濫用等のおそれのある医薬品の成分・品目及び数量は?

 2月10日の官報で公布された改正省令(TOPICS 2013.02.10)では、濫用等のおそれのある医薬品に関する販売ルールが設定されていますが、これら濫用等のおそれのある成分及び品目、適正と認められる販売数量については省令では示されていませんでした。

 2月12日に開催れた、薬事・食品衛生審議会の平成25年度第4回医薬品等安全対策部会では、これらについての検討が行われ、以下のように規定されたそうです。

平成25年度第4回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会(2014年2月12日開催)
資料  議事録(現時点では未掲載)

(資料2)濫用等のおそれのある医薬品の成分・品目及び数量について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000037186.pdf

濫用等のおそれのある医薬品の成分・品目及び数量について

施行規則に基づき指定する濫用等のおそれのある医薬品の成分及び数量について、従来の規制及び近年の動向を踏まえると、下の成分・品目が考えられる。

(対象成分・品目)
1 コデイン(鎮咳去痰薬)
2 ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬)
3 ジヒドロコデインセキサノール(鎮咳去痰薬)
4 メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬・液剤)
5 ブロムワレリル尿素
6 エフェドリン
7 プソイドエフェドリン

適正な使用のために必要と認められる数量は、原則1包装単位と考える。

なお、法施行後、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて購入しようとする場合には、購入理由の確認が必要となり、その結果を踏まえて販売が行われることとなる。

 おおよそ妥当の内容となっていますが、コデイン類やエフェドリン類は鎮咳去痰薬だけではなく、いわゆる総合感冒薬にも配合されているものです。

 濫用防止でこれらの大量購入がしにくくなったことで、アセトアミノフェンなどが含まれる総合感冒薬が濫用されるという懸念はないのでしょうか? (アセトアミノフェンには肝障害リスクがあるのでもっと危険なはず。海外では、アセトアミノフェン+コデイン類配合のOTCは販売規制のある国もある)

 また、購入理由の確認があれば、販売できないというわけではなさそうなので、ネット販売業者がどのような対応を行うか注目です。(1包装といっても、液剤ではないものでは結構大包装のものもある)

 さらに濫用防止のためには、外箱で濫用によるリスクをはっきりと示すことも必要ではないかと思います。

関連論文:
Regulatory responses to over-the-counter codeine analgesic misuse in Australia, New Zealand and the United Kingdom
Australian and New Zealand Journal of Public Health Published Online 5 Sep 2013)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1753-6405.12099/full
(濫用が懸念されるコデイン配合のOTC鎮痛薬について、豪州、ニュージーランド、英国の規制状況とその効果を紹介したもの)

関連情報:TOPICS
2014.02.10 改正薬事法に対する改正省令が公布
2013.11.03 一般用医薬品ネット販売のルールの落としどころ
2013.06.30 不正使用や依存の可能性がある医薬品のリスト(英国)
2013.04.18 OTC鎮痛薬の販売制限(デンマーク)
2013.04.16 OTC薬の大量・頻回購入の対象はブロンだけではない
2013.02.10 OTC鎮痛薬・風邪薬の包装(販売)制限は必要か
2012.09.14 日本人はOTCの副作用や依存性はあまり気にかけない?
2012.09.08 プソイドエフェドリン製品の販売制限、中国でも
2012.07.30 OTC薬の乱用・依存の実態(厚生労働科学研究)
2012.06.30 OTC鎮痛薬は4日分までに制限すべき(ドイツ)
2011.05.18 プソイドエフェドリン大量購入者へは購入理由の確認が必要
2011.01.21 アセトアミノフェン製剤の安全対策
2010.06.04 コデイン配合OTC薬販売規制、鎮咳去痰薬のみで十分?
2010.05.01 コデイン配合OTC鎮痛薬の販売規制が開始(豪州)
2009.09.04 ジヒドロコデイン配合OTC風邪薬,事実上使用禁止へ(英国)


2014年02月17日 02:01 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    パブリックコメントが開始されています。

    薬事法第15条の2に基づき濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(案)に関する意見募集の実施について
    (案の公示日2014年03月29日 意見・情報受付締切日 2014年04月28日)

    ○ 濫用等のおそれのある医薬品として、薬局製造販売医薬品又は一般用医薬品のうち、以下に掲げるもの、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤を指定する。
    1 エフェドリン
    2 コデイン(鎮咳がい去痰たん薬に限る。)
    3 ジヒドロコデイン(鎮咳がい去痰たん薬に限る。)
    4 ブロムワレリル尿素
    5 プソイドエフェドリン
    6 メチルエフェドリン(鎮咳がい去痰たん薬のうち、内用液剤に限る。)

    コデイン類について鎮咳去痰薬に限るというのはどうなのでしょう。(総合感冒薬を濫用する人も少なからずいる)

  2. アポネット 小嶋

    パブコメの結果が出ています。記事にしました。

    TOPICS 
     2014.05.21 総合感冒薬の販売規制は今後の検討課題(パブコメ結果)

  3. アポネット 小嶋

    6月4日の官報で、上記原案の通りの内容で、6月12日からの適用が告示されました。