ヤマビルには消エタ、塩、酢などが有効

 くすりの話題とは直接関係ないので、興味のない方はスルーして結構ですが、新しい発見だったので記事にしました。

 先日担当している小学校の養護の先生から、「近く校外授業で山の中を歩いたりします。現地の人にヤマビルに気を付けてと言われましたが対策は?」と尋ねられました。

 ヤマビルというもの自体知らなかったので、さっそくネット調べてみました。勉強になりました。

 ヤマビルは陸に棲むヒルで、動物に触れるとすぐにとりつき、前後の吸盤でシャクトリムシのように移動し、皮膚の柔らかいところにとりついて吸血を始めるというもので、近年は山歩きやハイキングなどの盛んな地域で、観光客や登山者、ハイカーなどに被害を与えているそうです。

 ヤマビル研究会というのもあって、話題も豊富です。(ある自治体では、引用して情報を発信している)

ヤマビル研究会 http://www.tele.co.jp/ui/leech/

 さらに、調べていくと丹沢などのハイキングコースを抱える神奈川県では、ヤマビル対策の共同研究が行われ、2年前には対策マニュアルも作成していました。

ヤマビル対策共同研究報告
(神奈川県 2009.03.27)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/01/0102/kagaku/kenkyu/yamabiru/hokokusho/

「ヤマビル対策マニュアル」等を作成しました
(神奈川県 2009.04.09)
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0904/030/index.html

これらを参考にまとめると

  • 長そでシャツ・長ズボン・手袋を着用するなど、手足を露出させない。
  • ボタンの隙間やズボンの裾などから入り込むことから、上着のすそはズボンの中に、ズボンのすそは靴下の中に入れ、ボタンのついた裾は避ける。
  • 靴・靴下・手袋には全体に、長ズボンにはすそからすね、長そでシャツにはそで口からひじにかけて忌避剤(市販の虫よけスプレーも可だが、専用のものもあるらしい)、20%の食塩水を丁寧にかけると一定の効果がある
  • ヤマヒルが服や皮膚についてしまったら、塩や消毒用エタノール、虫よけスプレー(酢も効果的だが、臭いがあるので実用的ではない)をかければ簡単にとれる。ただ、無理にはがすと皮膚と一緒にちぎってしまい傷が大きくなることがあるので注意が必要。
  • ヤマビル唾液には局麻成分が含まれていて血を吸われていても痛みを感じない一方、抗凝血作用のあるヒルジンという成分のために傷口からの出血が止まりにくい。
  • 出血で吸われたことに気づいたときは、このヒルジンを絞り出してから、消毒用エタノールや水で洗い流す。
  • 抗ヒスタミン剤などの軟膏を塗って、絆創膏を貼って値が流れるのを抑える。(アンモニア=キンカンは使わない)
  • 症状が続き発信や熱が治まらないときは皮膚科への受診をすすめる
  • ヤマビルのいるところに行くときは、塩、忌避剤・殺ヒルスプレー、消毒用エタノール、絆創膏、手袋、靴下、帽子 を持っていくとよい。

ヤマビル対策マニュアル(神奈川県2009年3月 特にp3-p8)
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0904/030/yamabiru.pdf

ヤマビル対策リーフレット(観光客、登山者、ハイカー向け)(PDF:2952KB)
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0904/030/yamabiru2.pdf

  山登りやハイキングの趣味がある方、子ども会などでキャンプを予定されている方はご参考まで。


2011年06月22日 02:19 投稿

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