海外の地域薬局・薬剤師によるセルフケアにおける取組④(ブラジル)

Explor Res Clin Soc Pharm.誌に、“Selfcare for Health System Sustainability: An International Series on the Role of Community Pharmacy”(医療システムの持続可能性のためのセルフケア~地域薬局の役割に関する国際シリーズ)で掲載された、ブラジルの取り組みを紹介したい。(Xに2023.06.15、2024.02.11に投稿したものを再構成しました)

Role of community pharmacy and pharmacists in self-care in Brazil
(Explor Res Clin Soc Pharm. 2023 Apr 23)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10173763/

セルフケアへの取り組みは、ブラジルの複数の公共政策と臨床ガイドラインに組み込まれており、その中には「補完代替医療に関する国家政策」「国家エイズ対策プログラム」「女性の健康に関する国家政策」「慢性疾患患者のケアに関するガイドラインなどが含まれている。

国内には10万7,000件を超える地域薬局(89.2%が民間所有)があり、23万4,300人の薬剤師が勤務している。

地域薬局はセルフケアの重要な提供拠点であり、ほとんどの患者にとって医療への最初のアクセスポイントとなっている。

ブラジルの地域薬局が提供できる生活習慣の改善やセルフケアに関するサービスには、軽症疾患の管理に加えて、禁煙や体重管理(それぞれ人口の約25%、20%が希望がある)などがある。

これらのサービスについては全国的に標準手順が定められていないが、薬剤師による臨床カウンセリング全般が、個人の習慣を変えるための鍵となりえる。

但し、これらサービスは他国ほど完全に統合されていない。

プロセスの標準化(サービスの設計から実施、実践における評価まで)、サービス提供に対する薬剤師の報酬、サービスに対する課金額などの障壁は、いまだに論争の的となっている。

関連情報:TOPICS
  2025.04.19 ブラジル国民薬局プログラム(PFPB)


2025年06月06日 23:45 投稿

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