4.感染管理分野(P255-275)(→全文)
- ICT(Infection Control Team)
(国立病院機構大阪医療センター)(p256-260)
★抗菌薬使用状況データのまとめ、TDM 測定実施、使用状況の評価や結果のフィードバック、投与量や投与期間についてカルテ記載(抗菌薬の適正使用) - インフェクションコントロールチーム(ICT)
(武蔵野赤十字病院)(p261-264)
★抗菌薬の使用状況やTDM の実施状況をモニタリングし、不適切使用の疑い例を検出し感染症専門医と検討
★最適な抗菌薬の常備、その特性に基づいた消毒薬の適正な配備を提言 - 感染制御チーム(Infection Control Team:ICT)
(医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院)(p265-270)
★抗菌薬使用状況を把握し、ICD と連携し抗菌薬の適正使用を協議の上、投与量及び投与期間の設定に関与 - 感染対策チーム(ICT)
(独立行政法人国立病院機構浜田医療センター)(p271-275)
★毎週抗菌薬の使用状況をデータ化し、ミーティング資料を作成
★抗菌薬のTDM測定も開始し、適正使用へ介入
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2012年10月20日 16:37 投稿
リンクの作業の関係もあり、報告書をざっと全部目を通しました。
いずれも一定規模の施設の取組であり、人員が限られている中小の病院で実際に可能かどうかという問題はありますが、チーム医療の一員として、病院薬剤師がどのような独自活動を求められているかがわかり、地域薬剤師の私でも理解が深まりました。(こういうのを実務実習で見せられたら、進路を病院にする薬学生も増えるんだろうな)
読んでみて感じたことは、高度調剤とは別に、副作用のチェック、せん妄対策や褥瘡対策などで、チーム医療の一員として他職種や患者とその家族に、薬剤師として視点での情報提供(と共有)が求められていうことです。
調剤に時間が割かれては当然できないでしょうから、これらを多くの施設で展開するとなると、必要な人員の配置とともに、やはり院外処方など、調剤業務を効率化・簡素化する必要もあるのではないかと思ってしまいます。(海外では院内でも調剤の助手が一般的だったと思う)
また、こういった取り組みをきちんとするとなると、退院したり、かかりつけ医でのフォローになったりした場合には、いままで病院薬剤師によって行われていたサポートをどう継続するか、地域薬局との連携や役割分担についての検討も必要になるのではないかと感じました。
一方、地域薬剤師が関わる報告も一部ありましたが、施設完結型と異なり、実際に関わる難しさも感じました。(評価自体も難しい)
すぐ思い浮かぶのは、在宅分野になってしまいますが、私は行政や開業医と連携した取り組みも、チーム医療に準ずるものとして、もっと事例を集めて検討・評価する必要があるのではないかと思っています。
具体的には、各地で行われている、地域連携パス、禁煙支援(医療機関との連携も含む)、自殺対策、まちかどセルフチェックなど、セルフケアの支援やゲートキーパー的な関わりなど、他職種協働はさまざまな可能性があります。
健康増進、疾病の早期発見など長い目で見れば、医療費の抑制につながるものであり、厚労省は是非こういった分野についても、きちんとした評価を行うべきだと思います。(そうすれば、薬学生も地域薬剤師活動にもっと目を向けてくれるはず)