放射線等に関する副読本(文科省)

 東京電力福島第1原発事故で放射線や放射性物質への関心が高まったのを受け、文部科学省はこのほど放射線に関する副読本を作成し、14日、文科省ホームページに掲載しています。

放射線等に関する副読本の作成について
(文科省 2011.10.14)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/10/1309089.htm

放射線等に関する副読本
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1311072.htm
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1311072/index.html

 各紙によれば、原子力と放射線に関する副読本については昨年既に作成されていたそうですが、原発の事故後、原発の安全性を強調した部分が不適切と批判が出たため、今回作り直したという経緯があったそうです。

 しかし、その原発事故についての記述は前書きでわずかに触れられているだけで本文にはありませんでした。今後この内容をめぐってはさまざまな意見が出る可能性があります。

 これについて、文科省の担当者は、「事故について理解するにはまず放射線の基礎知識が必要」として、「子どもたちの発達に応じ、放射線等について学び、自ら考え、判断する力を育成すること」に重点を置いたとしています。

 副読本は小学生用・中学生用・高校生用と3種類作成され、今月末にも全国の国公私立の小中高校と教育委員会に1部ずつ計約8万部を配布、学習指導要領の改定で、来年度から約30年ぶりに中学の学習内容に放射線の項目が復活することから、授業で補助的に使うことを想定しているとのことですが、実際に授業で使うかは現場に任せるそうです。

 私たちも基礎知識はあるとは思いますが、高校生用くらいは目を通しておいた方がいいかもしれません。

参考:
日本経済新聞10月14日
読売新聞10月14日
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111014-OYT1T00451.htm
朝日新聞10月14日
 http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201110140046.html
日テレNEWS24 10月14日
 http://news24.jp/articles/2011/10/14/07192546.html


2011年10月14日 15:23 投稿

コメントが1つあります

  1. シッフズジャパン 鈴木幸雄

    お奨めのあった高校教師用解説編に目を通しました。14ページにシーベルト換算の組織加重係数が出ています。
    「医学の歩み Vol.41“チェルノブイリ膀胱炎”―長期のセシウム137低線量被曝の危険性」の記事を読み、膀胱発がんに注目していたのですが、膀胱の組織加重係数が中程度であることに驚きました。やはり、増殖の速い骨髄や腸菅の方が係数が高いのですね。