ロキソプロフェン製品が条件付きで指定第2類へ(Update)

29日、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が開かれ、現在第1類のロキソプロフェン(経口)のリスク区分について、指定第2類へのリスク区分への変更をし、薬剤師がいなくても購入可能にすることを条件付きで了承しています。

【厚労省 2026.07.29開催】
令和8年度第5回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74963.html

各紙報道による引用となりますが、

  • 販売事業者においては初めての購入者を筆頭に薬剤師による対応でも求めているチェックリスト等を用いて、注意事項や副作用リスクなどの説明を登録販売者に求める
  • 販売事業者に登録販売者への研修を求め、メーカーは研修資料を提供する
  • 製造事業者は、必要な注意喚起をしっかり包装等で強調すること
  • 店舗内で薬剤師と登録販売者間で連携?
    (でも登録販売者しかいない店舗はどうするの?)

などの条件付きで認められたそうです。

20260729_3

20260729_1

20260729_2

You tube配信が行われていたのですが、うっかり忘れており、見ていた人によれば、変更ありきの議論だったようです。

2014年のリスク区分の検討の際(→TOPICS 2014.11.17)にも指摘されましたが、他の指定第2類医薬品より厳格な取扱いをすべきではないという見解はその通りで、私も同じ立場です。

現場からは危険との声も耳にしていますが、審議会の委員の人たちにはデータだけで、現場の実態の声は届かないですし、何よりも多くのイブプロフェン製品が専門家関与なしで買える状況では反論できないと思います。

一方で、同じ指定第2類であるのに、こういった例外をつくることは大いに疑問です。

もはや日本の一般用医薬品のリスク区分は形骸化していると思います。

業界が生活者の利便性の名の下にロキソプロフェンを売りたいのなら、他のNSAIDs(の大包装品)も同じように情報提供する仕組みにすべきだ思います。

こういった混乱は、ますます地域薬局・薬剤師によるセルフメディケーション支援への関心を薄れさせているのではないでしょうか?

フォロワーの方からも厳しい意見が寄せられています

ちなみにフランスでは、2020年からアセトアミノフェンも含め、behind the counter での販売が義務づけられています。

また、デンマークでは、デンマークは1包装当たり、イブプロフェンは、4000mgの包装制限があります。

これまで、NSAIDS配合製品について、大包装を認め、しっかり販売時に関与してこなかったツケなのかもしれません。

そして何よりも、生活者の選択の名の下に、業界をあげて、セルフセレクションによる専門家関与を希薄化させたことだと思います。

ロキソプロフェンのリスク区分変更については、2014年のときにもいったんは了承されたましたが、パブコメでひっくり返ったという経緯があります。

今回もパブコメが実施されたのち、正式決定となりますが、今回ばかりはおそらく無理でしょう。

参考:
【ロキソニンS_2類移行】薬剤師から登販へOJT実施提案も/条件を整理へ
(ドラビズon-line 2026.07.30)
https://www.dgs-on-line.com/articles/3289

薬剤師いなくてもロキソニン購入可に 厚労省調査会が条件付きで了承
(日本経済新聞 2026.07.29)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA292BK0Z20C26A7000000/

薬剤師不在でも購入可能に ロキソニンSなどの鎮痛薬
(共同通信 2026.07.29)
https://news.jp/i/1455158577293148174?c=39550187727945729

関連情報:TOPICS
2014.11.17 ロキソニンS、指定第2類へのリスク区分変更見送りへ
2013.04.18 OTC鎮痛薬の販売制限(デンマーク)

2026年7月30日 10:25更新


2026年07月29日 21:29 投稿

コメントが3つあります

  1. アポネット 小嶋

    審議会での議論の詳報です
    是非、ご確認ください

    【ドラビズon-line 2026.07.30】
    【ロキソニンS_2類移行】薬剤師から登販へOJT実施提案も/条件を整理へ
    https://www.dgs-on-line.com/articles/3289

    日本医薬品登録販売者会:
    制度の上乗せよりもむしろ情報提供規定における努力義務の本来の趣旨について改めて確認することが大事

    一方、現場からはこういった声も

    会社としては、売りたいんでしょうけど、今でさえ、指定濫用防止医薬品への対応で苦慮しているのに

    そもそもセルフセレクションによる専門家関与の希薄化で購入者がしっかり話を聞いてくれるかどうか

    それと

    医師委員:
    このまま2類に落とすという考え方は少し懸念。逆にイブプロフェンを1類に上げるぐらいの副作用がだいぶ出ているなということを今回、まざまざと医療従事者としては感じた。NSAIDsを簡単に、軽率に使っていくことではないんだということを改めて感じている

    まさしくこの点ですよね

    元記事でも示しましたが、イブプロフェンなど他のNSAIDs製品も同じように情報提供する仕組みにしないと整合性がないと思います

    いっそのこと、NSAIDSも指定濫用防止医薬品に指定して、使用目的の確認などをした方がいいのではと思います

  2. アポネット 小嶋

    安全対策調査会の決定が安全対策部会で覆った時の資料と議事録です

    【厚労省 2014.11.14開催】
    医薬品等安全対策部会
    資料
    https://warp.ndl.go.jp/web/20260614150005/https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000065389.html

    議事録
    https://warp.ndl.go.jp/web/20260614150004/https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000072037.html

    この時は主に妊婦の使用の懸念でブレーキがかかったのですが、今回はそのブレーキはないと思います。

    また、こういうやりとりもありました

    委員:
    もしロキソニンを第一類にするのであれば、イブプロフェンとアスピリンを第一類に戻すのが技術的に可能であるのであれば、ロキソニンを第一類に残すことも可能だと思うのですが、その辺はどうなのでしょう

