最近の国内外の副作用等の報告状況

 今回も紹介がたいへん遅れてしまいましたが、3月31日に開催された薬事・食品衛生審議会の平成22年度第3回医薬品等安全対策部会で、2010年8月1日から11月30日までに厚労省に報告のあった医薬品の副作用報告についての集計結果が公表されています。

 このデータは、医薬品との因果関係が不明なものを含め製造販売業者等から報告されたものをもとに作成されていますが、同一症例に複数の被疑薬が存在し、該当する症例が複数の企業からそれぞれ報告された場合は重複してカウントされているために、ここに示した報告件数がそのまま症例数にはならないそうです。また厚労省では、個別に医薬品との関連性を評価したものではないとしています。

平成22年度第3回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会(2011年3月31日開催)
  厚労省資料(既掲載) 議事録(6月13日掲載)

 資料2-2によれば、この間に4件以上の報告のあった医療用医薬品成分は下記のとおりです。(薬効分類コード421-430、625の一部、631以降は除く)

分類 医薬品名 剤形 副作用名(数字は件数)
111 セボフルラン 吸入 悪性高熱6、低酸素症4
112 ゾルビデム酒石酸塩 経口 譫妄5
112 フルニトラゼパム 経口 悪性症候群5
112 ブロチゾラム 経口 悪性症候群4
112 ミダゾラム 注射 血圧低下5
113 カルバマゼピン 経口 好酸球増加と全身症状を伴う薬疹23、肝障害10、薬疹9、スティーブンス・ジョンソン症候群8、てんかん6、肝機能障害5、全身紅班5、多形紅班5、発熱5、抗痙攣剤濃度増加4、全身性皮疹4
113 ゾニサミド 経口 皮膚粘膜眼症候群5
113 トピラマート 経口 代謝性アシドーシス4
113 バルプロ酸ナトリウム 経口 ファンコニー症候群6
113 ラモトリギン 経口 てんかん7、発疹6、スティーブンス・ジョンソン症候群5、好酸球増加と全身症状を伴う薬疹5、薬疹5、発熱4
114 アスピリン 経口 胃潰瘍6、硬膜外血腫6、胃出血4
114 アセトアミノフェン 経口 皮膚粘膜眼症候群6、肝障害6、中毒性表皮壊死融解症5
114 ジクロフェナクナトリウム 経口 播種性血管内凝固4
坐剤 肝障害4
114 セレコキシブ 経口 多形紅班6、薬疹4
114 ロキソプロフェンナトリウム水和物 経口 肝障害7、間質性肺疾患6、急性腎不全6、薬疹6
116 アマンタジン塩酸塩 経口 意識変容状態6、腎機能障害4、痙攣4
116 ピペリデン塩酸塩 経口 ジストニー4
117 アリピプラゾール 経口 悪性症候群6、高血糖4
117 クエチアピンフマル酸塩 経口 悪性症候群4
117 スルピリド 経口 悪性症候群5
117 デュロキセチン塩酸塩 経口 肝障害4
117 パロキセチン塩酸塩水和物 経口 アクティベーション症候群10、攻撃性8、不安7、抗利尿ホルモン不適合分泌6、軽躁5、気分変化4
117 ハロペリドール 不明 ジストニー7
117 ミルタザピン 経口 企図的過量投与5、自殺既遂4、痙攣4
117 リスペリドン 経口 悪性症候群4、横紋筋融解4
117 塩酸セルトラリン 経口 低ナトリウム血症4
117 炭酸リチウム 経口 治療薬毒性8、腎性尿崩症7
118 非ピリン系感冒剤(4) 経口 肝障害5
119 プレガバリン 経口 浮動性めまい14、意識消失8、心不全7、転倒5、意識変容状態4
122 ロクロニウム臭化物 注射 神経筋ブロック遅延5、頻脈5、アナフィラキシーショック5、アナフィラキシー反応4、血圧低下4、紅班4
123 ジスチグミン臭化物 経口 コリン作動性症候群7
131 ラニビズマブ(遺伝子組換え) 注射 網膜出血9、視力低下8、硝子体出血4
132 フルチカゾンフランカルボン酸エステル 吸入 脂肪肝4
212 アミオダロン塩酸塩 経口 間質性肺疾患13、甲状腺炎9
注射 死亡4
212 シベンゾリンコハク酸塩 経口 低血糖症10
212 ベプリジル塩酸塩水和物 経口 心電図QT延長12、トルサード ド ポアント6、心室細動5、徐脈4
