ベクロメタゾン配合点鼻薬がスイッチへ

 23日、薬事・食品衛生審議会の一般用医薬品部会が非公開で開催され、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル配合の点鼻薬など3成分が承認されたそうです。

 日刊薬業が行政情報として、当日の資料をアップしています。

薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会
(2010年8月23日 日刊薬業・行政情報)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226498321398

有効成分 販売名 効能・効果 用法・用量
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル ナザールAR<季節性アレルギー専用> 他 花粉など季節性アレルギーによる次のような症状の緩和:鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ 成人(18歳以上)通常1日2回朝夕、左右の鼻腔内に1回1度ずつ噴霧する。1日最大4回(8噴霧まで)まで使用してもよいが、使用間隔は3時間以上おくこと。
・症状が改善すれば使用回数を選らすこと。症状が再び悪化した場合は、使用回数を増やしてもよい。
・1年間に1ヶ月間を超えて使用しないこと
オキシメタゾリン塩酸塩  ナシビンMスプレー  急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による鼻づまり  成人(15歳以上)、各鼻腔に1回2~3度ずつ、1日1~2回噴霧する。なお適用間隔は10~12時間以上おくこと。連続して1週間を超えて使用しないこと。使用を中止した場合は2週間以上あけること。症状が改善したら使用を中止すること。
アシタザノラスト水和物 アイフリーコーワAL 他  花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ)   1回1~2滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

 ステロイド配合の点鼻薬としては、 プレドニゾロンが配合された「コールタイジン点鼻液」(→PMDA)がありますが、ベクロメタゾン配合製品の用法・用量はこれとは異なり、医療用製剤(アルデシンAQネーザルなど)に準じたものになっています。(OTC製品は半分の濃度らしい)

 1ヶ月を超えて使用することは現実的にあるかと思いますが、ここでいう1ヶ月というのは、1シーズンで1ヶ月相当の量を使用することを指すのか、それとも単純に1ヶ月という期間を指すのでしょうか?(後者だったらちょっとやっかいですね)

 また、ナシビンMスプレーの用法のしばりもきついですね。医療用(→PMDA)は、「成人1回2~3滴を1日1~4回点鼻する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」となっていますが、この用法通りだと、おそらく「寝る前1回」か「朝と寝る前1回ずつ」ということになってしまいそうですね。

 メーカーが作成するガイダンス(本来なら職能団体が作成すべきと思いますが)と後日公表される議事録に注目します。

 ところで、一般用医薬品部会は本来なら5月にも行われるはずだったのですが、審議する事項がなかったらしく流会になっています。今回もEPA製剤(エパデール)が審議にかけられるのではないかと期待されていたみたいですが、まだまだ先のようです。

 WEB上の断片的な情報を総合すると、薬食審でスイッチしてさしつかえないとされている成分の開発は遅れているようです。OTCへのスイッチの仕組み自体を再検討する必要があるのでないでしょうか?

関連情報:TOPICS
  2010.07.02 スイッチOTCと薬剤師職能の活用(質問主意書)
  2009.11.05 こんな進め方ではスイッチOTCが増えることはない

参考:医療介護CBニュース8月23日
     http://www.cabrain.net/news/article/newsId/29203.html


2010年08月25日 15:34 投稿

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