日本総研の成瀬氏は薬剤師という高度専門職をこのような単純作業に張り付けておくことはわが国にとって甚大な損失だとして、箱出し調剤導入の検討を求めるレポートを公開しています
【日本総研 2026.07.10】
箱出し調剤で薬剤師を単純作業から解放を
~調剤コスト1兆円削減と薬局薬剤師20万人の職能発揮へ向けて~
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=114507
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/16820.pdf
成瀬氏は、計数調剤は箱から必要数を取り出す手作業で非効率で、薬剤師の時間の大半を占めるとして、多くの国で採用されている箱出し調剤の導入を推奨。これにより、年間1兆円以上の調剤コスト削減が見込まれるとしています。
また、箱出し調剤を導入することで
- 調剤の効率化が図られ、人的資源と医療保険財政を有効活用できる
- これによりOTC 医薬品(市販薬)の販売をはじめ、地域の健康相談の拠点として、薬局薬剤師が本来の職能発揮できる
- 近年は、薬局薬剤師がワクチン接種を行うなど薬剤師の役割を一層拡大させている国が多く、わが国でも同様に薬剤師の活用を急ぐべきである
- レーサビリティの向上と調剤ミスの削減 薬局における在庫廃棄の削減
- 薬局の規模拡大や効率化により、薬剤師の職能向上と薬局の持続可能性が高まる。
などとしたメリットを示した一方、
導入に向けては、箱出し調剤や機械化で効率化が進むことで、調剤の技術料が減る懸念があるとしたものの
- 製薬企業の生産ライン変更コストや処方の制約、残薬増加の懸念があるが、おそらくコスト増は限定的。
- 一包化や在宅医療対応は、外部の一包化センターに集約し効率化が可能。
- 小規模薬局では機械化が進みにくいが、大規模化と規制緩和により効率化と競争力向上が可能。
といった展望を掲げ、薬剤師が旗振り役となり、箱出し調剤の普及と効率化を推進するとともに、近年、薬局薬剤師がワクチン接種を行うなど薬剤師の役割を一層拡大させている国に倣い、わが国でも同様に薬剤師の活用を急ぐべきであるとしています。
また、これには、調剤報酬の見直しや規制緩和、薬剤師や職能団体の理解と協力や政策誘導や制度改革が求められるとしています。
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私も成瀬氏の指摘の通りだと思いますが、「調剤時残薬調整加算」で職能発揮という認識が続く限りは、こういう考え方への転換はまず無理だと思います。
そして、残薬に寛容になることも必要です。しかし今の処方のありかたをみると残薬に寛容になることも難しいのではと考えています。
日本の調剤は残薬を減らす、患者ごとへの細かな情報提供とそれを行うための日本独自の薬歴がリソースの消費が高コストを招いています。
日数処方のあり方など医科を巻き込んだ仕組みの抜本的な見直しの機運が高まらないとなかなか難しいと思っています。
2026年07月18日 22:36 投稿
