検証や介入評価が必要だとしています。

これまでも厚労省の研究班が同じような調査を行っていますが、この調査結果は乱用の実態を示した注目される内容です。

一方で調査対象を広げることの難しさから、デキストロメトルファン、ジヒドロコデイン、ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素、または総合感冒薬や鎮痛剤などに配合されたカフェインについての調査は行われていない点が少し残念でした。

読んで感じたことは、研究者らの指摘にもあるように、家庭での医薬品の管理の徹底、医薬品の譲り渡しや使いまわしの危険性というのを、日頃からしっかり啓発する必要があるように思いました


2026年06月03日 01:18 投稿

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