6月10日、エスエス製薬は5月20日に製造販売承認を取得したED治療薬シアリスについて、イオングループの一部店舗、ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングスの店舗にて先行発売すると発表をしています。
【エスエス製薬 2026.06.10】
エスエス製薬、処方箋なしで買える日本初*のED治療薬
「シアリス® 」7月31日より先行発売開始
https://www.ssp.co.jp/news/2026/2026061001/
<日本人男性の約2人に1人がEDの可能性>エスエス製薬、処方箋なしで買える日本初*のED治療薬「シアリス® 」7月31… https://t.co/CLovNCzeCp
— PR TIMESビジネス (@PRTIMES_BIZ) June 10, 2026
OTCの流通は、直販のルートと卸を介するルートがあり、直販ルートの商品(主に、大正製薬、エスエス製薬)は、直販メーカーとの正式な取引がないと商品自体が入らないものがあります。
今回のシアリスも、エスエス製薬だったので、これまでの前例からおそらく先行販売の形がとられると想定していましたが、その通りになりました。
現在これ以外にも販売開始時に販売店の制限が行われた要指導医薬品には次のようなものがあります。
| 製品名 | 有効成分 | 販売 | 承認年月日 | 販売開始日 |
|---|---|---|---|---|
| ロートアルガードエピナスチン点眼薬 | エピナスチン塩酸塩 | ロート製薬 | 令和8年1月19日 | 令和8年3月2日 |
| アライ | オルリスタット | 大正製薬 | 令和5年2月17日 | 令和6年4月1日 |
| アレグラFXプレミアム | フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン | エスエス製薬 | 令和5年3月27日 | 令和6年1月16日 |
| ギュラック | ポリカルボフィルカルシウム | 小林製薬 | 令和4年9月16日 | 令和7年5月28日 |
また、これ以外にも、これまでも似たような前例はありました
既に、一般卸経由で取り扱いが可能になっていますが、発売当初取り扱えないことがたびたびありました。
タリオンAR(田辺製薬):
2017年9月に承認されたものの、販売まで3年以上放置、2020年12月にようやく販売開始も、販売当初は取り扱い店を限定
セレキノンS(田辺製薬):
2014年に販売開始も、課題や成果を検証し、検証後に全国展開を検討するという理由で販売当初は九州・沖縄に限定
イラクナS(小林製薬):
2021年12月承認、2022年9月販売開始
最近では、ロート製薬のブランド品であるドゥーテストLH排卵日予測検査薬(第1類)など、従来品についても販売店を絞る動きも出てきています。
こういった先行販売が行われる背景には、登録販売者でも販売できるリスク区分に引き下げられるまで、要指導、第1類の間は販売を独占したいとする、OTCメーカーと大手チェーンドラックストアの戦略が見え隠れします。
さらに、製造販売の承認がとられている、「イブモービック」(メロキシカム、エスエス製薬)、要指導医薬品部会で承認が了承され、今後発売が予定されている、「メノフェミニン」 (ブラックコホシュ、小林製薬)なども、同様に販売店の限定の可能が高いと考えています。
こういったことをなぜ問題視するのかというと、国が取り扱いを求める要指導医薬品などが、取り扱いたくても納入できない商品が増えてきていて、スイッチ化されても生活者に届きにくくなっていることにあります。
薬機法改正で、オンラインでの販売も可能になることから、こういうことが続くことで、現場のスイッチ品を取り扱う意欲を失わせる可能性もあります。(少なくとも全国発売が始まるまではオンラインによる販売は控えるべきだと思う)
国はスイッチ化でOTC類似薬からの要指導医薬品や一般用医薬品への移行を進めようとしています。
そして、国や日薬などはなぜ要指導医薬品を扱わないのかとたびたび苦言しますが、OTCメーカーのこういった戦略がある限り、個店ではどうにもなりません。
メーカーの「需要がどれだけ見込めるかどうかわからない」「市販後調査がやりやすい」「調剤主力店は販売力がない」といった事情があるのかもしれませんが、「適正価格で適正量を供給」の名の下に、OTCメーカーとチェーンドラッグ業界との論理を許すのであれば、スイッチされ、要指導医薬品になっても意味をなさないと思います。
いったい、いつからスイッチOTCはチェーンドラッグのためだけのものになったのでしょうか?
審議会の委員たちはこういう現状を知らないでしょうし、なによりも薬剤師会が業界の論理に黙って屈していることは大いに問題があると思います。(まあ実際は、スイッチOTCにあまり興味がないのでしょうが)
こういった状況を続けるのであれば、OTC類似薬は全て、販売のための手順をまとめて、零売を認める方が、必要とする生活者に早く届くのではないかと思います。
シアリスの全国発売は、2026年8月31日予定とされていますが、直取引のない個店や調剤主力店は取り扱えるのかどうか、またアライのように直接取引がないことで研修自体すら受けられない可能性もあります。
全国発売予定日までに流通体制の含めどうなるのか注目です。
要指導医薬品一覧(厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/yoshidoiyakuhin.html
第一類医薬品一覧(要指導医薬品から移行後1年未満のもの)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14390.html
関連情報:TOPICS
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2026年06月10日 15:58 投稿