214 アリスキレンフマル酸塩 経口 高カリウム血症4
214 オルメサルタン メドキソミル 経口 高カリウム血症4
214 テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤 経口 低ナトリウム血症4
214 バルサルタン 経口 拡張期血圧低下16、高カリウム血症8、血圧低下7、間質性肺疾患6、血圧上昇4
214 バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩配合剤 経口 血圧低下4
214 バルサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤 経口 低ナトリウム血症9、血圧低下8
214 ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド 経口 低ナトリウム血症5
217 アムロジピンベシル酸塩 経口 パーキソニズム11
218 アトルバスタチンカルシウム水和物 経口 横紋筋融解5
218 フェノフィブラート 経口 肝機能異常4、肝酵素上昇4
218 ロスバスタチンカルシウム 経口 横紋筋融解7
219 エポプロステノールナトリウム 注射 悪心12、下痢12、顎痛12、血小板減少症12、四肢痛12、潮紅12、頭痛12、発疹12
219 タダラフィル 経口 心不全4
219 炭酸ランタン水和物 経口 腹膜炎4
223 カルボシステイン 経口 薬疹5
225 テオフィリン 経口 痙攣16
232 ファモチジン 経口 肝障害5、間質性肺疾患4
232 ランソプラゾール 経口 膠原性大腸炎13
232 レバミピド 経口 肝障害5、肝機能異常4
234 酸化マグネシウム 経口 高マグネシウム血症15
239 インフリキシマブ(遺伝子組換え) 注射 注入による反応16、ニューモシスティスジロヴェシ肺炎14、肺炎10、間質性肺炎6、発熱5、胸膜炎4
239 メサラジン 経口 急性膵炎4、尿細管間質性腎炎4、発熱4
241 ソマトロピン(遺伝子組換え) 注射 側弯症6
241 ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン 注射 卵巣過剰刺激症候群10
243 チアマゾール 経口 無顆粒球症23
243 プロピルチオウラシル 経口 抗好中球細胞質抗体陽性血管炎11
245 トリアムシノロンアセトニド 注射 強膜菲薄化64、粘膜出血32、黄斑円孔16、眼内炎16、真菌性眼感染16、糖尿病16、皮膚移植16
245 プレドニゾロン 経口 骨壊死8、エプスタイン・バーウイルス関連リンパ増殖性障6、サイトメガロウイルス感染5、肺炎5、サイトメガロウイルス性腸炎4、糖尿病4
248 ノルエチステロン・エチニルエストラジオール 経口 悪心4
249 インスリン アスパルト(遺伝子組換え) 注射 低血糖症8、高血糖昏睡5、低血糖性意識消失4
249 インスリン グラルギン(遺伝子組換え) 注射 低血糖症5
249 インスリン デテミル(遺伝子組換え) 注射 高血糖5
249 ジェノゲスト 経口 子宮不正出血4
249 リラグルチド(遺伝子組換え) 注射 高血糖7、糖尿病性ケトアシドーシス6
259 リトドリン塩酸塩 注射 肺水腫5
265 テルビナフィン 経口 肝障害5、肝機能異常4
325 アミノ酸・糖・電解質・ビタミン(2-2) 注射 血小板数減少16
325 アミノ酸・糖・電解質・ビタミン(2-3) 注射 薬疹16
325 肝不全用アミノ酸製剤(1) 注射 低血糖症16
329 ダイズ油 注射 黄疸16、肝障害16
331 10%塩化ナトリウム 注射 痙攣16
331 維持液(ブドウ糖加)(2) 注射 アナフィラキシー様反応16
331 乳酸リンゲル液(デキストラン40加)(1) 注射 喘息16
331 乳酸リンゲル液(デキストラン40加)(2) 注射 アナフィラキシー様反応16、気管支痙攣16
332 トラネキサム酸 注射 痙攣7
