5.栄養サポート等の分野(P276-312)(→全文)
- NST(Nutrition Support Team)
(独立行政法人国立病院機構東京医療センタ-)(p277-279)
★薬剤管理指導など - 栄養サポートチーム(NST)
(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)(p280-288)
★各病棟担当薬剤師による入院患者の薬剤情報の把握
★カンファレンスや、回診に参加して、患者の栄養評価に応じて、必要な薬剤や輸液管理について提示 - 武蔵野赤十字病院栄養サポートチーム
(武蔵野赤十字病院)(p289-293)
★各病棟担当薬剤師による薬剤の副作用のチェック
★専任薬剤師による経静脈・経腸栄養の適切な処方の助言
★コメディカルにむけた教育支援や勉強会の運営 - 栄養サポートチーム
(周術期栄養管理~外来から入院・退院における栄養サポート~)(→参考資料)
(株式会社日立製作所日立総合病院)(p294-299)
★病棟配属された薬剤師が薬物療法における提案疑義照会時に、医師の同意・指示に基づいて処方・注射・検査をオーダするなど医師オーダサポート業務を実施し医師の支援・業務軽減を図る。 - 栄養機能マネージメントチーム
(済生会八幡総合病院)(p300-302)
★医師の指示による静脈栄養剤の選択、服用薬剤の把握 - NST(栄養サポート)チーム(→参考資料)
(公益財団法人 仙台市医療センター仙台オープン病院) (p303-305)
★所定の研修を受けた医師、看護師、管理栄養士、薬剤師からなる栄養サポートチームが栄養状態改善のための治療方針などのアドバイスを行う - 栄養サポートチーム(摂食・嚥下障害患者を含む)
(東京都リハビリテーション病院)(p306-309)
★高リスク患者の抽出、患者情報の提供、回診記録 - 精神科におけるNST(Nutrition Support Team)=栄養サポートチーム
(医療法人唐虹会 虹と海のホスピタル)(p310-312)
★服薬に対する疑問、不安、不満などの情報を把握し、チームメンバーと共有
★服薬アドヒアランスの向上のための知識や投与薬剤の情報を伝える
★栄養薬剤の選択・適正使用の方法の指導
★誤与薬の予防・チェック
★栄養薬剤についての患者・家族への説明(指導も含む)
◎この記事は10ページに分割されています。(下記からリンク)
2012年10月20日 16:37 投稿
リンクの作業の関係もあり、報告書をざっと全部目を通しました。
いずれも一定規模の施設の取組であり、人員が限られている中小の病院で実際に可能かどうかという問題はありますが、チーム医療の一員として、病院薬剤師がどのような独自活動を求められているかがわかり、地域薬剤師の私でも理解が深まりました。(こういうのを実務実習で見せられたら、進路を病院にする薬学生も増えるんだろうな)
読んでみて感じたことは、高度調剤とは別に、副作用のチェック、せん妄対策や褥瘡対策などで、チーム医療の一員として他職種や患者とその家族に、薬剤師として視点での情報提供(と共有)が求められていうことです。
調剤に時間が割かれては当然できないでしょうから、これらを多くの施設で展開するとなると、必要な人員の配置とともに、やはり院外処方など、調剤業務を効率化・簡素化する必要もあるのではないかと思ってしまいます。(海外では院内でも調剤の助手が一般的だったと思う)
また、こういった取り組みをきちんとするとなると、退院したり、かかりつけ医でのフォローになったりした場合には、いままで病院薬剤師によって行われていたサポートをどう継続するか、地域薬局との連携や役割分担についての検討も必要になるのではないかと感じました。
一方、地域薬剤師が関わる報告も一部ありましたが、施設完結型と異なり、実際に関わる難しさも感じました。(評価自体も難しい)
すぐ思い浮かぶのは、在宅分野になってしまいますが、私は行政や開業医と連携した取り組みも、チーム医療に準ずるものとして、もっと事例を集めて検討・評価する必要があるのではないかと思っています。
具体的には、各地で行われている、地域連携パス、禁煙支援(医療機関との連携も含む)、自殺対策、まちかどセルフチェックなど、セルフケアの支援やゲートキーパー的な関わりなど、他職種協働はさまざまな可能性があります。
健康増進、疾病の早期発見など長い目で見れば、医療費の抑制につながるものであり、厚労省は是非こういった分野についても、きちんとした評価を行うべきだと思います。(そうすれば、薬学生も地域薬剤師活動にもっと目を向けてくれるはず)