25日に行われた厚生労働委員会で、自民党の木村義雄委員が、薬学6年制を踏まえて、零売やワクチン接種、軽医療対応などで薬剤師の職能拡大を訴える質問を行っています。
自民党の議員からこういう質問が出されたのは極めて異例で、党としても考えて欲しいと思います。
【参議院インターネット審議中継】
2026年6月25日 厚生労働委員会
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=9126&fromtop=1
30分を超える議論をまとめると次のようなやりとりとなります。
制度と教育の現状と課題を指摘
- 20年前の薬学部6年制導入は、臨床対応能力向上と患者との対面を目的とした制度改革だった。
- 現場では調剤業務に時間を取られ、対人業務や薬物療法への関与は十分進んでいない。
- 薬学教育は実践的臨床教育を強化しているが、制度運用や現場の意識改革が追いついていない。
- 薬剤師の魅力低下や国家試験合格率の低迷、薬学部廃校の動きも懸念すべき事態。
薬剤師の役割拡大についての提案
- 6年制の狙いは、医師と連携し薬物療法の安全性と効果を担保することだったが、現状は調剤中心に留まっている。
- 薬剤師の専門性を生かすため、対人業務や健康支援、OTC医薬品の活用を推進しているが、制度が追いついていない。
- 政府の骨太の方針に基づき、慢性疾患のOTC化やセルフメディケーション推進が明示されている。高血圧や糖尿病のOTC化を進め、薬剤師が継続的に関与できる仕組みを構築すべき
- 薬剤師法第23条の規定は、処方箋に依存し、役割拡大を妨げている。零売や予防接種などの新たな役割は制度の壁に阻まれている。
- 健康増進を前面に出すのであれば、なぜ薬剤師に予防接種を担わせないのか。海外では薬剤師どころか、ボランティアにどんどん打たせている
- 制度改正が難しい場合でも、特区や地域限定のモデル事業を通じて役割拡大を進めることはできるのではないか。
国の言い分
- 政府は、医薬分業の枠組みを維持しつつ、健康増進やOTC活用を進めている。
- 薬剤師法第23条を含む現行制度は、いわゆる医薬分業の考え方を基礎とするものであり、薬剤師の独立性を損なう制度改正には慎重であるべき
- 特区やモデル事業についても、地域や事業者などの具体的なニーズや提案に基づき個別に検討される仕組みであるとして慎重な検討が必要
- 次期薬学教育モデルコアカリキュラムの改定における必要な対応を含めて、社会構造の変化に対応しながら、社会に貢献できる資質、能力を兼ね備えた薬剤師の養成に取り組んでいる
木村義雄参院議員は小泉内閣の時に厚労副大臣も経験したベテランです。
2022年の参院選では日本保険薬局政治連盟が推薦、次次点で落選されましたが、2026年に繰り上げ当選。
おそらく、今回の質問は同連盟からの働きかけ、もしくは議員が同連盟に配慮されて質問されたのではないかと思っています。
Xに速報で紹介したところさまざまなご意見を頂いています。
政権与党側から薬剤師職能についての議論がなされたことは注視すべきと思います。
今回限りにならぬよう、この機により議論が深めてもらえるよう市井でも声を挙げる必要があるのではないでしょうか。タスクシフトの話がやっとこさ出てきた感じ…
軽疾患の対応、ワクチン接種、この辺はすぐにでもできるでしょう。
零売を規制するのではなく、零売を規制緩和すべきです。
それをせずに処方箋中心にしておいて対人業務も何も無いでしょう。調剤チェーン薬局の経営者をバッグにしている、というのは頭に入れておかないといけませんね。
そして、彼らはSNSでの薬剤師の声を見ている
個人としての薬剤師は守られるとは限らない宮本医薬局長の回答は、いかにも白々しい。
薬学部を6年制とした際の理念など全く考えず、日本医師会の意向や、自分たちの天下り先のバランス維持ばかりを見てきたからでしょう。厚労省会議委員たちも同様です。
医療に関わる各ステークホルダーたちの利益分配に聡いからこそ委員が務まるといった人たちばかりです。現在、日本の医療は大きな岐路にあります。
邪な意思決定を、これ以上続けるべきではありません。
薬剤師のみなさん必見です。
山が動きました。
これまで薬剤師の職能拡大を訴えてきたのは野党議員でした。しかし今回、与党・自民党からも極めて積極的な提言が国会で行われました。
木村議員は、薬学6年制の本来の目的について、… https://t.co/lUisZZz7qA pic.twitter.com/anraZBnWxF
— 渡部 正之|ロボット薬局の開発 (@Masayuk99869894) June 25, 2026
個人的には、国が求める「対人業務」とはいったい何なのか、外部委託などで効率化を図ることで、本当に専念できるのか?
また、文科省の審議官が薬学教育のあり方について答弁していますが、本当に医療提供提供体制や、社会のニーズがわかっているのかと思いました。
また質問の最後で、「一番阻害的な動きは財政当局」と主張されていますが、上記投稿にあるように、私は医薬局の忖度の問題だと思っています。
あとはまさしくこれですね
厚生労働省でいう検討という二文字は、何もしないということと同意では?
いずれにしても今回の厚労委での質問は、本当に画期的なやりとりでした。
しかも自民党からです。
薬剤師議員が立場上言えないことを木村議員は質してくれました。
ベテランとはいえ、同僚議員なのですから、今回の質問に対してはしっかり言及し、フォローもして欲しいと思います。
それと自民党には、薬剤師問題議員懇談会というのがありますが、本来はこういったことを考える場だと思います。
党内でできないのであれば、他の党にでも同様のことを掲げているところもありますから、超党派でやってもらいたいものです。
また、薬連におかれましてもしっかりと取り上げることで、政治への関心につながると思います。
長文となりますが書き起こしましたので、動画を見る余裕がない方は、是非チェックして頂きたいと思います。
書き起こし→参議院厚生労働委員会・木村委員質問(PDF)
2026年06月26日 15:27 投稿