    安全対策課長:
    、今、イブプロフェンは指定第二類になっているので、その安全性に関する情報を蓄積した段階で更なる見直しが必要になった場合は、見直すことになるかと思います。ですので、イブプロフェンに関して言いますと、今の段階で指定第二類を第一類に変更する副作用の蓄積とかいうものはないのですから、指定第二類から第一類にすることは現実にはなかなか難しいと考えています。

    委員:
    同類薬剤との整合の問題が一番問題になると思います。イブプロフェン等についても、できれば第一類に見直した方がいいとは思っています。ただ、それができにくいことであれば、ロキソニンについては、先ほど申し上げましたように、鎮痛剤の第一選択剤となっている可能性が非常に高いことを踏まえて、このものについてだけでも第一類に留め置くことが必要だと思います。

    こちらの議事録を示して、Grokにロキソプロフェンが第一類のままになった理由をまとめてもらいました

    ロキソプロフェンが第一類のままになった理由をまとめて
    https://x.com/i/grok?conversation=2082981868660785339

    ロキソプロフェン(例:ロキソニンSなど)が第一類医薬品のまま据え置かれた主な理由は、2014年の薬事・食品衛生審議会での審議結果に基づくものです。

    製造販売後調査終了後にリスク区分見直しが検討されましたが、調査会の「指定第二類案」が部会で覆され、第一類が維持されました。

    経緯の概要
    •2011年にスイッチOTCとして承認され、新一般用医薬品として第一類に分類(製造販売後調査期間中のため)。

    •2014年8月の安全対策調査会:副作用報告がイブプロフェンやアスピリンなど既存の指定第二類の解熱鎮痛薬と比較して特記すべき点がなかったことを踏まえ、「妊娠後期禁忌や長期連用防止の情報提供を適切に行うこと」を条件に指定第二類が妥当と結論。パブリックコメントを実施。

    •2014年11月14日の医薬品等安全対策部会(リンク先の議事録該当会議):調査会案を退け、引き続き第一類と決定。異例の逆転でした。

    据え置きの主な理由部会での委員意見・パブリックコメント・専門家(産婦人科など)の指摘を総合すると、以下が中心です。

    1.妊娠後期の禁忌と情報提供の確実性
    妊娠後期は胎児の動脈管閉鎖リスクなどで禁忌。医療用として広く使われ認知度・使用経験が高く、家庭にストックされやすいため、「禁忌を知らずに安易に購入・服用する潜在的リスクが類薬より高い」との懸念が強く出ました。指定第二類では情報提供が努力義務にとどまるため、薬剤師による義務的な情報提供(書面+口頭)が必要とされました。

    2.パブリックコメントの多数意見
    寄せられた10件のうち、指定第二類賛成は1件のみ。8件は第一類維持を主張し、理由として「長期連用の問題」「妊娠後期禁忌」「アスピリン喘息などの副作用リスク」を挙げました。

    3.長期連用・乱用・重大疾患の見逃しリスク
    鎮痛作用が比較的強いため、頭痛などでの連用による薬剤乱用頭痛、胃潰瘍・腎機能障害などの副作用、または重篤な基礎疾患(腫瘍など)の症状をマスクしてしまう可能性が指摘されました。特に20〜40代女性での使用が多い点も懸念材料でした。

    4.医療用としての高い使用頻度・認知度
    他のNSAIDs(イブプロフェン・アスピリンなど、指定第二類)と比べ出荷量・処方頻度が高く、患者にも「第一選択に近い」存在。そのため、より安易に使われやすいとして、薬剤師の確認・指導を義務づける第一類が適切と判断されました。

    調査会では「副作用頻度自体は類薬並みで厳格化の理由がない」との評価でしたが、部会では「使用実態・認知度に伴う潜在リスク」と「確実な情報提供の必要性」を重視した結果です。
    この決定を受け、第一類として告示されました。

    補足:近年(2026年時点)は再び指定第二類への変更要望・条件付き了承の動きがありますが、質問のリンクは2014年審議の議事録ページを指しており、上記はその当時の据え置き理由のまとめです。
    —————
    おそらく安全対策部会に先立って、パブコメが行われるでしょうから、それらの意見が最終決定に大きな影響となると思います。

  3. アポネット 小嶋

    パブコメ始まりました(9月23日まで)

    【e-gov】
    「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第三十六条の七第一項第一号及び第二号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する第一類医薬品及び第二類医薬品の一部を改正する件(案)」及び「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第一条の二第三項第五号の規定に基づき特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する第二類医薬品の一部を改正する件(案)」に関する御意見の募集について
    https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=495260156

    ○ ロキソプロフェンを含有する一般用医薬品について、第1類医薬品から削除する。
    ○ ロキソプロフェンを含有する一般用医薬品(外用剤及びかぜの諸症状を緩和することを目的とするものを除く。)について、新たに第2類医薬品に指定するとともに、第2類医薬品のうち、特別の注意を要するものに指定する。

    anzen_20260825_3
    anzen_20260825_4

    長期連用や出産予定日12週以内の妊婦の表記は現時点でもあります
    なぜロキソプロフェンだけ特別扱いするのでしょうか

    であれば、チェックリスト等を用いた服用時の注意事項等の説明は、イブA錠など、イブプロフェン製品もすべきではないでしょうか

    告示日:令和8年未定、適用期日:令和8年未定

    となっていますので、パブコメの結果次第では一波乱あるかもです

    (2026.08.26追記)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>