登録販売者試験受験者の実務経験を一斉点検へ

 登録販売者試験の不正受験が相次いで発覚していますが、厚労省は一斉点検に動き出すようです。

 厚労省は30日、各都道府県衛生主管部(局)長宛てに、医薬食品局総務課長名で、登録販売者試験の適正な実施や実務経験の証明に係る自主的な点検の実施などを求める通知を行っています。

登録販売者試験に係る実務経験に関する不正の防止について(依頼)
(平成24年11月30日薬食総発1130第1号医薬食品局総務課長通知)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/h241130-1.pdf

 注目は、実務経験の証明に係る自主的な点検の実施で、試験の受験に必要な実務経験の期間等を満たしていることを、過去の勤務記録等により確認することを求めています。

 点検の対象は、「薬局等において過去に発行した全ての実務経験の証明」となっているので、証明書を発行した店舗の開設者は対応が迫られる可能性があります。(過去にさかのぼって勤務記録を用意するということかな?)

 自主的な点検の期限は、平成24年12月末日までとすることなので、年末の忙しい時期にちょっと大変なことになりそうです。

関連情報:TOPICS
 2012.11.15 登録販売者試験、今度は416人の不正受験が発覚
 2012.11.06 西友不正受験を認める 虚偽の証明書は282人
 2012.11.04 登録販売者試験でまたしても大量不正受験か
 2012.10.29 登録販売者試験受験資格に関する要望書(薬害オン会議)
 2011.11.11 登録販売者試験の受験資格確認が厳格化へ

関連記事;
不正の有無、自主点検要請 医薬品販売者試験で厚労省
(47NEWS 2012.11.30 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012113001001880.html

23:40 リンク追加


2012年11月30日 17:20 投稿

コメントが5つあります

  1. 登録者不正の一斉点検を知りました。
    厚労省はOTC薬に携わる資格に厳しくしなければならなかった。
    これは厚労省にも大きな社会的責任があります。
    まず、私はそこから考えなければならないと思っています。
    次に、厚労省通達の資料も見させて頂きました。
    不正証明書を出した開設者の不正者数、そして、その内訳とする被証明者名のリストなど・・。
    あくまでも、開設者の自主点検を踏まえた上で書き込むようになっていますが・・・。
    どこまで、正直に不正者を申告するかです。
    各自治体所管が実際に立ち入り点検でもしなければ、ダメなのではないでしょうか。
    そこら辺の詰が甘いのでは・・・。
    まあ、こういう通達を出したこと事態は一歩前進かもしれませんが。
    受験要件の実務経験証明書は月80時間の一年間になっていますが。
    この証明は現場のOTC薬の補助実務に実際に携わった時間ですよね。
    開設者はこれの自主点検を踏まえた上での不正申告ですからね・・・。
    この不正で発覚した開設者及び登録者の処分はどのようにするのでしょうか。
    まあ、この背景にはとにかく業界全体がOTC薬を雑品程度にしか見ていなかった。
    それに携わる資格もかなり軽視されていたし、取り締まる方もいい加減だった。
    その認識の付けの現れでしょう・・・。私はそのように思っています。
    これを自戒の機として、OTC薬を本来の医薬品としての地位に戻さなければならない。
    そして、それに携わる登録資格制度も、厳しく見直さなければならないでしょう。
    余談ですが、エパデールのスイッチOTC薬化に踏み切った厚労省の英断は大いに社会的評価されるでしょうが。
    それにしても、日医のそれに対する見解文書は利己主義の既得権死守だけで、日本医療の将来を建設的に考えていない。
    そのような愚かな見識に情けなさを覚えました。

  2. アポネット 小嶋

    関連記事です。

    チェーンドラッグストア協会/登録販売者試験の不正防止対策本部設置
    (流通ニュース 2012.12.03)
    http://ryutsuu.biz/commodity/e120324.html

  3. アポネット 小嶋

    関連記事です。(実態の告発が生々しい)

    西友の不正は氷山の一角~揺らぐ薬の登録販売者制度
    (ダイアモンド・オンライン 2012.12.20)
    http://diamond.jp/articles/-/29684

  4. アポネット 小嶋

    厚労省は点検結果の中間報告を発表しています。

    登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果(中間報告)について
    (厚労省 2013.04.18)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002zx0t.html
    http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002zx0t-att/2r9852000002zx2a.pdf

    3月末日現在で、登録販売者試験において、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した人数は、西友関連で延べ310人、カメガヤ関連で485人、その他31事業者で延べ269人だったそうです。

  5. アポネット 小嶋

     紹介遅れましたが、社民党又市征治参議院議員が登録販売者試験制度などについて質問を行っています。

    一般用医薬品販売の実態と改善に関する質問主意書
    (参議院質問主意書 答弁書受領日 2013.05.07)
    http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/183/meisai/m183082.htm

    新たな「制裁規定」を設けることや、不正受験者に対して、一定期間、受験資格を停止するとの規定」を設けることは考えていないそうです。

    また、「実務経験時間の規定」の「厳格化」や「Q&A等」の作成等も考えていないそうです。

    なお、これも紹介が遅れましたが、薬害オンブズパースン会議は改めて要望書を摘出しています。

    「登録販売者試験受験資格に関する再要望書」を提出
    (薬害オンブズパースン会議 2013.04.23)
    http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=833