バレット食道とビスホスホネート(EMA・PhVWP)(Update2)

 7月16-18日に開催された、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)のファーマコビジランス作業部会(PhVWP)のMonthly report(→リンク)が26日公表され、いくつかの医薬品で注目の評価報告書が示されています。そのうちのいくつかを紹介します。

Pharmacovigilance Working Party (PhVWP) – Monthly report on safety concerns, guidelines and general matters – July 2012

Bisphosphonates for oral use – Risk of oesophageal irritation
(but insufficient evidence on causal relationship with oesophageal cancer)

日本語概要→海外公的機関 医薬品安全性情報 2012.09.13(右記を訂正)

 4つの新たな学調査をレビューを行ったが、経口のビスホスホネートと食道がんとの関連性が示唆されるとした経口ビスホスホネート系薬と食道癌との明確な因果関係を示すエビデンスは不十分であるとした2010年10月のPhVWPレビューのアウトカムを支持する。
 ビスホスホネート・タブレットは食道に刺激することがあるので、患者は説明書をよく読んで薬を服用するとともに、嚥下時や胸の痛み、胸やけなど刺激の兆候の症状があるときは医師はに報告が必要である。
 バレット食道(Barrett’s oesophagus)の人は特に注意すべきであり、医師はアレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸の処方は治療の利益と潜在的リスクを慎重に考慮するべきである。

  バレット食道というのは初めて聞いた言葉なのでググってみました。

バレット食道とは?
(北海道薬剤師会・おくすり情報室から 2007.09.05)
http://www.doyaku.or.jp/soudanshitu/soudannzireisyuu/41.pdf

バレット食道
(goo ヘルスケア)
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10G11900.html

 逆流性食道炎が長期的に続くことに起因すると食道粘膜の状態で、食道がんリスクが高いと考えられているようです。(日本人は欧米人に比べて少ないとのこと)
 
 なお、PhVWPの会議は今回が最後で、新組織の“Pharmacovigilance Risk Assessment Committee” が、EUにおける医薬品の安全性についての監視を行うとのことです。(だから今回は情報量が多いんだ)

European Medicines Agency bids farewell to CHMP Pharmacovigilance Working Party
(EMA News 2012.07.26)

7月27日 9:20追記 9月17日更新 


2012年07月27日 00:20 投稿

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