あまり議論されてこなかった市販薬依存への危機が起こっている(英国調査報道)

英ITVは5月27-28日に、処方箋なしで購入できるにもかかわらず習慣性を持つ可能性のある医薬品、例えば鎮痛剤、睡眠薬、点鼻薬などへの依存症が、隠れた形で蔓延しているという懸念が、医療従事者の間で広く広がっているとした調査報道を行っています。(5月27、28日のXへの投稿を記事化しました)

【Itv News 2026.05.27】
Millions of Brits at risk of addiction to ‘over the counter’ medicines
https://www.itv.com/news/2026-05-27/millions-of-brits-at-risk-of-addiction-to-over-the-counter-medicines

英国では、処方箋なしで購入できるにもかかわらず習慣性を持つ可能性のある医薬品、例えば鎮痛剤、睡眠薬、点鼻薬などへの依存症が、隠れた形で蔓延しているという懸念が、医療従事者の間で広く広がっている。

ITV Tonightのために実施された調査によると、英国では約1000万人がコデイン系鎮痛剤への依存症や中毒になるリスクにさらされている可能性があることが明らかになった。

コデインとイブプロフェンまたはパラセタモールの組み合わせを含む鎮痛剤である、Nurofen Plus や、Solpadeine に関する現在のガイドラインでは、連続使用は最長3日間までとされているが、英国全土の2,000人以上を対象に行った調査によると、コデイン系鎮痛剤を服用した人のほぼ5人に1人が10日以上連続して服用し、6人に1人が最長9日間服用したとのこと。

一方、こういった依存による害に害に気付かないことが多い。なぜなら、問題の原因は鎮痛剤やコデインではないからだ。

問題を引き起こす原因となるのは、錠剤の中に一緒に含まれているアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの他の成分であることが多い。胃潰瘍や穿孔、肝臓や腎臓の損傷などの問題のリスクを高める可能性もある。

アセトアミノフェン、イブプロフェン+コデイン系と言えば、日本でいうところの総合感冒薬にあたりますが、英国では、コデイン含有品の外箱に、 ’Can Cause Addiction. For three days use only’ や “Can cause addiction contains opioid”が義務付けられています。(→TOPICS 2009.09.04

一方、日本ではこういったテキストメッセージはなく「要確認」の表示が今後行われるだけです。また、包装単位も使用実態やファミリーユースがあるという理由で大包装品が認められています。

日本では若者の濫用問題だけが取り上げられていますが、現場からは大人のこういった知らず知らずの依存や乱用者の実態があるとの指摘もあります。

この調査報道では、ジフェンヒドラミンや、先頃当局からさらなる使用制限が勧告(→TOPICS 2026.05.01)された、鼻づまり点鼻薬の問題もとりあげられていて、「国は鼻づまり点鼻薬の最大使用期間を7日間から5日間に変更すると発表していますが、どうやって監視するのですか?」といった声も伝えています。

この調査報道は、ITV Tonight で放映され、いまのところ日本でも動画アーカイブとして見ることができます。

日本でもこういう調査報道をして欲しいと思います。

This is how easy it is to become addicted to over the counter painkillers
(ITV News 2026.05.29)
https://www.youtube.com/watch?v=vwiTMpk2Zgc

関連情報:TOPICS
2026.05.01 鼻づまり点鼻薬の使用は5日間までに留めるよう勧告(英国)
2025.04.30 コデイン含有OTCは処方箋医薬品として再分類されるべき(海外研究)
2024.08.18 海外におけるコデイン類の規制状況メモ(未定稿)
2010.05.01 コデイン配合OTC鎮痛薬の販売規制が開始(豪州)
2009.09.04 ジヒドロコデイン配合OTC風邪薬,事実上使用禁止へ(英国)


2026年06月12日 16:29 投稿

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