総合感冒薬の販売規制は今後の検討課題(パブコメ結果)

見落としていましたが、17日に濫用等のおそれのある医薬品の成分・品目及び数量に関するパブリックコメント(TOPICS 2014.02.17コメント)の結果が明らかになっています。

意見募集についての事項は下記の通りです

濫用等のおそれのある医薬品の成分・品目及び数量について

施行規則に基づき指定する濫用等のおそれのある医薬品の成分及び数量について、従来の規制及び近年の動向を踏まえると、下の成分・品目が考えられる。

(対象成分・品目)
1 コデイン(鎮咳去痰薬)
2 ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬)
3 ジヒドロコデインセキサノール(鎮咳去痰薬)
4 メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬・液剤)
5 ブロムワレリル尿素
6 エフェドリン
7 プソイドエフェドリン

適正な使用のために必要と認められる数量は、原則1包装単位と考える。

なお、法施行後、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて購入しようとする場合には、購入理由の確認が必要となり、その結果を踏まえて販売が行われることとなる。

結果は以下の通りです。

薬事法施行規則第15条の2に基づき濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(案)に関する意見募集の結果について(結果の公示日 2014年05月17日)

ちなみに、個人的に下記のような意見を提出しました。

コデイン類やエフェドリン類は鎮咳去痰薬だけではなく、いわゆる総合感冒薬にも配合されています。

総合感冒薬が濫用される懸念はないのでしょうか?

総合感冒薬はアセトアミノフェンなどが含まれるものもあり、知らず知らずにアセトアミノフェンによる肝障害リスクということも留意する必要はないのでしょうか?

総合感冒薬の大包装品はネット上では複数個購入できるサイトも散見されます。

海外では、アセトアミノフェン+コデイン類配合のOTCは販売規制のある国もあります。

本邦でも、鎮咳去痰薬だけではなく、総合感冒薬も規制の対象とすべきではないでしょうか?

寄せられた意見は私のを含め、わずか6件と意外に関心が低いんだと感じました。一部を下記に抜粋しました。(→意見募集結果

寄せられた意見 厚労省の考え方
総合感冒薬にも同等程度の同成分が含有されているため、鎮咳去痰薬などに限定するのはおかしい。総合感冒薬は一般に認識されているよりもずっと危険な医薬品であり、単に風邪の症状を緩和するだけの効果しかない。このため、総合感冒薬に対する規制はもっと厳しくしてしかるべき。従って、鎮咳去痰薬に限るといった限定は削るべきである。 今回の指定対象の品目については、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会における審議結果に基づき決定したものです。総合感冒薬等の鎮咳去痰薬以外の製剤の指定の必要性については、制度施行後の使用実態等を踏まえつつ、引き続き検討していくこととしております。
デキストロメトルファンも同様に指定するべき。 今回の指定対象の品目については、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会における審議結果に基づき決定したものです。デキストロメトルファンを含有する製剤の指定の必要性については、制度施行後の使用実態等を踏まえつつ、引き続き検討していくこととしております。
適正数量は原則1人1包装とのことだが、用途がまたがる場合はそれぞれ1包装ずつ販売できるのか。解熱鎮痛薬と鼻炎薬などを同時に購入される場合もあるため、1人各1包装にすべき。 薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の意見を踏まえ、適正数量は原則1人1包装とする予定ですが、解熱鎮痛薬と鼻炎薬など、使用目的が異なる医薬品を販売する場合には、それぞれの用途ごとに1人1包装ずつを適正数量とする予定です。ただし、同成分を含む医薬品を併用することとなりますので、販売時には用法、用量や副作用等に関する必要な情報提供等を行っていただくこととなります。
今回対象とする医薬品は、第1類医薬品としてはどうか。 一般用医薬品のリスク区分は、副作用発生のリスクや情報提供が必要な事項などを踏まえ総合的に判断することとしております。
鼻炎薬、プソイドエフェドリンに関しては、1人2包装単位までとすべき。鼻炎薬は、数ヶ月という花粉症のシーズンにはかなりの頻度で使用することとなり、1人で2包装購入する方は多いのが現状である。 薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の意見を踏まえ、適正数量は原則1人1包装とする予定です。このため、2包装以上販売する場合は、薬剤師又は登録販売者が購入理由等の必要事項を確認した上で販売可否の判断をして販売することとなります。
企業に対し、パッケージへ記載(タバコの害のように)することを必須とすべき 今回指定する医薬品について、定められた用法・用量等の範囲で適正に使用する限り、濫用につながるおそれはほとんどないと考えられることから、警告等の表示を義務付けることまでは必要ないと考えております。

最後の意見には同意しますね。英国では一部の製品について、パッケージの正面にはっきりと ’Can Cause Addiction. For three days use only’ という表示が義務づけられているんですけどね。(TOPICS 2009.09.04

今回のパブコメで厚労省の方針が変更されるわけではないとは思っていましたが、今回の考え方を見て、厚労省と安全対策部会の委員の先生方は、国内外の非処方せん薬(日本ではとりわけ総合感冒薬)の濫用の実態をどれだけご存じなのかとも思いました。

