公道さえ造れば、本当に保険薬局の許可が下りるのだろうか?

 究極の調剤薬局の設置(TOPICS 2009.11.26)をめぐる足利市議会での一般質問が7日から行われています。議会の模様を中継を行っているケーブルTVに加入していないので、どのようなやりとりが実際に行われているか分かりませんが、断片的に質問と答弁の様子が耳に入っています。

 地元下野新聞ではローカル面でその様子を伝えていますが、その記事が8日の市長のブログでそのままアップされています(私には著作権のことを考えるとできませんが)。

2009年12月市議会一般質問新聞記事
 (足利市長 大豆生田実のブログ) 12月8日)
 http://www.j-beans.jp/archives/2009/12/08/222931.php

 新聞記事を見て頂ければ分かるように、議会での答弁では薬局設置の理由はもっぱら「患者さんの利便性のため」の繰り返しだったようです。

 それならばというわけではないでしょうが、8日の質問ではある議員から、「FAXで送れば、薬局が病院まで薬に届けてくれるのか」などといった質問も出たとか。議員までも医薬分業の意味を誤解させてしまっていますね。

 また、市長は公平性を帰すために、「薬局を5年(?)で入れ替える」といった趣旨の発言も行ったそうです。本当であれば信じられませんね。単に契約の更新制といった意味なのかもしれませんが、薬歴の継続的な管理などは市長にとってはどうでもいいことのでしょう。

 ところで市長は、地方厚生局からの許可の見通しが立ったとして、今回議会に薬局の設置案を提示しているのですが、果たして公道を造っただけで本当に保険薬局としての許可が下りるのでしょうか?

 例えば、昭和57年5月27日に出された「調剤薬局の取り扱いについて」(薬発第506号・保発第34号)によれば、調剤薬局を指定するに当っては次のような適格性に問題がないか留意するよう求めています。

  • 医療機関と同一の建物または敷地にあって、総合的に判断して医療機関の調剤所とみなされる調剤薬局については、保険薬局の指定を行わないこと等とされたいこと

 確かに、公道があれば一体的な構造ではありませんが、市長が利便性を強調すればするほど足利赤十字病院との一体性を強めることにつながり、これは即ち医療機関との調剤所とみなされる可能性があります。おそらく、厚生局も保険薬局の許可にあたっては、足利市のこの薬局の位置づけについて今後見極めていくのではないかと思います。

 もちろん、OTCや介護用品を広く扱うことも当然必要でしょう。(ただ、介護用品など病院内に入る業者とバッティングするものを取り扱うことは難しいかもしれませんが。結局業務は調剤だけ?)

 また、在宅業務なども取り組み、実務実習が可能な薬局でもあるべきですね。

 もし、市長が「地域医療にとって必要なこういった高機能の薬局を設置したい」として、薬局を1店舗もしくは2店舗に絞り、24時間365日の営業、地域の薬局との連携をとることを条件に入札を行い、開局させるというのなら、おそらく保険薬局としての許可はおりるでしょうが、足利赤十字病院から家賃がとれない(25年間の土地の無償貸与)分、4店舗からできるだけ多くの家賃収入をとろうという足利市の魂胆に、果たして厚生局が首を縦に振るのか大いに注目ですね。

 足利市は本当に、保険薬局の許可が下りるという確証があるんでしょうね?

関連情報:TOPICS
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2009年12月09日 01:26 投稿

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