薬剤師の将来ビジョン(暫定版)(日薬)

 日薬(http://www.nichiyaku.or.jp/)はこのほど、薬局、病院・診療所、製薬、卸、学校等の各職域に従事する薬剤師の将来像と薬剤師の意識改革に向けた指標となる 「薬剤師の将来ビジョン(暫定版)」(Pharmacist Vision)をまとめ、23日に行われた総会で公表しています。

 27日には、会員向けページにPDFで公開されています。(多くの人に薬剤師のあるべき姿を知ってもらうのであれば、オープンアクセスにしてもよかったと思う)

薬剤師の将来ビジョン(暫定版)について(会員向けページ)
http://nichiyaku.info/member/minfo12/tp120627.html

 将来ビジョンは、「薬剤師を取り巻く環境の変化」「薬剤師の将来ビジョン~すべては国民のために~」と、各職域(薬局薬剤師/病院・診療所薬剤師/製薬勤務薬剤師/卸勤務薬剤師/学校薬剤師)ごとの現状と将来ビジョンで構成されています。 

 日薬では、将来ビジョンについて引き続き検討・見直しを行い、本年秋頃を目途に最終版として公表するとしています。(会員から暫定版について、広く意見を集めるということはしないのだろうか?)

 これからじっくり読んでみたいと思います。

関連記事:
日薬・将来ビジョン すべての薬局が調剤とOTC薬
(RISFAX 6月25日)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=38700


2012年06月28日 13:09 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    論評、待ってました! 

    薬剤師の将来ビジョン暫定版を読んでみる遊び。
    (10しす 7月3日)
    http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-4c80.html

    一般会員には冊子版は暫定版ということで配布なしみたいですね。これでは会員の関心は集められないと思いますが。

    とはいっても、全部読むのは大変。開局だけは理解できるけど。

    10しすの記事で、

    薬剤師自身がどうすればいいのか、日薬は何ができるのか、何を期待されているのかという部分は公表しないんですね。

    というのは同意です。

    一応、p18~p29に2025年を見据えた「薬剤師が取り組むべきプロセスの絵姿を描いてみる。」とあるのですが、ビジョンというのであれば、こういった構成だとどうもしっくりしませんでした。

    ビジョンという以上は、もっとはっきりと「薬剤師には社会からはこういう期待や役割があり、2025年までに、薬剤師はこういう取り組みを実行すべきだ」ということを工程表をつけて訴えることこそが、本来のビジョンの示し方ではないかと思います(そういった記載の方が、イメージがはっきりわかるし、現場ののモチベーションも上がる)

    WEBで海外で同様のものがないかググったところ、ニュージーランド薬剤師会が2004年にまとめた2014年までのビジョンが結構整理されています。

    TEN-YEAR VISION FOR PHARMACISTS IN NEW ZEALAND 2004|2014
    http://psnz.org.nz/public/home/documents/10_yea_plan.pdf

    また、開局業務に限定されてしまいますが、下記のものも主張がしっかりされています。

    Healthy Albertans through excellence in pharmacy practice
    A PLAN FOR THE FUTURE
    (The Alberta College of Pharmacists)
    https://pharmacists.ab.ca/nAboutACP/Mission.aspx
    https://pharmacists.ab.ca/Content_Files/Files/ACPStrategicPlan.pdf

    Canadian Pharmacy Services Framework?
    (Canadian Pharmacists Associatio/cacds 2011.10)
    http://blueprintforpharmacy.ca/docs/pdfs/cpsf-framework-deck_cpha-cacds_oct-2011_final-for-distribution.pdf

    それと残念だったのは、開局部分については1997年1月にまとめられた「薬局のグランドデザイン」というひな形(自宅では中間答申しか見つからなかった)があったはず。

    本来であれば過去の重要な資料として日薬のHPで掲載して、今回のビジョンとグランドデザインとの比較検証できるようにすべきだったと思います。(中間答申では、2005年までの目標と10か年計画という項目があった。ビジョンでせめてどこまでできたか、どのように変わったかくらいは触れてほしかった)

    「薬局のグランドデザイン」が示したもの
    (KEYWORDS 薬局機能評価とは)
    http://www.watarase.ne.jp/aponet/keywords/kinouhyouka/page1.html

    日薬代議員会議事録その2。「おとうとに出てくるような薬局=象徴?」
    (10しす 2010.06.14)
    http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-8f43.html

    それと、10しすでも指摘していますが、読んでいて日本のこれまでの取組の充実がビジョンの中心に感じられました。

    しかし、海外ではスクリーニングやワクチン接種などの新たなさまざまな取り組みもあります。

    実現不可能だとしても、こういった取り組みは世界的な流れであり、職能の拡大のためにも、こういった紹介ももっとしてもよかったのではないかと思います。

    やっぱり医師会の目を気にしているのでしょうね。

  2. アポネット 小嶋

    くま☆さんが日経DIでコメント記事を掲載しています。すべて同意します。

    「薬剤師の将来ビジョン」策定にもPDCAを導入せよ
    (日経DI 熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」 7月10日 要会員登録)
    http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201207/525817.html

    私も、一部の人だけで議論するのではなく、現場の薬剤師からも広く意見を募ることにより、このビジョンが実効性を持つと思います。

  3. アポネット 小嶋

    正式版が日薬HPにアップされました。

    フリーアクセスなので、会員以外の人も是非ご覧下さい。

    薬剤師の将来ビジョン(PDF:7.4MB)
    http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2013/03/visions.pdf