医療費抑制策として、OTC類似薬のうち77成分について追加負担が行われることが決まっていますが、その概要が明らかになっています。(この投稿は情報を整理確認の上、随時更新します)
当初言われていた適応症ではなく、最大用量が医療用とOTCが同じもの、配合剤は除外という基準で選択されたようです。果たしてこれでよいのかどうか、今回対象とならかったものも含めて紹介します。
OTC類似薬の自維合意】薬剤費の25%の上乗せされる薬剤(77成分1100品目)
(保団連 2025.12.23)
https://hodanren.doc-net.or.jp/info/news/2025-12-23-2/
自民と維新が密室合意
OTC類似薬 77成分・1100品目で25%を患者が追加負担
対象薬剤のリストが明らかになりました pic.twitter.com/7DR83ONo95— 保団連(全国保険医団体連合会) (@hodanren) December 23, 2025
ロキソニンやアレグラに上乗せ料金 OTC類似薬、77成分判明https://t.co/swpou9rsP2 pic.twitter.com/ebS94eD0Op — 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) December 24, 2025
1総合感冒薬、解熱鎮痛剤(内服)
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| ロキソプロフェンナトリウム 水和物 | 188 | ロキソニン | 第1類 | ロキソニンS |
| イブプロフェン | 4 | ブルフェン | 指定第2類 | |
| サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジンメチレンサリチル酸塩 | 10 | PL配合顆粒 | 指定第2類 |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| アセトアミノフェン | カロナール | 第2類 | カロナールA |
2.鎮咳去痰薬(内服)
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| L-カルボシステイン | 219 | ムコサイン | 第2類 | ムコダイン去たん錠Pro500 |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| デキストロメトルファン臭化水素酸塩 | メジコン | 第2類 | メジコンせき止め錠Pro |
| チペピジンヒベンズ酸塩 | アスベリン | ||
| アンブロキソール塩酸塩 | ムコソルバン | ||
| ブロムヘキシン塩酸塩 | |||
| ジヒドロコデイン塩酸塩 |
3.抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤(内服)
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| エピナスチン塩酸塩 | 46 | アレジオン | 第2類 | アレジオン20 |
| フェキソフェナジン塩酸塩 | 257 | アレグラ | 第2類 | アレグラFX |
| フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン | 28 | ディレグラ | 要指導 | アレグラFXプレミアム |
| ベポタスチンベシル酸塩 | 83 | タリオン | 第2類 | タリオンAR |
| ロラタジン | 38 | クラリチン | 第2類 | クラリチンEX |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| セチリジン塩酸塩 | ジルテック | 第2類 | 新コンタック鼻炎Z ストナリニ Zジェル |
| アゼラスチン塩酸塩 | アゼプチン | 第2類 | ムヒAZ錠 |
| メキタジン | ゼスラン | 第2類 | アルガード鼻炎内服薬Z |
4.胃腸薬
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| イトブリド塩酸塩 | 6 | ガナトン | 第1類 | イラクナ |
| 炭酸水素ナトリウム | 3 | |||
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| ランソプラゾール | タケプロン | 要指導 | タケプロンS |
| オメプラゾール | オメプラ-ル | 要指導 | オメプラールS |
| ラベプラゾール | パリエット | 要指導 | パリエットS |
| ファモチジン | ガスター | 第1類 | ガスター10 |
| テプレノン | セルベックス | 第2類 | セルベール |
| スクラルファート水和物 | アルサルミン | 第2類 | スクラート |
| アズレンスルホン酸ナトリウム/L-グルタミン | マーズレン | 第2類 | パンシロンAZ |
| ブチルスコポラミン臭化物 | ブスコパン | 第2類 | ブスコパンA錠 |
| チキジウム臭化物 | チアトン | 第2類 | 太田胃散ペイノン錠 |
| ウルソデオキシコール酸 | ウルソ | 第3類 | タナベ胃腸薬ウルソ |
| 健胃酸 | S・M配合散 | 第2類 | 第一三共胃腸薬細粒s |
5.下剤・止瀉薬・整腸剤
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| 酸化マグネシウム | 268 | マグミット | 第3類 | マグミットK |
| ビコスルファ-トナトリウム水和物 | 23 | ラキソベロン錠 | 第2類 | ビュースルー・ソフト |
| ビサコジル | 3 | テレミンソフト | 第2類 | オイレスA |
| マルツエキス | 2 | マルツエキス | 第3類 | 和光堂マルツエキス |
| ベルベリン塩化物水和物・ゲンノショウコエキス | 3 | フェロベリン配合錠 | 第2類 | ワカ末止瀉薬錠 |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| センノシド | プルゼニド | 指定第2類 | コーラックハーブ |
| ロペラミド | ロペミン | 第2類 | ピタリット |
| ビフィズス菌 | ビオフェルミン錠剤 | 指定部外品 | 新ビオフェルミン錠 |
| 宮入菌 | ミヤBM錠 | 指定部外品 | 強ミヤリサン(錠) |
| 酪酸菌/ラクトミン/糖化菌 | ビオスリー | 指定部外品 | ビオスリー |
6.ビタミン剤
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| アスコルビン酸 | 4 | アスコルビン酸原末「マルイシ」 | 第3類 | アルコルビン酸K |
| トコフェロール酢酸エステル | 12 | ユベラ錠 | 第3類 | エセブロンE(配置薬) |
| 沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウム | 24 | デノタスチュアブル | 第2類 | 新カルシチュウD3 |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| フルスルチアミン | アリナミン | 第2類 | アリナミンA |
