アスリートに生薬配合製品は勧めない方がいいかも

 遅れましたが、本年もよろしくお願いします。

 ツイートを見ていたら、次のリツイートが流れてきて驚きました。

 そう、2017年からのアンチドーピングの禁止リストの話題です。

 今年も大きな変更はないと思い込んでいたのですが、調べてみたら、意外な身近な成分が新たに指定(明示)され、各競技団体にはすでに注意喚起が行われていることがわかりました。

アンチ・ドーピング委員会より 2017年禁止表国際基準のHigenamine (ヒゲナミン) に関する注意喚起
(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構 2016.12.19 日本カヌー協会ウェブサイト)
http://www.canoe.or.jp/tournament/result/20161222.pdf

2017年1月からの世界アンチドーピング機構 ドーピング禁止表の変更について
(日本卓球協会 2016.12.28)
http://www.jtta.or.jp/Portals/0/images/tournament/Nationals/2016_pdf/20161228_dpg.pdf

 2017年禁止表に新たに追加されたのは、 Higenamine(ヒゲナミン)で、非選択的β2作用があるとして明示されました。

2017 年禁止表 主要な変更の要約と注釈
常に禁止される物質と方法(競技会(時)および競技会外) (JADA)
http://www.playtruejapan.org/wp/wp-content/uploads/2016/12/3d0fcdb70bcf45de26a66192cd2a7dd7-2.pdf#page=20

(原文・WADAウェブサイト)
SUMMARY OF MAJOR MODIFICATIONS AND EXPLANATORY NOTES 2017 PROHIBITED LIST
https://www.wada-ama.org/sites/default/files/resources/files/2016-09-29_-_wada_summary_of_modifications_eng_final.pdf

 日本アンチドーピング機構通知の文書によれば、ヒゲナミンは、ゴシュユ(呉茱萸)、ブシ(附子)、 サイシン(細辛)、チョウジ(丁子)、 ナンテン(南天)などに含まれているとのこと。

 南天として有名なのは南天のど飴ですね。メーカーでもこヒゲナミンにβ刺激作用があることを認めています。

ついに見つけた謎の気管を拡げる効果の正体 (南天研究所)
http://nanten-lab.jp/institute/index01b.htm

 海外では、ヒゲナミンを含むサプリが発売されているようで、これらの不正使用を防ぐ目的があるようです。

 また日本においては、一般用医薬品、医療用医薬品の漢方製剤、生薬製剤などにこれらの生薬は広く含まれています。

 アスリートというと、痛みへの対応として、附子製剤などが使われそうですが、今後はやめる必要があります。

 呉茱萸は冷えなどの漢方薬に、細辛は鼻炎や風邪の漢方薬に、また丁子は漢方薬だけではなく、生薬配合の胃薬に多く含まれています。

 配合量はごくわずかかもしれませんが、検査技術がすすんでいる今、微量でも検出されて競技生活に重大な影響を及ぼすことも否定できません。

 これまで生薬といえば、エフェドリン系のものが注意の対象となっていましたが、こういった状況を考えれば、これからは基本的に含有成分が多岐にわたる生薬配合製品をアスリートにすすめることはやめた方がいいかもしれません。

 日薬でも通知を出していました。(知らなかった)

「2017 年禁止表国際基準の Higenamine(ヒゲナミン)に関する注意喚起」について
(日本薬剤師会2016.12.28・宮城県薬ウェブサイト)
http://www.mypha.or.jp/images/file/playtrue.20161228.pdf

 肝心のスポーツファーマシストに、身近でかつ重要なこのことが取り急ぎでまだ周知されていないことはちょっと残念です。

 なお含有成分が配合されているOTC製品名を知りたい方は、本ブログ右上のPMDA 一般用医薬品添付文書のリンクから、サブメニュー(その他検索条件)に成分名を入れて検索すると製品名が出てきます。(チョウジは159製品がヒットした)

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2017年01月11日 01:19 投稿

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