333 エノキサパリンナトリウム 注射 皮下出血7
333 フォンダパリヌクスナトリウム 注射 処置後出血5、貧血4
333 ヘパリンナトリウム 注射 ヘパリン起因性血小板減少症25
333 ワルファリンカリウム 経口 筋肉内出血6、硬膜下血腫5、INR増加5、頭蓋内出血5、脳出血5、歯肉出血4、腎出血4
333 クロピドグレル硫酸塩 経口 急性心筋梗塞7、狭心症6、汎血球減少症5、胃腸出血4、間質性肺疾患4、血小板減少症4
339 シロスタゾール 経口 頭蓋内出血6
339 チクロピジン塩酸塩 経口 肝障害5、全身性エリテマトーデス5
339 ブドウ糖・無機塩類配合剤 注射 意識レベルの低下16、血中クロール増加16、血中ナトリウム増加16、髄膜炎16、痙攣16
391 ズガマデクスナトリウム 注射 血圧低下6、アナフィラキシーショック5、アナフィラキシー反応4、処置による悪心、処置による嘔吐4
392 デフェラシロクス 経口 肝機能異常7、腎機能障害5、アスパラギン酸アミノトランフェラーゼ増加4、発疹4
392 レボホリナートカルシウム 経口 好中球減少症4
394 アロプリノール 経口 好酸球増加と全身症状を伴う薬疹11、皮膚粘膜眼症候群5、スチーブンス・ジョンソン症候群4、肝機能異常4、間質性肺疾患4、中毒性表皮壊死融解症4
395 アガルシダーゼ ベータ(遺伝子組換え) 経口 脳梗塞5
395 アルテプラーゼ(遺伝子組換え) 注射 出血性脳梗塞5、頭蓋内出血4
396 グリペンクラミド 経口 低血糖症6
396 グリメピリド 経口 低血糖症7
396 シタグリプチンリン酸塩水和物 経口 低血糖症20、肝機能異常7、急性膵炎4
396 ビルダグリプチン 経口 低血糖症9、肝障害6、血中クレアチンホスホキナーゼ増加4
396 ボグリボース 経口 腸壁気腫症4
396 メトホルミン塩酸塩 経口 乳酸アシドーシス4
399 アザチオプリン 経口 急性膵炎4、貧血4
399 アダリムマブ(遺伝子組換え) 注射 肺炎11、蜂巣炎5、間質性肺疾患7、ニューモシスティスジロヴェシ肺炎6、細菌性肺炎4
399 アバタセプト(遺伝子組換え) 注射 T細胞性リンパ腫16、ヘモグロビン減少16、メレナ16、悪心16、胃腸炎16、下痢16、過敏症16、気管支炎16、血圧低下16、口腔咽頭痛16、口内炎16、骨髄炎16、多汗症16、吐血16、皮下組織膿瘍16、鼻咽頭炎16、嘔吐16
399 アレンドロン酸ナトリウム水和物 経口 顎骨壊死27、大腿骨骨折22、骨髄炎5、筋肉痛4
399 エタネルセプト(遺伝子組換え) 注射 間質性肺炎14、肺炎12、ニューモシスティスジロヴェシ肺炎6、乳癌4
399 エベロリムス 経口 間質性肺疾患43、血小板数減少26、貧血22、口内炎19、ヘモグロビン減少17、血中クレアチニン増加11、好中球減少10、高血糖10、悪性新生物進行8、肺炎7、胸水7、血中ブドウ糖増加7、白血球数減少7、血小板減少症6、C-反応性蛋白増加7、腎機能障害6、血中アルカリホスファターゼ増加5、帯状疱疹4、倦怠感4
399 エポエチン ベータ(遺伝子組換え) 注射 シャント機能不全4、死亡4
399 シクロスポリン 経口 サイトメガロウイルス感染11、腎機能障害5、ニューモシスティスジロヴェシ肺炎4、肺炎4
399 ゾレドロン酸水和物 注射 顎骨壊死43
399 タクロリムス水和物 経口 サイトメガロウイルス感染8、帯状疱疹6、サイトメガロウイルス検査陽性4、薬物相互作用4
不明 サイトメガロウイルス感染11、サイトメガロウイルス検査陽性7、敗血症7、肺炎5、サイトメガロウイルス腸炎4
399 ナファモスタットメシル酸塩 注射 アナフィラキシーショック14
399 パミドロン酸ニナトリウイム水和物 注射 顎骨壊死11
399 ミコフェノール酸 モフェチル 経口 白血球数減少5、汎血球減少症5
399 メトトレキサート 経口 汎血球減少症29、リンパ増殖性障害17、リンパ腫15、間質性肺疾患13、ニューモシスティスジロヴェシ肺炎10、骨髄機能不全8、白血球数減少8、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫7、口内炎5、肺炎5、血小板減少症4、血小板数減少4