| メコバラミン | メチコバール | 第3類 | ナボリンS |
| リボフラビン酪酸エステル | ハイボン | 第3類 | ヘルビタBB「トーイ」 |
| ピリドキサールリン酸エステル | ピドキサール | 第3類 | アクテージSN錠 |
7.泌尿器系薬
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| イソコナゾール塩酸塩 | 1 | アデスタン膣錠 | 第1類 | メンソレータムフレディCC1 |
| オキシコナゾール塩酸塩 | 3 | オキナゾール膣錠 | 第1類 | オキナゾールL100/L600 |
| フラボキサート塩酸塩 | 3 | ブラダロン | 指定第2類 | レディガードコーワ |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| プロピベリン塩酸塩 | バップフォー | 要指導 | バップフォーレディ |
8.その他内服薬
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| ポリエンホスファチジルコリン | 4 | EPL | 第3類 | エサヘパンS |
| ブドウ酒 | 0 | ブドウ酒 | 第3類 | ブドウ酒 |
9.点眼薬
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| アシタザノラスト水和物 | 7 | ゼペリン | 第2類 | アレジフェンス |
| ケトチフェンフマル酸塩 | 6 | ザジテン | 第2類 | ジキナAL点眼薬 |
| ペミロラストカリウム | 1 | ペミラストン | 第2類 | ノアールPガード点眼液 |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| トラニラスト | リザベン | 第2類 | ロートアルガードプレテクト |
| クロモグリク酸ナトリウム | |||
| 精製ヒアルロン酸ナトリウム | ヒアレイン | 第2類 | ヒアレインS |
| プラノプロフェン | ニフラン | マイティアアイテクト | |
| シアノコバラミン | サンコバ | ||
| アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 | AZ |
10.点鼻薬
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| フルチカゾンプロピオン酸エステル | 21 | フルナーゼ | 指定第2類 | フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用> |
| モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物 | 73 | ナゾネックス | 要指導 | ナゾネックスウ点鼻薬<季節性アレルギー専用> |
| 塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニン | 1 | コールタイジン | 指定第2類 | コールタイジン点鼻液a |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| クロモグリク酸ナトリウム | |||
11.湿布薬・鎮痛外用薬
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| インドメタシン | 11 | カトレップパップ70mg | 第2類 | キュウメタシンパップZ |
| サリチル酸メチル・dl-カンフル・トウガラシエキス | 3 | ラクール温シップ | 第3類 | 温感アウチレスシップMS |
| サリチル酸メチル・lメントール・dl-カンフル | 1 | ラクール冷シップ | 第3類 | リードパップ |
| フェルビナク | 51 | セルタッチパップ | 第2類 | フェイタスシップ |
| サリチル酸メチル・lメントール・dl-カンフル・グリチルレチン酸 | 3 | スチックゼノールA | 第3類 | アイレンチック |
| ジクロフェナクナトリウム | 21 | ジクロフェナクナトリクムクリーム1% | 第2類 | パスタイムZXクリーム |
※ロキソプロフェンテープ(ロキソニンSテープ)、フェルビナクスチック(ゼノールエクサムFX)、ジクロフェナクテープ(ボルタレンテープS)、ボルタレンゲル(ボルタレンゲルS)などもこのリストに含まれる可能性があります
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| ケトプロフェン | モーラスパップ | 指定第2類 | オムニードケトプロフェンパップ |
12.ステロイド外用剤(配合剤含む)
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
| デキサメタゾン | 0 | デキサメタゾン軟膏0.1%「イワキ」 | 指定第2類 | ラリーエイ |
| ヒドロコルチゾン酪酸エステル | 26 | ロコイド軟膏0.1% | 指定第2類 | セロナ軟膏 |
| プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル | 17 | リドメックスコーワ軟膏0.03% | 指定第2類 | 新リビメックスコーワ軟膏 |
| ベタメタゾン吉草酸エステル | 21 | リンデロン-V軟膏0.12% | 指定第2類 | リンデロンVS軟膏 |
| オキシテトラサイクリン塩酸塩・ヒドロコルチゾン | 2 | テラ・コートリル軟膏 | 指定第2類 | テラ・コートリル軟膏a |
| クロラムフェニコール・フラジオマイシン硫酸塩・プレドニゾロン | 1 | クロマイ-P軟膏 | 指定第2類 | クロマイ-P軟膏AS |
| ベタメタゾン吉草酸エステル・フラジオマイシン硫酸塩 | 0 | ベトネベートN軟膏 | 指定第2類 | ベトネベートN軟膏AS |
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
| フルオシノロンアセトニド・フラジオマイシン硫酸塩 | フルコートF軟膏 | 指定第2類 | フルコートf |
| プレドニゾロン | プレドニゾロン軟膏0.5%「VTRS」 | 指定第2類 | コートf MD軟膏 |
13.抗生物質・抗真菌薬・抗ウイルス薬(外用)
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
1×.○○
対象になったもの
| 成分名 | 薬剤費 (億円) |
医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|---|
OTCとして配合例がある成分で対象にならなかったもの
| 成分名 | 医療用製品例 | リスク区分 | 配合されているOTC例 |
|---|---|---|---|
対象にはなったものの、ロキソプロフェンテープなど剤型違いの扱い、ピコスルファート内用液など、市販化されていない剤型の取り扱いは現時点ではわかりません。
2025年12月24日 11:59 投稿
