来年4月からの後発医薬品使用促進策が了承

 16日、中医協の診療報酬基本問題小委員会が開催され、来年4月からの実施を踏まえた「後発医薬品の使用促進のための環境整備の骨子(案)」が示され、了承されています。

第155回中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会(2009年12月16日開催)
  http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1216-9.html

後発医薬品の使用促進のための環境整備の骨子(案)
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1216-9h.pdf

 以下は、上記資料から抜粋したものです。 

1.薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し
  • 後発医薬品調剤体制加算の要件を数量ベースでの後発医薬品の使用割合で規定する
  • 具体的には、後発医薬品の使用割合が20%以上、25%以上及び30%以上の場合に段階的な加算を適用することとし、特に25%以上及び30%以上の場合を重点的に評価する
  • 1回の使用量と薬価基準上の規格単位との差が大きい経腸成分栄養剤(エンシュア・リキッド、ラコール等)や特殊ミルク製剤(フェニルアラニン除去ミルク及びロイシン・イソ ロイシン・バリン除去ミルク)については、算出する際には、除外する
2.薬局における含量違い又は剤形違いの後発医薬品への変更調剤
  • 変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下であり、かつ、患者に説明し同意を得れば、処方医に改めて確認することなく、処方せんに記載された先発医薬品又は後発医薬品と含量規格が異なる後発医薬品の調剤が可能
     例:A先発医薬品10mg錠 1錠 → B後発医薬品5mg錠 2錠 に変更
  • 患者に説明し同意を得ることを条件に、処方医に改めて確認することなく、処方せんに記載された先発医薬品又は後発医薬品について、類似した別剤形の後発医薬品の調剤が可能
     例:先発医薬品:カプセル剤 → 後発医薬品:錠剤 に変更
       先発医薬品:口腔内崩壊錠 → 後発医薬品:普通錠に変更
    なお、先発医薬品と後発医薬品との間で同等性が確認されている範囲での変更に限る
  • 処方医が、処方せんに記載した先発医薬品の一部について、含量規格が異なる後発医薬品への変更に差し支えがあると判断した場合、及び、先発医薬品又は後発医薬品の一部について、類似した別剤形の後発医薬品への変更に差し支えがあると判断した場合には、「後発医薬品への変更不可」欄に署名等を行わず、当該先発医薬品等の銘柄名の近傍に「含量規格変更不可」や「剤形変更不可」と記載するなど、患者及び薬局の薬剤師にも明確に変更不可であることが分かるように、記載する
  • 含量規格が異なる後発医薬品又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤を行った場合には、原則として、調剤した薬剤の銘柄、含量規格、剤形等について、当該処方せんを発行した保険医療機関に情報提供する
3.医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価
  • 医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、薬剤部門が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ院内の薬事委員会等で採用を決定する体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が20%以上の医療機関について、薬剤料を包括外で算定している入院患者に対する入院基本料の加算として、診療報酬上の評価を行う
  • なお、上記加算を適用するに当たっては、入院・外来を問わず後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨の院内掲示を求める
4.保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正
  • 療担規則に「今般、外来患者が、より後発医薬品を選択しやすいようにするため、療養担当規則等において、保険医は、投薬又は処方せんの交付を行うに当たって、後発医薬品の使用を考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならない」旨を規定する

参考資料(後発医薬品の使用促進のための環境整備の骨子(案))
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1216-9i.pdf

 後発医薬品の使用割合によって、加算を変えることに異論はありませんが、微妙に患者の一部負担金に影響がでます(高くなります)。同じ薬なのに、薬局ごと、時期によって薬代が違うと指摘されたときに、どうやって説明するんでしょうね。

関連ブログ:
 [TOPICS]後発医薬品調剤体制加算の見直しについて(薬局のオモテとウラ 12月9日)
   http://blog.kumagaip.jp/article/34121625.html
 後発品数量ベース エンシュアは除外?(薬局のオモテとウラ 11月27日)
   http://blog.kumagaip.jp/article/33880406.html

関連情報:TOPICS
  2009.11.25 次回調剤報酬改定の論点
  2009.11.11 後発医薬品の使用状況調査の結果概要(速報値)

参考:
医療介護CBニュース 12月16日 (一定期間を過ぎるとログイン必要)
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25627.html
産経新聞 12月16日
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091216/plc0912161800020-n1.htm

12月16日 18:45更新(タイトル変更) 17日 15:45リンク再設定


2009年12月16日 15:05 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    日医は16日の定例記者会見で、今回の後発医薬品使用促進策について見解を発表しています。

    診療報酬改定にむけての日本医師会の見解
    6.後発医薬品の使用促進について
    (日本医師会 12月16日 定例記者会見資料)
     http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20091216_32.pdf

    1.の「薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直しについて」と3.の「医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価」については異論がなかったものの、2の「薬局における含量違い又は剤形違いの後発医薬品への変更調剤」については

    (1)含量変更
    患者の同意如何にかかわらず、処方薬の問題は処方医の責任になる。薬局
    において、次回以降は、含量を変更以前に戻すことを条件にすべきである。

    (2)剤形変更
    反対である。医療現場を担う医師の立場から見れば、たとえばカプセル
    が服用できないといった患者も少なくない。また、患者の同意が条件にな
    っているが、理解が困難であったり、心情的に薬剤師のすすめを拒否でき
    なかったりする場合もある。

    (3)「変更不可」の記載は、診療の妨げにならないよう、チェック欄へ
    のチェックでも良いようにすべきである。

    (4)含量変更については、保険医療機関への情報提供を「原則として」と
    するのではなく、徹底させる。剤形変更については、情報提供の問題では
    なく、上記(2)の理由から、薬局において処方医の確認なしに剤形変更
    することには反対である。

    と反対の見解を示した他、4.の「保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正」については、

    療養担当規則は、保険診療上の行動原理を規定したものである。
    患者への説明の内容にまで立ち入ることは、医師の裁量権の侵害である。
    また、後発医薬品の使用は、そもそも医療費抑制のために促進されてきた。
    療養担当規則に、医療費およびその財源にかかわる内容を持ち込むべきで
    はない。

    とした反対の見解を示しています。

    最終的に委員会の了承通りに果たして進むのでしょうか。(中医協の総会で最終的な決定になるようです)

    医療介護CBニュース(12月16日 一定期間を過ぎるとログイン必要)
     http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25643.html

  2. アポネット 小嶋

    厚労省資料へのリンクが切れたので、再設定しました。

  3. アポネット 小嶋

    22日開催された中医協総会で新たに骨子案が示され、承認されました。

    後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子について
    (第158回中医協総会 資料(総−3)2009年12月22日開催)
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1222-5c.pdf

    ロハス・メディカル12月23日
     http://lohasmedical.jp/news/2009/12/23205331.php?page=4

    これで剤形変更OKということになりました。ますます仕事が増えそうです。

    今後は点数が何点ずつ配分されるかが焦点です。