市販薬へのアクセス拡大に関する公開会議が開催(米国)

米国では4月23日、「市販薬へのアクセス拡大」に関する公開会議(FDA Convening)が開催、専門家が一堂に会して、非処方箋薬やOTCへのアクセス拡大に関する様々な課題などについて意見が交わされています。

FDA Public Meeting on Increasing Access to Nonprescription Drugs
(FDA April 23, 2026)
https://www.fda.gov/news-events/fda-meetings-conferences-and-workshops/fda-public-meeting-increasing-access-nonprescription-drugs-04232026

Increasing Access to Nonprescription Drugs
https://healthpolicy.duke.edu/events/increasing-access-nonprescription-drugs

この公開会議は、デューク・マーゴリス健康政策研究所と米FDAと協働でハイブリッドで開催されたもので、当日のスライドと議事録と動画も既にアップされています

プレゼンスライド
https://healthpolicy.duke.edu/sites/default/files/2026-04/Slide%20Deck_Increasing%20Access%20to%20Nonprescription%20Drugs.pdf

議事録
https://healthpolicy.duke.edu/sites/default/files/2026-04/Transcript_Increasing%20Access%20to%20Nonprescription%20Drugs.pdf

Increasing Access to Nonprescription Drugs
https://www.youtube.com/watch?v=3BXwhB5JGAA

4時間にわたるこの Public meetingPublic meeting では、始めFDAの担当者などによるプレゼンのあと2つのテーマで1時間半づつディスカッションが行われています。(日本はこういう時間をかけたのはあまりないよな)

FDAのプレゼンによれば、米国も日本と同じように同じ成分であっても使用条件(適応症など)の一部に限ってOTC化する部分的スイッチ(Partial switch)という概念があるという(米国はOTCであれば、何処でも売れるという仕組みでもあるが)。

一方FDAでは、ACNUというOTCに関する新たな政策決定(→TOPICS 2025.04.19)が行われていて今後ACNU付き非処方せん医薬品となれば、これまでの処方箋医薬品を処方箋なしで販売が可能となります。

FDAでは、安全かつ有効であると認められれば公衆衛生上の利益をもたらす可能性が特に高いと特定した候補薬について、今年後半にACNUのパイロット事業を開始したいと考えているとのこと。

ディスカッションでは冒頭でこういったやりとりも

豪州では禁煙補助剤がスイッチされた際、初めはビハンドザカウンターだったのでアクセスの改善がわずかだったが、カウンターの前に置くようになったら、売り上げと禁煙を試みる人が一気に増えた。

イノベーションについて議論する際にも、そのイノベーションが消費者に不必要な新たな障壁を課すことのないよう、細心の注意を払わなければならない。

(スイッチにあたっては)安全域が必要で、データも必要だが、片頭痛や前立腺肥大症、幅広い避妊法、アナフィラキシー、ホルモン補充療法といった、一般的な症状であれば、一度医者の所に行けば(診断がつけば)自分でもわかる

こうした症状は処方薬から市販薬への切り替えにまさに適している

今回の公開会議と並行して、FDAでは、処方箋不要医薬品へのアクセス拡大についての意見募集を実施しています。

Increasing Access to Nonprescription Drugs; Public Meeting; Request for Comments
(Regulation.gov 2026.04.15)
https://www.regulations.gov/document/FDA-2025-N-4731-0052

業態団体のThe National Association of Chain Drug Stores (NACDS) では意見を提出したことを明らかにしています

NACDS Submits Comments to FDA on Expanding Access to Nonprescription Drugs
(NACDS 2026.05.07)
https://www.nacds.org/nacds-submits-comments-to-fda-on-expanding-access-to-nonprescription-drugs/

提出意見
https://www.nacds.org/pdfs/FDA-NACDS-Cmts-on-Access-to-Nonprescription-Drugs.pdf?utm_campaign=3759456-NACDS%20Press%20Release%202024-2025&utm_medium=email&_hsmi=2&utm_content=2&utm_source=hs_email

意見書では、

  • 市販薬に関連する追加のカウンセリングやケアを求める個人に対し、臨床サービスを提供する薬剤師への報酬支払いを支援する州政策を制定すること
  • 保険適用に必要な場合、薬剤師が市販薬の処方箋を発行することを認めるよう、州の薬事法および健康保険法を改正すること
  • 薬局や小売店が市販薬を販売する能力を阻害するような、州による販売制限や薬剤師の業務範囲の制限を排除すること

など、FDAと州議会や州薬事委員会(boards of pharmacy)を含む州の政策立案者と連携し、特に医薬品が処方薬から一般用医薬品へと移行する場合において、米国国民が一般用医薬品を入手できるよう支援する州レベルの政策の整合性を促進すべきであるなどとした意見を提出しています。

日本でもセルフメディケーションやスイッチの推進においては、薬剤師の業務範囲の制限の排除や、臨床サービスの提供としての報酬支払いを求める必要があるかもしれません。

また当日パネラーとして副代表が参加した、OTCメーカーの団体であるThe Consumer Healthcare Products Association (CHPA) は

OTCは、米国の医療制度におけるセルフケアの要であり、何百万人ものアメリカ人が処方箋や医療機関への受診なしに、一般的な症状を安全かつ効果的に管理することを可能にしています。市販薬は治療への即時アクセスを提供することで、治療の遅延を減らし、コストを削減し、既に逼迫している医療制度への負担を軽減するのに役立つ。

などとしたステートメントを発表しています。

CHPA Underscores Value of OTC Medicines at FDA Public Meeting
(CHPA 2026.04.23)
https://www.chpa.org/news/2026/04/chpa-underscores-value-otc-medicines-fda-public-meeting

米国は今後、これまで処方箋医薬品であったスタチンやED治療薬もこの新しい規則を用いて、処方箋なしで買えるようになるという見方もあります。

日本の医療文化でこうなっていくかどうかは微妙ですが、テクノロジーがすすめば、医薬品入手に薬剤師が直接介在する機会が減っていく可能性があります。

参考:
CHPA highlights role of O-T-C meds at FDA public meeting
(Chain Drug Review 2026.04.24)
https://chaindrugreview.com/chpa-highlights-role-of-otc-meds-at-fda-public-meeting/

関連情報:TOPICS
2025.04.19 米FDAのOTCに関する新たな政策決定


2026年05月09日 16:15 投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>