399 ラロキシフェン塩酸塩 経口 肺塞栓症4
399 リセドロン酸ナトリウム水和物 経口 大腿骨骨折8、顎骨壊死4
442 ブシラミン 経口 膜性糸球体腎炎5、間質性肺疾患4
520 芍薬甘草湯 経口 低カリウム血症6、偽アルデステロン5
613 アモキシシリン水和物 経口 薬疹7
613 スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム 注射 アナフィラキシーショック7
613 セファゾリンナトリウム 経口 アナフィラキシーショック76
613 セフェピム塩酸塩水和物 注射 意識変容状態16、過量投与16、間質性肺疾患16、偽膜性大腸炎16、血小板数減少16、腸閉塞16、播種性血管内凝固16、敗血症16、肺炎16
613 セフトリアキソンナトリウム水和物 注射 アナフィラキシーショック11、発疹4、無顆粒球症4
613 ピペラシリンナトリウム 注射 血小板減少症4
614 クラリスロマイシン 経口 肝障害6、ブドウ膜炎4
619 ランソプラゾール・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン 経口 薬疹4
621 サラゾスルファピリジン 経口 好酸球増加と全身症状を伴う薬疹4
624 メシル酸ガレノキサシン水和物 経口 徐脈4、薬疹4
624 リネゾリド 注射 血小板数減少11、汎血球減少症5
624 塩酸シプロフロキサシン 経口 下痢4、発熱性好中球減少症4
624 レボフロキサシン水和物 経口 アナフィラキシーショック8、アナフィラキシー反応6、痙攣6、肝機能異常5、アナフィラキシー様反応4、スチーブンス・ジョンソン症候群4、中毒性表皮壊死融解症4、低血糖症4、薬疹4
625 アシクロピル 注射 意識変容状態7、急性腎不全4
625 オセルタミビルリン酸塩 経口 腹部膨満8、肛門周囲炎6、乳児性ざ瘡4
625 バラシクロビル塩酸塩 経口 急性腎不全12、腎障害7、意識変容状態6、嘔吐4
625 バルガンシクロビル塩酸塩 経口 白血球数減少14、汎血球減少症7、血小板数減少5
625 リバビリン 経口 ヘモグロビン減少6、貧血5
629 イトラコナゾール 経口 末梢性浮腫4
629 スルファメトキサゾール・トリメトプリム 経口 高カリウム血症7、無顆粒球症4
629 テルビナフィン塩酸塩 経口 肝障害5、肝機能異常4

 資料2-2:国内副作用報告の状況(医療用医薬品)[PDF:1.48MB]より引用(一部分類は移動しています)

 今回も前回と同様の傾向でしたが、プレカバリン、ビスホスホネート製剤の報告が気になりました。

 一方、一般用医薬品についての副作用報告も公表されています。(個人的には、商品名もはっきり書いた方がいいと思います)

 資料2-3:国内副作用報告の状況(一般用医薬品)[PDF:280KB]

 詳細については、医薬品医療機器総合機構HP(http://www.info.pmda.go.jp/)の「副作用が疑われる症例報告に関する情報」のページでの検索も可能です。(以下同機構サイトへリンク)

 副作用が疑われる症例報告に関する情報について(平成16年度以降の報告)
 副作用が疑われる症例報告の活用方法について(PDFファイル)

 一方、海外における添付文書の変更や当局の発表をまとめたものをあわせて発表されてしています。今後はこれらの知見を踏まえ、添付文書の改訂が行われるものと思います。やはり代表的な重篤な副作用は、患者さんに伝えることが必要だと改めて感じさせられます。

 資料2-5:外国における新たな措置の報告状況[PDF:885KB]

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2011年05月31日 13:07 投稿

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