要指導医薬品「ルミフェン」

 佐藤製薬は2日、7月8日より要指導医薬品のルミフェンを発売することを発表しています。

肩、腰、ひざなど炎症性の痛みに飲んで早く効く!
有効成分「アルミノプロフェン」配合鎮痛剤 『ルミフェン』(要指導医薬品)新発売
(佐藤製薬株式会社ニュースリリース 2014.07.02)
http://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2014/140702.html

商品ブランドサイト:http://www.sato-seiyaku.co.jp/lumifen/

添付文書
http://www.sato-seiyaku.co.jp/lumifen/about/attachment.pdf

服薬指導チェックシート
http://www.sato-seiyaku.co.jp/lumifen/checkseat/checkseat.pdf

 このルミフェンは、医療用医薬品として発売されていたミナルフェン錠のスイッチ品で、イブプロフェンと構造が類似したプロピオン酸系のNSAIDsであるアルミノプロフェンが配合されていますが、ご存じのように、ミナルフェン錠は2009年3月末で既に薬価からも削除されており、異例の形での再登場となります。

 承認のための審議は、2012年6月7日に開催された一般用医薬品部会で行なわれていて、下記資料と議事録と合わせてみると、今回のスイッチまでのいきさつがわかります。

 審査報告書→リンク1リンク2 申請資料概要→リンク

薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会議事録
(2012年6月7日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002njp5.html

 議事録によれば、ミナルフェン錠の市場からの撤退は、シクロオキシゲナーゼ-2選択的阻害薬の登場による影響や、会社の合併などにより営業的な投資ができなかったためによる売上げ減少で、医薬品としての有用性が否定されたものではないそうです。佐藤製薬が、2009年5月に承認を承継、一般用医薬品として申請し、今回の発売にこぎ着けています。

 この領域の一般用医薬品というと、相当シェアが拡大したロキソニンSと、イブプロフェンが配合された、ナロンエースやイブのブランド、アスピリンが主薬のバファリンなどがしのぎを削っていますが、ロキソニンと比べると認知度としてはどうしても劣るこの「ルミフェン」が果たして生活者の支持を得られるかは未知数です。

 希望小売価格も12錠1200円と、ちょっぴり強気の価格設定も気になります。

 ニュースリリースやブランドサイトなどを見ると、COX‐2選択性が高く、胃への負担が少ないという特長を売りにするようですが、審査にあたっては、胃腸障害の軽減は薬理試験結果から期待されるもので、臨床試験成績及び市販後調査結果からは、本剤の優位性が特段見られないとして、販売時に新規性を強調することは慎むべきとの指摘がなされています。(クギをさされているのに、いいのかなあ、今回のプロモーション。それとミナルフェン錠の過去の添付文書やインタビューフォームが入手できないのも困ったもんだ)

関連ブログ:
ルミフェンの特徴は
(くすりの勉強 -薬剤師のブログ- 2014.07.05)
http://yakuzaic.com/archives/86029


2014年07月07日 02:19 投稿

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