市販薬の過剰摂取で救急外来に搬送された患者の特徴は?

市販薬の過剰摂取で救急外来に搬送された患者の薬物乱用および依存の状況と心理社会的特徴を調査。

【PCN Rep. 2025 Aug 29】
Dependence, abuse, and psychosocial characteristics of patients transported to the emergency department due to overdose of over-the-counter drugs
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12397076/

2021年4月に、国内の4施設の救急外来にOTC医薬品の過剰摂取で受診した患者を対象に、乱用・依存に関する多施設共同調査を実施。

市販薬の過剰摂取で搬送された患者の多くは10代、20代の若者であった。

これは、学生やフルタイムで働く人として一見問題のない生活を送っている若者が、精神的な健康問題を管理するために市販薬を使用している可能性があることを示唆している。

家族、友人、知人、パートナーなどの存在は、市販薬の乱用および依存に対する予防効果または支援効果を持つと予想さrふぇたが、本研究では逆の効果が示された。これは、少数の症例を対象としたためによるものとも考えられ、大規模なサンプル数を用いた更なる研究が必要。

乱用および依存の重症度は、市販薬の種類(鎮咳去痰薬)と関連(デキストロメトルファンを特に問題視)。

インターネットで過剰摂取に関する情報を検索した後にOTC薬を使用して自殺を図った患者は、自殺のリスクが高い可能性。

また、社会的なつながりを育み、精神的苦痛を軽減し、気分や意欲を高めるためにOTC薬を使用することが、乱用および依存の重症度を高める可能性などが示された。

関連情報:TOPICS
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2025年09月05日 17:24 投稿

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