1.急性期分野(P1-89)(→全文)
- 救命救急チーム(救命救急センターでの臨床検査技師、薬剤師の常時配置)
(医療法人鉄蕉会 亀田総合病院)(p5-8)
★薬液調製・投薬設計・服薬指導 - 周術期管理センター(Perioperative management center : PERIO)
(国立大学法人岡山大学 岡山大学病院)(p9-14)
★持参薬の内容確認および術前中止薬やせん妄を惹起する薬剤、薬剤アレルギーをチェック ★服薬指導 - 救急・集中治療チーム
(筑波大学附属病院)(p18-22)
★医薬品の適正使用を実現するために、処方鑑査と無菌環境下で注射薬のミキシング - 薬剤師専従による周術期管理チーム
(広島大学病院)(p23-25)
★麻薬・向精神薬・毒薬・麻酔薬の使用目的、使用量を術式、麻酔法から推測し監査
★緊急時に必要な薬剤の供給体制、医師や看護師と協同し不要なコストや取り間違えのリスクを意識した最小限の薬剤の選定および在庨数設定、簡潔な薬剤管理システムの構築 - 周術期食道癌チーム
(昭和大学横浜市北部病院)(p26-30)
★担当医とともに術前・術後化学療法の説明、副作用のモニタリング、抗がん剤の調整
★術後、服用薬のある場合には、患者の嚥下機能に適した剤形の検討・助言と服薬指導 - 心疾患病診・病病連携のチーム医療サポートチーム(→参考資料)
(東邦大学医療センター大橋病院)(p39-46)
★複数の既往症などを抱える在宅患者等の病態に合わせて薬剤処方、用量、用法を確認し最良組合せを「かかりつけ医」へアドバイス
★副作用等疑われる事象が発生した報告を「かかりつけ医」から受けた際は専門医と協議して薬剤の中止、変更等を「かかりつけ医」へ速やかにアドバイス - 周術期患者管理チーム
(国立がん研究センター東病院)(p47-52)
★内服薬の確認/中止薬のチェック(特に抗凝固薬の確認) - ストロークチーム(脳梗塞早期治療に向けたチーム医療)
(財団法人操風会岡山旭東病院)(p75-80)
★t-PA治療の対象患者における問題点や課題を薬剤師の視点で指摘 - 脳卒中治療領域におけるチーム医療
(荒木脳神経外科病院)(p86-89)
★投与薬剤の確認、オーダー入力、配合禁忌、用量、投与方法の適切性や患者への効能効果の確認
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2012年10月20日 16:37 投稿
リンクの作業の関係もあり、報告書をざっと全部目を通しました。
いずれも一定規模の施設の取組であり、人員が限られている中小の病院で実際に可能かどうかという問題はありますが、チーム医療の一員として、病院薬剤師がどのような独自活動を求められているかがわかり、地域薬剤師の私でも理解が深まりました。(こういうのを実務実習で見せられたら、進路を病院にする薬学生も増えるんだろうな)
読んでみて感じたことは、高度調剤とは別に、副作用のチェック、せん妄対策や褥瘡対策などで、チーム医療の一員として他職種や患者とその家族に、薬剤師として視点での情報提供(と共有)が求められていうことです。
調剤に時間が割かれては当然できないでしょうから、これらを多くの施設で展開するとなると、必要な人員の配置とともに、やはり院外処方など、調剤業務を効率化・簡素化する必要もあるのではないかと思ってしまいます。(海外では院内でも調剤の助手が一般的だったと思う)
また、こういった取り組みをきちんとするとなると、退院したり、かかりつけ医でのフォローになったりした場合には、いままで病院薬剤師によって行われていたサポートをどう継続するか、地域薬局との連携や役割分担についての検討も必要になるのではないかと感じました。
一方、地域薬剤師が関わる報告も一部ありましたが、施設完結型と異なり、実際に関わる難しさも感じました。(評価自体も難しい)
すぐ思い浮かぶのは、在宅分野になってしまいますが、私は行政や開業医と連携した取り組みも、チーム医療に準ずるものとして、もっと事例を集めて検討・評価する必要があるのではないかと思っています。
具体的には、各地で行われている、地域連携パス、禁煙支援(医療機関との連携も含む)、自殺対策、まちかどセルフチェックなど、セルフケアの支援やゲートキーパー的な関わりなど、他職種協働はさまざまな可能性があります。
健康増進、疾病の早期発見など長い目で見れば、医療費の抑制につながるものであり、厚労省は是非こういった分野についても、きちんとした評価を行うべきだと思います。(そうすれば、薬学生も地域薬剤師活動にもっと目を向けてくれるはず)