関連情報:TOPICS
2014.02.17 濫用等のおそれのある医薬品の成分・品目及び数量は?
2013.04.16 OTC薬の大量・頻回購入の対象はブロンだけではない
2013.02.10 OTC鎮痛薬・風邪薬の包装(販売)制限は必要か
2012.09.14 日本人はOTCの副作用や依存性はあまり気にかけない?
2010.06.04 コデイン配合OTC薬販売規制、鎮咳去痰薬のみで十分?
2010.05.01 コデイン配合OTC鎮痛薬の販売規制が開始(豪州)
2009.09.04 ジヒドロコデイン配合OTC風邪薬,事実上使用禁止へ(英国)


2014年05月21日 12:25 投稿

コメントが2つあります

  1. まあ、分かっていた事ですけど、結局決まったことを変えるつもりはないんですよね。
    何の為のパブリックコメントなんだか。

  2. アポネット 小嶋

    6月4日の官報で、上記原案の通りの内容で、6月12日からの適用が告示されました。

    パブコメを踏まえた通知も発出されています。

    薬事法施行規則第15条の2の規定に基づき濫用等の恐れのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(告示)の施行について
    (2014.06.04 厚労省医薬食品局長 薬食発 0604第2号)
    https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sankou_1.pdf

    2 指定医薬品の販売等について
    (1)適正な使用のために必要と認められる数量とは、原則として、薬効分類ごとに1人1包装単位(1箱、1瓶等)である。よつて、例えば解熱鎮痛薬と鼻炎薬など、使用目的が異なる医薬品を販売等する場合には、それぞれの用途ごとに1人1包装ずつを適正数量とする。
    (2)(1)のほか、指定医薬品の取扱いについては、平成26年3月10日付け薬食発0310第1号厚生労働省医薬食品局長通知「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について」第2の10(4)、第3の9(3)及び第4の6(3)によるものとする。

    薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について
    (薬食発0310第1号 平成26年3 月10日)
    http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/140310_1.pdf

    第2の10
    (4)濫用等のおそれのある医薬品の販売等(新施行規則第15 条の2関係)
    薬局開設者は、薬局製造販売医薬品又は一般用医薬品のうち、濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定するもの(以下「濫用等のおそれのある医薬品」という。)を販売・授与するときは、次の①及び②に掲げる方法により行わなければならないこと。

    ① 当該薬局において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、次のアからエまでに掲げる事項を確認させること。
     アの若年者とは、高校生、中学生等を指すものであること。
     ウの適正な使用のため必要と認められる数量とは、原則として一人一包装単位(一箱、一瓶等)であること。

    ア 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が若年者である場合は、当該者の氏名及び年齢
    イ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況
    ウ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合は、その理由
    エ その他当該医薬品の適正な使用を目的とする購入・譲受けであることを確認するために必要な事項
    ② 当該薬局において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に①により確認した事項を勘案し、適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売・授与させること

    第3の9
    (3)濫用等のおそれのある医薬品の販売等(新施行規則第147 条の3関係)店舗販売業者は、濫用等のおそれのある医薬品(一般用医薬品に限る。)を販売・授与するときは、次の①及び②に掲げる方法により行わなければならないこと。

    ① 当該店舗において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、次のアからエまでに掲げる事項を確認させること。
     アの若年者とは、高校生、中学生等を指すものであること。
     ウの適正な使用のため必要と認められる数量とは、原則として一人一包装単位(一箱、一瓶等)であること。

    ア 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が若年者である場合は、当該者の氏名及び年齢
    イ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況
    ウ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合は、その理由
    エ その他当該医薬品の適正な使用を目的とする購入・譲受けであることを確認するために必要な事項

    ② 当該店舗において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、①により確認した事項を勘案し、適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売・授与させること。

    第4の6
    3)濫用等のおそれのある医薬品の販売等(新施行規則第149 条の7関係)配置販売業者は、濫用等のおそれのある医薬品(一般用医薬品に限る。)を配置するときは、次の①及び②に掲げる方法により行わなければならないこと。
    ① 当該区域において医薬品の配置販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、アからエまでに掲げる事項を確認させること。
     アの若年者とは、高校生、中学生等を指すものであること。
     ウの適正な使用のため必要と認められる数量とは、原則として一人一包装単位(一箱、一瓶等)であること。

    ア 当該医薬品を配置販売によって購入し、又は譲り受けようとする者が若年者である場合は、当該者の氏名及び年齢
    イ 当該医薬品を配置販売によって購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況
    ウ 当該医薬品を配置販売によって購入し、又は譲り受けようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品の配置を求める場合は、その理由
    エ その他当該医薬品の適正な使用を目的とする配置販売による購入・譲受けであることを確認するために必要な事項

    ② 当該区域において医薬品の配置販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、①により確認した事項を勘案し、適正な使用のために必要と認められる数量に限り、配置させること。

    ——————————

    これは、販売記録をとるということですよね。

    新ブロン液エースは1本しか買えないけどナロンエースといっしょには購入できるということですね。
    (そうだ、ナロンエースは今回の規制の網にかかるんだ)

    でも、ケースバイケースでは2本(2個)販売できるとも読み取れますね。どうなんだろう。

    新小児用ジキニンシロップも今回の対象外なんだろうな。

    こういった商品やナロンエース(今はないか)を、店頭で山積み販売にするっていうのもどうなんだろう。豪州では、オーバーザカウンターでの陳列しか認められなかったと思う。