平成23年度チーム医療実証事業報告書

2.慢性期分野(P90-181)(→全文
  • 心臓リハビリテーションチーム
    (財団法人 厚生年金事業振興団 九州厚生年金病院)(p96-99)
    ★入院時使用薬剤の情報収集を図り、医師ヷ看護師などに必要な情報を提供
    ★定期的な面接とお薬手帱の活用により、服薬状況の把握や副作用出現の有無、かかりつけ医での投薬内容の変更を確認
  • 褥瘡対策チーム
    (大阪厚生年金病院)(p100-104)
    ★褥瘡治療に用いる薬剤情報を整理して提供、褥瘡の病期に合わせた薬剤選択の情報の発信
    ★研修会・講演会での教育
  • 褥瘡対策チーム
    (社会福祉法人 三井記念病院)(p112-114)
    ★褥瘡状態に忚じた適切な薬剤の選択、使用方法についての評価指導
    ★院内使用製剤についての紹介、啓蒙活動
    ★NSTチームとの連携
  • 褥瘡対策委員会 褥瘡対策チーム
    (国立がん研究センター東病院)(p115–117)
    ★病態や基材の特性に合った薬剤の選択。褥瘡の状態と薬剤の適正性の継続的評価
    ★薬剤の保存方法および使用法の適切性の確認、退院時の患者および家族への薬剤指導
  • 呼吸サポートチーム(慢性呼吸ケアチーム)
    (石巻赤十字病院)(p118-119)
    ★吸入薬、内服薬の指導と評価を行う。
  • 独立行政法人 国立長寿医療研究センター「褥瘡対策チーム」
    (独立行政法人国立長寿医療研究センター)(p120-122) 
    ★病態に適した薬剤や創傷被覆材の提案や効果的な使用法の指導
    ★使用する全薬剤による全身・局所に対する影響の評価
  • 褥瘡対策チーム
    (碧南市民病院)(p123-131)
    ★治療手段である薬剤の選択および評価など全身・局所治療の総合的薬物治療管理
    ★退院後に在宅で褥瘡処置をしなければならない場合の家族への服薬指導
  • 多職種協業による患者参加型の転倒転落防止チーム(転倒転落ワーキンググループ)
    (湯布院厚生年金病院)(p132-138)
    ★服薬中の薬の内容を把握し、薬の影響による転倒ヷ転落を起こさないようチーム内に情報提供
  • 回復期リハビリテテーション病棟における介護指導支援チーム(→参考資料
    (医療法人社団勝木会やわたメディカルセンター)(p139-141)
    ★内服の必要性、副作用などについて説明し、むりなく服薬継続できる方法についてチームにアドバイス
  • 下肢救済チーム
    (大分岡病院)(p142-145)
    ★患者の薬物療法の現状の評価、感染症治療の管理(MRSA等 TDM)
  • 退院支援チーム(Discharge Support Team /DST)(→参考資料)
    (財団法人操風会 岡山旭東病院)(p146-150)
    ★治療目標に即した服薬指導
  • 糖尿病療養指導チーム
    (医療法人翔单会 翔单病院)(p151-156)
    ★外来および入院患者の服薬指導、インスリン注射手技指導、継続自己管理の支援、患者教育(教室等)、チーム員への薬品情報の提供
  • COPDケアチーム前橋
    (前橋赤十字病院)(p165-167)
    ★吸入療法等の薬物療法の指導、サポート
    ◆在宅訪問薬剤管理指導を積極的に実践している保険薬局から薬剤師や他職種を招聘し包拢的呼吸ケア実践へ向けた課題をディスカッション

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2012年10月20日 16:37 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    リンクの作業の関係もあり、報告書をざっと全部目を通しました。

    いずれも一定規模の施設の取組であり、人員が限られている中小の病院で実際に可能かどうかという問題はありますが、チーム医療の一員として、病院薬剤師がどのような独自活動を求められているかがわかり、地域薬剤師の私でも理解が深まりました。(こういうのを実務実習で見せられたら、進路を病院にする薬学生も増えるんだろうな)

    読んでみて感じたことは、高度調剤とは別に、副作用のチェック、せん妄対策や褥瘡対策などで、チーム医療の一員として他職種や患者とその家族に、薬剤師として視点での情報提供(と共有)が求められていうことです。

    調剤に時間が割かれては当然できないでしょうから、これらを多くの施設で展開するとなると、必要な人員の配置とともに、やはり院外処方など、調剤業務を効率化・簡素化する必要もあるのではないかと思ってしまいます。(海外では院内でも調剤の助手が一般的だったと思う)

    また、こういった取り組みをきちんとするとなると、退院したり、かかりつけ医でのフォローになったりした場合には、いままで病院薬剤師によって行われていたサポートをどう継続するか、地域薬局との連携や役割分担についての検討も必要になるのではないかと感じました。

    一方、地域薬剤師が関わる報告も一部ありましたが、施設完結型と異なり、実際に関わる難しさも感じました。(評価自体も難しい)

    すぐ思い浮かぶのは、在宅分野になってしまいますが、私は行政や開業医と連携した取り組みも、チーム医療に準ずるものとして、もっと事例を集めて検討・評価する必要があるのではないかと思っています。

    具体的には、各地で行われている、地域連携パス、禁煙支援(医療機関との連携も含む)、自殺対策、まちかどセルフチェックなど、セルフケアの支援やゲートキーパー的な関わりなど、他職種協働はさまざまな可能性があります。

    健康増進、疾病の早期発見など長い目で見れば、医療費の抑制につながるものであり、厚労省は是非こういった分野についても、きちんとした評価を行うべきだと思います。(そうすれば、薬学生も地域薬剤師活動にもっと目を向けてくれるはず)