「新しい業務」の展開には、まず現況調査が必要

 日病薬(http://www.jshp.or.jp/)は26日、会長と「新しい業務展開に向けた特別委員会」委員長名で、薬剤部(科)長、薬局長宛に「新しい業務」に関する現況調査(業態実務調査)と題する依頼を行っています。

 「新しい業務」に関する現況調査について(日本病院薬剤師会12月26日)
  http://www.jshp.or.jp/cont/081226.html
  http://www.jshp.or.jp/cont/081226.pdf

 今回の調査は簡単に言えば、今年夏に行われた「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会(TOPICS 2008.09.04)で示された、「専門性を活かした役割分担を行い、患者にとってより安全かつ有効な薬物療法の実施に繋がる」とした業務(第4回「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会、資料6-2、6-3、日病薬作成?)が、実際にどれだけ取り組まれているかを調査するものです。

 これを地域薬局に置きかえれば、「在宅業務」なら、単に届け出を行っているか否かだけではなく、実際にどんなことをどこまで行っているか、「一般用医薬品の供給」なら、リスク分類ごとにどれだけのアイテムを常備しているか、販売者シールの使用がどれだけ行われているかなど、あるべき薬局業務がどこまで実施されているかを具体的に調査するようなものです。

 「新しい業務」を展開するにはやはり、これらの業務の実施の現況がどうなのかを調査し、展開するための課題を検討することは重要です。そういった意味で、日病薬の「新しい業務展開に向けた特別委員会」の設置や今回の調査は非常に有用なものになると思います。日薬も是非、今回の日病薬と同様の調査を実施し、展開のための課題を整理すべきではないでしょうか。

関連情報:TOPICS
   2008.09.04 「安心と希望の医療確保ビジョン」と薬剤師
   2008.06.06 行動計画2015(米国医療薬剤師会)
   2008.10.25 病院薬局業務のあるべき姿(FIP)
   2007.08.01 病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書

「新しい業務」に関する現況調査について(another side of ”d-inf”12月28日)
    http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1677.html


2008年12月28日 22:21 投稿

コメントが2つあります

  1. 私のブログにリンクをありがとうございました。

    こちらからもリンクをはりました。
    http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1677.html

    なんだか日病薬がどたばたしています・・・

  2. アポネット 小嶋

    日病薬会長の堀内龍也氏は24日、大阪市内で開かれた日病薬近畿ブロック会議で、このアンケート調査に言及し、処方設計や採血業務など、全国の各病院で薬剤師が先進的な業務を行っていることが明らかになったと述べたそうです。

    日病薬・堀内会長、スキルミックス急展開で新業務への対応を
     (薬事日報 HEADLINE NEWS 1月27日)
     http://www.yakuji.co.jp/entry9012.html

    堀内氏はさらに、「安心と希望の医療確保ビジョン」に沿って、それを具体化させる作業が厚労省で進められており、場合によっては病院薬剤師に処方を一部に限って認める可能性もあるとしています。