コロナ流行時には、罹患者は50歳以上の人はホテルでの宿泊療養は高齢者が優先され、若い人は自宅療養を余儀なくされ、処方薬や市販薬での自己対応を余儀なくされたことは記憶に新しいところですが、この研究では、特に市販薬の使用の傾向と行動や結果などについての検討が行われています。
【Keio J Med. 2026 Jun 4】
Association of Loneliness and Health Literacy with Overuse of Over-the-counter Drugs in Patients with COVID-19 in Japan
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kjm/advpub/0/advpub_2025-0023-OA/_html/-char/ja
調査は、オミクロン株によるCOVID-19の第7波の時期(2022年7月~9月)に罹患し、市販薬または処方薬を使用した20-49歳を対象に実施
PASC(post-acute sequelae of SARS-CoV-2)、いわゆる新型コロナウイルス感染症の後遺症:Long COVID)、寝こんだ日数、自宅医療中の症状、添付文書をよく読んでから市販薬を服用するか、推奨量を超えて服用するか、市販薬の使用をお薬手帳に記録したかなどを尋ねた
- 女性は男性に比べて市販薬のみに頼る傾向が高かった
- 女性は男性に比べて4日間以上寝込むこと多かった
- 新型コロナウイルス感染症の後遺症の有病率は女性の方が著しく高かった
研究者らは、女性は有意に高い健康リテラシーが示され、市販薬のみに頼る頻度が高くなったことから、女性は専門医の診察を受けることの潜在的な遅れることがあり、結果的に新型コロナウイルス感染症の後遺症が多くなったのではないかと分析。
また研究者らは、さらに自宅療養を余儀なくされた際の、孤独感などの心理状況との関連や、ヘルスリテラシー尺度(HLS-14)を用いてヘルスリテラシーとの関連も検討し、次のようなことが明らかになったとした
- ヘルスリテラシーは、男性よりも女性の方が有意に高かった
- 孤独感は、男性よりも女性の方が高い傾向があったが統計的には有意ではなかった
- OTC医薬品の添付文書を無視することはヘルスリテラシーの低さと優位に関連
- OTC薬の過剰使用は、孤独感の高さの優位に関連
研究者らは、ヘルスリテラシーの向上と孤独感の軽減が、公衆衛生上の危機における単なる事後対応策ではなく、安全なセルフケアのための日常的な備えにおいて不可欠な要素であることが示唆されたとして、責任あるOTC医薬品の使用を促進し、薬物関連の有害事象を予防するためには、日常的かつ積極的な対策として実施される必要があるとして、薬剤師主導のコミュニケーション、および地域ベースのサポートネットワークなど、ヘルスリテラシー教育を地域保健推進プログラムと標準的な学校カリキュラムの両方に体系的に統合することを提案しています。
薬剤師は、ヘルスリテラシー教育や、くすり教育を通じて、どう関わるかを考える必要があるのかもしれません。
関連情報:
医療者と患者のコミュニケーション:ヘルスリテラシーを手がかりにして
(厚労省・eJiM)
https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/communication/c01/01.html
2026年06月04日 20:22 投稿
