多くの方が既に紹介しているので、改めて投稿は必要ないかと思いましたが、個人的に一番ひっひっかたのはこの加算です。
簡単に言うと、現行の後発医薬品調剤体制加算と現行の地域支援体制加算が統合されたものです。
現行の後発医薬品調剤体制加算
→地域支援・医薬品対応体制加算1
地域支援体制加算1 +地域支援・医薬品対応体制加算1の要件
→地域支援・医薬品対応体制加算2
地域支援体制加算2+地域支援・医薬品対応体制加算1の要件
→地域支援・医薬品対応体制加算3
地域支援体制加算3 +地域支援・医薬品対応体制加算1の要件
→地域支援・医薬品対応体制加算4
地域支援体制加算4+地域支援・医薬品対応体制加算1の要件
→地域支援・医薬品対応体制加算5
そう、後発医薬品調剤体制加算は1本化されて、要件が改められています。
そう、後発医薬品調剤体制加算は名前が改められ、何とか残ったのです。
但し、この変更率の割合はおそらく90%となり、点数は10点程度に留まるのではないかと予想されます。
一方で、一定の在庫の確保(4)や、卸との関係(5)(6)(7)や、(9)にあるように、地域フォーミュラリの策定を促すことが要件に加えられていることが注目されます。
卸からの強い要望のあった単品単価交渉の履行を条件に盛り込んだことで、これまでの商慣行を見直すことが求められているのです。
ただ、こういった要件の検証はどうやって行うのでしょうか? また、もし卸が痺れを切らして、厚生局に告発するという事態になったら、返還の対象となりうるのでしょうか?
重要供給確保医薬品の1か月分の在庫というのを掲げていますが、いったいどういうものなのでしょうか? おそらくこちらのリストのカテゴリーのABに該当するものです
第2回 厚生科学審議会医療用医薬品迅速・安定供給部会
(厚労省 2025.10.27 開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65290.html
供給確保医薬品候補一覧(パブコメ意見反映案)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001586777.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001586778.pdf
この中で内服・外用となると、下記成分となるようです。
カテゴリーA
- ワルファリンカリウム
- シクロスポリン
- タクロリムス水和物
- アセトアミノフェン(坐薬)
- トロンビン(外用)
カテゴリーB
- トルバプタン
- ポリカルボフィルカルシウム
- フルドロコルチゾン酢酸エステル
- コルヒチン
- エベロリムス
- ヒドロキシクロロキン硫酸塩
- テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム 配合剤
- ヒドロキシカルバミド
- エベロリムス
- パゾパニブ塩酸塩
- バルガンシクロビル塩酸塩
- ジアゼパム(坐薬)
アセトアミノフェン(坐薬)、ワルファリン、コルヒチン、ジアゼパム(坐薬)までは分かりますが、他を各薬局が1か月分を在庫しろというのは果たしてどうなのでしょうか?
また、ポリカルボフィルカルシウム(ポリフル)は今でもほぼ出荷停止状態です。
一方確認しましたが、医科の同様の加算にこういった規定はありませんでした。
学会や審議会が決めたことだからといって、こういった形で薬局だけに1か月分を確保せよというのは果たしてどうなのでしょうか? またちょっとしたことで出荷調整や限定出荷を招く要因にならないのかと思います。
さらに地域フォーミュラリに関わる部分についてですが、医科でも新設された「地域支援・医薬品供給対応体制加算」「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」でも、『医薬品の流通改善及び安定供給の観点から、地域の保険医療機関、保険薬局及び医療関係団体と連携し、取り扱う医薬品の品目について、あらかじめ取決めを行っておくことが望ましい』の記載があり、地域薬剤師会や基幹病院とのアクションや連携が求められます。
今回の改定について、Xでは次のような投稿もありました。
後発医薬品調剤体制加算を廃止しろという外野の意見を聞き入れたように見せかけて、さらに医薬品の供給不安に薬局の現場も苦労している事を前もって外野にも理解させておいて、後発品加算の看板の掛け替えだけを行うという、伝統的な役所の仕事の進め方の見本とも言えると思う
供給不安の原因作っておきながら、加算つけるからあとは薬剤師で良きに計らえってどんだけ厚かましいんだ。 これ薬剤師会も怒った方が良くないか?
この施設基準をどのように証明するんやろか? たぶん、ルールとして明文化したような感じかもしれないですね(国が出荷調整に対して手を打ったという既成事実になる)。 しかし、国が招いたとも言える出荷調整について、こんなふうに報酬に組み込んでくるなんて…違和感あるわぁ
さらに、新たな地域支援・医薬品対応体制加算2~5では、これまでの下記のような地域医療に関連する取組の実施などに加え、
- 一般用医薬品及び要指導医薬品等(基本的な48薬効群)の販売
- 健康相談、生活習慣に係る相談の実施
- 緊急避妊薬の取扱いを含む女性の健康に係る対応
- 当該保険薬局の敷地内における禁煙の取扱い
- たばこの販売禁止(併設する医薬品店舗販売業の店舗を含む)
新たに、下記の施設基準が示されるとのことです

これは11月28日開催された中医協での提案がそのまま施設基準となっており、個人的には、既にさまざまな取り組みを行っている大規模チェーンさんに酌みしたものではないかと思っています。
そう、この16平方メートルという数字は、単純に“6.6平方メートル×2.4倍=15.84平方メートル”で算出されているんですよね。(いかにもお役所的発想)
これからは小規模で効率的な薬局を許さず、セルフメディケーション支援にも貢献することを求めているのです。(個人的にはOTCの販売規定をもっと強化すべきだと思っています)
おそらく、血圧計さえあればこの施設基準はクリアできると思いますが、厚労省の意向に忠実な大規模チェーン薬局の取組をしっかり評価して欲しいと、相当アピールしたのだと思われます。
また緊急避妊薬については、新たに要指導医薬品としての販売体制が求められることになるのか、今後の議論に注目が必要です。
この施設基準について、要件についてXでは、下記のような投稿が見られました。
調剤室の広さが本当に重要なら、基本料とか地域支援の要件にするより、新規開設にその面積を要件にすべきよね。
確かに調剤室の広さの制限入れると、薬局乱立してるような東京や駅周辺の薬局にダメージが入るけど、、、 どうせ待合狭くしたり休憩室なくしたりするから無意味です。薬局リフォーム業者が儲かるからいいのか!
まあとにかくあらゆる理由をつけて、開局を抑制したい狙いがみられます。
繰り返しになりますが、今回の改定は、「患者ための薬局ビジョン」ではなく、「厚労省の意向に忠実な大規模チェーン薬局のための調剤報酬ビジョン」を実行するための改定だと言えるものになっていると考えています。
参考:
第644回中医協(厚労省 2026.01.23開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69213.html
個別改定項目について(その1)[PDF形式:4.6MB]
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001639439.pdf
第631回中医協(厚労省 2025.11.28開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66368.html
調剤について(その2)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001600992.pdf
2026年度診療報酬改定が告げる薬局への「最後通告」
―薬局DXの必須化は2026年度改定で具体的な期限として刻まれた
(PHARMACY DX NEWS 2026.01.26)
https://pharmacydx.com/news/1711
厚科審部会 重要供給確保医薬品候補は75成分、供給不足の増産要請の運用指針 パブコメ経て告示へ
(ミクスOnline 2025.08.28)
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=78883
関連情報:TOPICS
2026.01.23 2026年改定短冊に思う(2026調剤報酬改定の展望①)
2026年01月26日 13:50 投稿



