薬局業務に影響があるパブコメが始まっています

 日常業務に係るものなのに、非常に不親切なやり方でパブリックコメントが開始されています。わかりずらいので一覧表にしたのでご活用下さい。詳細は部会(検討会)での議論を踏まえて一方的に決められる可能性があります。疑問点や意見は積極的に提出しましょう。(案件番号でリンク。意見・情報受付締切日は、いずれも2017年08月10日までです)

案件番号 改正される省令等 主な改正の内容 公布日 施行日
495170102 薬局等構造設備規則 薬局、店舗販売業者の店舗、卸売販売業者の営業所の構造設備の基準として、貯蔵設備を設ける区域が他の区域から明確に区別されていることを追加する。 平成29年8月下旬 平成30年1月下旬
495170103 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する
法律施行規則
薬局開設者等に課される医薬品の譲受・譲渡時の記録事項として相手方の身元確認の方法等を追加する。

同一法人内の営業所間における医薬品の譲受・譲渡に係る取引について、業許可ごとに別個の者とみなし、取引に係る記録及びその保存を営業所ごとに行うことを明確化する。

製造販売業者により医薬品に施された封を開封して販売・授与する場合(調剤の場合を除く。)について、開封した者(薬局等)を明確にするため、その名称・住所等の表示を新たに求める。

495170104 薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令 薬局、店舗販売業の店舗において医薬品等の販売又は授与を行う体制の基準について、医薬品の貯蔵設備と保管区域への立入りは、権限を与えられた職員のみに限定することを追加する。
495170105 薬局等構造設備規則 薬局の構造設備基準として、開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間を設ける薬局にあっては、鍵をかけて調剤室を閉鎖することができる構造であることを追加する。 平成29年8月下旬 平成29年9月下旬
495170106 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する
法律施行規則
開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間の有無を、薬局開設許可申請書や変更届出書の記載事項とする。

開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間の有無を、薬局機能情報提供制度上の報告事項として都道府県知事に報告させることとする。

薬局開設者は、開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間内においては、調剤室を閉鎖することとする。

薬局開設者は、開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間内においては、調剤に応じることができない旨及びその理由を表示しなければならないこととする。

 495170107 薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定め
る省令
開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間内においては、調剤に従事する薬剤師が当該薬局以外の場所において当該薬局の業務を行うために勤務していることとする。

開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間に一定の条件を設けることとする。

開店時間のうち、薬局において薬剤師が不在となる時間内においても、当該薬局以外の場所において当該薬局の業務を行うために勤務している調剤に従事する薬剤師が当該薬局を実地に管理できる体制を確保していることとする。

 495170108 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 薬局開設者の報告事項の追加(薬局機能情報提供制度の項目に採用されるということ)(→資料

薬局開設者が当該薬局の所在地の都道府県知事に報告しなければならない事項に、かかりつけ薬剤師・薬局の機能に関する事項として以下のものを追加する。

  • 健康サポート薬局に係る研修を修了した薬剤師の人数
  • 電磁的記録による薬剤服用歴管理の実施の有無
  • 薬剤情報を記載するための電磁的記録による手帳に対する対応の可否
  • 患者の服薬状況等を医療機関に提供した回数等
平成29年8月下旬 平成32年1月下旬

 ハーボニー関連の最初の3つの案件は、下記検討会の資料議事録を参考にして下さい

医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=430039

 その他の案件については下記部会の資料議事録を参考にして下さい

厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=430263

かかりつけ薬剤師・薬局に係る評価指標について2
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/iyakuhinniryoukikiseidobukai22-2.pdf

関連情報:TOPICS
  2017.06.28 薬局における薬剤師不在時の一般用医薬品の取扱いの見直し(案)
  2017.06.10 薬局間の医薬品分譲に大きな影響も(偽造品流通防止対策・中間とりまとめ)


2017年07月14日 15:40 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    これはまずいでしょう

  2. アポネット 小嶋

    いよいよ意見募集の締め切りの10日が近づいています。

    にもかかわらず、最終的な省令等の改正を了承した、6月22日開催の厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会の議事録がいまだアップされていません。(第1回は3週間で議事録がアップ。第2回は、おそらく医薬品副作用報告を巡っての医師委員の「密告」発言で調整が遅れてるんでしょ)

    一方で現場では、もう手順書の要求が始まっています。

    資料と中間とりまとめだけで判断しろっという、今回の意見募集やり方に意欲も薄れていますが、実際に意見を出した方もいらっしゃるので、関連ツイートを挙げておきます。

    まだ間に合うので是非提出しましょう。

    なかなか時間がなくて、まだきちんと目を通していないのですが、薬局機能情報に3項目追加したのは、下記厚生労働科学研究の結果にあるようです。

    薬剤師の本質的業務と機能強化のための調査研究
    (H28厚生労働科学特別研究)
    http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201605012A

  3. アポネット 小嶋

    改正省令が、9月26日に告示されています。

    関連記事はこちら

    薬局における薬剤師不在時の一般用医薬品の取り扱いの見直しは限定的?
    http://www.watarase.ne.jp/aponet/blog/170903.html