海外の地域薬局・薬剤師によるセルフケアにおける取組③(米国)

Explor Res Clin Soc Pharm.誌に、“Selfcare for Health System Sustainability: An International Series on the Role of Community Pharmacy”(医療システムの持続可能性のためのセルフケア~地域薬局の役割に関する国際シリーズ)で掲載された、米国の状況を紹介したい。(Xに2023.05.05に投稿したものを再構成しました)

Community pharmacies and the empowerment of self-care in the United States
(Res Social Adm Pharm. 12 Apr 2023)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10160781/

米国におけるセルフケアの定義と実践、薬剤師の役割とトレーニング、および薬剤師の課題と機会などについて文献レビュー。

米国において、セルフケアは薬局のOTCコーナーに並ぶ製品に限定されるものではなく、薬剤師が疾患予防、現在の健康状態の評価と維持、健康上の課題の管理支援などに携わることを含んでいる。

米国では、薬剤師は患者ケアの確立された基準としてPharmacist Patient Care Process(PPCP)を使用している。

PPCPには

  1. Collect
  2. Assess
  3. Plan
  4. Implement
  5. Follow up:monitor and Evaluate

の5つのステップがある。

セルフケアにおいて薬剤師が果たす最初の役割は、患者情報を収集し、患者がセルフケアの適切な候補者であるかどうかを判断することである。

そして、その患者に最適なセルフケア手段(7つの柱にまたがる非薬物戦略、OTC製品の活用など)を決定し、患者が安全に健康を増進するために必要な手段を確保できるよう、患者中心の計画を立てることである。

7つの柱にまたがる非薬物戦略とは

・知識とヘルスリララシー
・精神的な健康
・身体活動
・健康的な食事
・リスクの回避と軽減
・良好な衛生状態
・セルフケア製品およびサービスの適切な使用

International Self-Care Foundation
https://isfglobal.org/practice-self-care/

薬剤師が包括的な患者サービスを提供する能力は、近年拡大している。多くの州で、薬剤師は「プロバイダーステータス」を持ち、患者に提供した臨床サービス(単に薬を調剤するだけではない)に対して請求できるようになっている。

これらの拡大した役割は州によって異なりますが、病状の自己管理と診断のためのポイントオブケア検査、ホルモン避妊薬やHIVの暴露前/暴露後予防薬の処方能力、感染症の検査から治療、薬剤師が幅広い種類の病態に対応できる共同診療契約などがある。

さらに、COVID-19のパンデミックは、COVID-19関連の検査、治療、予防接種を提供する能力を含む、地域薬剤師のための追加の法律と機会を促した。


2025年06月06日 23:29 投稿

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