重篤な皮膚障害の報告が多い医薬品

 厚労省は25日、2009年9月~2012年1月までに報告された、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS))及び、中毒性表皮壊死症(TEN)の報告状況等について、医薬品・医療機器等安全性情報290号とPMDAからの医薬品適正使用のお願いで明らかにしています。

医薬品による重篤な皮膚障害について
(医薬品・医療機器等安全性情報290号 2012.04.25)
http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/290-2.pdf

医薬品による重篤な皮膚障害の早期発見について
(PMDAからの医薬品適正使用のお願い No.9 2012.04)
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/tekisei_pmda_09.pdf

 この間に製造販売業者から報告されたSJS及びTENの副作用が報告件数は1505例(この期間に報告された全副作用報告数82261例の1.8%)で、医療用医薬品が被疑薬として報告されたのが1410例、一般用医薬品が被疑薬として報告されたのが95例だったそうです。(なお報告数の多寡については、各医薬品の販売量が異なること、使用法、使用頻度、併用医薬品、原疾患、合併症等が症例により異なるため、単純に比較することはできない)

報告数の多い医薬品(医薬品名報告数)

  • アロプリノール107
  • ラモトリギン101
  • カルバマゼピン86
  • アセトアミノフェン54
  • ロキソプロフェンナトリウム水和物49
  • メシル酸ガレノキサシン水和物32
  • レボフロキサシン水和物29
  • サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(=PL配合顆粒など)29
  • ジクロフェナクナトリウム29
  • セレコキシブ28

薬効分類名報告数(例)

  • 医薬品全体(抗てんかん剤257、解熱鎮痛消炎剤235、抗生物質製剤229、痛風治療剤108、腫瘍用薬105、総合感冒剤83、合成抗菌剤81、消化性潰瘍用剤67)
  • うち一般用医薬品(総合感冒剤54、解熱鎮痛消炎剤35、複合胃腸剤1、漢方製剤1、ビタミンB1剤1、その他の滋養強壮薬1、健胃消化剤1、鎮咳剤1)

 厚労省では、報告数の多い抗てんかん剤、解熱鎮痛消炎剤、抗生物質製剤、痛風治療剤、腫瘍用薬、総合感冒剤、合成抗菌剤、消化性潰瘍用剤等の医薬品を投与又は販売する際には、患者へその初期症状について説明を行い,初期症状を認めたときには速やかに受診するよう適切に注意喚起することが望まれます。(薬情で、初期症状をはっきりと明記しましょう。また、かせ薬や痛み止めの販売時にも一言情報提供が必要かも)

資料:現在作成されている「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(Keywords)

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2012年04月26日 14:00 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    ここのところ今回の報告についてメディアが取り上げていますが、今朝のNHKの情報番組でも取り上げられ、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」についても紹介されています。

    あさイチ(6月15日放送分)
     http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/06/15/01.html

    スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)
    (重篤副作用疾患別対応マニュアル 平成18年11月)
     http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0611005_01.pdf