第2回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会

 22日、第2回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会が開催され、資料(スライド)がいち早く掲載されています。

第2回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会(2009年6月22日開催)
 資 料:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/s0622-4.html
 議事録:http://www.mhlw.go.jp/za/0727/c20/c20.txt

 22日は、3人の委員によるヒアリングが行われ、それぞれの立場で問題点や課題が示されています。

 江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授の隈本委員は、「処方せんの記載方法の問題がどれほど事故につながっているか」「医療事故防止に向けての考え方」を示したうえで、医療事故を減らすためには,失敗をしようとしてもできないくらいの抜本的・システム的な対応が必要だとして、下記のような書式(検討会資料より引用)を提案するとともに、「処方せんに病名を書くことにしてはどうか」「疑義紹介のしにくさを改善できないか」といった提言も行っています。


 日薬の岩月進委員は、「健康保険法上は、院外処方せんについては1日分量を記載することなどのルールがすでに設けられているので、先ずは現行ルールの周知徹底や不備な点の改善を図った上で、その後の対応(1回量記載など)を考えていくことが必要ではないか。」「散剤の場合、製剤量か成分量かの判断がしにくい場合もあり、明確なルール化が必要。また、医療安全確保の観点から、投薬全量に関する記載も視野に入れるべきではないか。」「院内投薬における指示書の記載方法については具体的な規定は設けられていない。」などの問題点や課題を指摘する一方、もし現行ルール(健康保険法)を変更する場合、新旧の記載方法が混在することによる混乱やシステム改修費用なども考慮すべきとして、現時点で考えられる対応策としては、次のような3つの対応策を提案しています。

  1. 現行ルール(1日量記載)をベースとして統一化
  2. ある時期を境に1回量記載へ一斉切替(移行期間は設けない。ただし、実行上はほぼ不可能)
  3. 1日量記載/1回量記載を明確に区別することができる処方せん様式の導入(しかし、システム上は2方式となってしまうため、費用面はもちろん、薬局従事者にかかる業務上の負担大)

 一方、慶応義塾大学看護医療学部教授の嶋森好子委員は、「処方された薬を投与する看護師の中には、“3×” “×3”の意味を理解していない者が多い。」「在宅看護では患者の状態によって内服量を変えることがあり、1回量が明示されていないと、調整を誤る。」「水薬や散薬の賦形によって、処方量と調剤量とが違っていることが間違いの原因になっている。」と指摘したうえで、現状の課題の対応策として、次のような提案をしています。

  1. 日本語で「3回に分けて」とか「1日3回」と記載するとともに、1回量を明示する
  2. 在宅看護を受ける患者への与薬にも対応できるように、1回量の明示を基本とした処方せん記載をする
  3. 賦形された水薬や散薬の場合、処方量と調剤量が違っていることが分かるような注意書きをする
    (処方箋の記載方法ではないが、調剤によって見かけが変わる場合の対処が必要)

 そして、移行期に混乱が生じないよう次のような対応策を提案しています。

  1. 1日量の処方か、1回量の処方かを推測することなく一意的に解釈できる処方せん記載を始める
  2. 1回量処方を基本とした、統一的な標準記載方法を決定し、あらかじめ設定した適用開始時期に向けて体制整備を推進する

 三者とも1回量処方を基本とすることに異論はないようですが、移行期の混乱をどうするかというのが最大の課題となりそうです。個人的には隅本委員が例示した可能な限り間違えが送りにくい書式に統一して、移行期間を設けずに行うのがよいと思います。

関連ブログ:第2回内服薬処方せんの記載の在り方に関する検討会
      (薬局のオモテとウラ 6月23日)
  http://blog.kumagaip.jp/article/30023480.html

関連情報:TOPICS
  2009.06.02 第1回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会

リンク追加 6月24日 9:20 7月27日 20:40


2009年06月22日 21:23 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    各紙が当日の様子を伝えています。

    医療介護CBニュース6月22日(一定期間過ぎるとログイン必要)
     http://www.cabrain.net/news/article/newsId/22693.html

    日経DIオンライン6月22日(要会員登録)
     http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/200906/511282.html

    資料1にあるように、昭和51年に出された通知「診療報酬請求書等の記載要領等について」によれば、処方せんへの記載要領については次のような規定があるそうです。

    処方せんの記載上の注意事項
    7 「処方」欄について
    投薬すべき医薬品名、分量、用法及び用量を記載し、余白がある場合には、斜線等により余白である旨を表示すること。

    (1)医薬品名は、原則として薬価基準に記載されている名称を記載することとするが、一般名による記載でも差し支えないこと。なお、当該医薬品が、薬価基準上、2以上の規格単位がある場合には、当該規格単位をも記載すること。
    また、保険医療機関と保険薬局との間で約束されたいわゆる約束処方による医薬品名の省略、記号等による記載は認められないものであること。

    (2)分量は、内服薬については1日分量、内服用滴剤、注射薬及び外用薬については投与総量、屯服薬については1回分量を記載すること。

    (3)用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載すること。

    つまり、現行でも1回量をきちんと明記することが求められているということになります。

    議論ではこの通知を徹底させるか、分量を1回量記載に変更するかで議論が分かれたようです。

  2. アポネット 小嶋

    7月27日,議事録が厚労省HPに掲載されました。

    第2回内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会議事録
     http://www.mhlw.go.jp/za/0727/c20/c20.txt