5月13日、参議院厚生労働委員会が開かれ、政府提出の薬機法改正案が賛成多数で可決されました。
採決後、附帯決議の動議が出され、こちらも賛成多数で可決されました。
【参議院インターネット審議中継】
厚生労働委員会(2025.05.13)
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=8510
取り急ぎ、附帯決議の一部を紹介します
10.
処方箋なしでの医療用医薬品の販売について、いわゆる零売規制の具体的な運用を定める厚生労働省令やガイドライン等の策定にあたっては、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の積極的なOTC化推進及び薬剤師との相談を通じて、患者が主体的に医薬品を選択購入するセルフメディケーション推進の政策方針に逆行することがないよう留意し、処方箋の交付を受けた者以外に対して、医療用医薬品の販売が認められる、やむを得ない場合の範囲運用については、国民の医薬品へのアクセスを阻害しないよう十分に配慮すること
当該運用については、本改正以前より零売を行ってきた薬局等が国民の医薬品へのアクセスに一定の役割を果たしていることも考慮し、過度な指導や規制により、営業継続が困難となることのないよう、必要最少限かつ合理的な規制措置にとどめること
11.
指定乱用防止医薬品の販売規制の具体的な運用を定める、厚生労働省令やガイドライン等の策定にあたっては、国民による医薬品の適切な使用を推進する観点から、指定乱用防止医薬品の範囲、販売方法、情報提供のあり方等について、科学的根拠に基づぎ検討を行うこと、特に若年層における乱用実態や地域、時間帯、使用者によっては、医薬品のアクセスが容易ではないことをふまえつつ、医薬品のアクセスを不当に制限することがないよう、多様な販売形態を考慮し、乱用防止と利便性のバランスに配慮した規制とすること
当該販売規制の運用については、本改正以前より医薬品販売を行ってきた薬局等が、国民のセルフメディケーションにおいて一定の役割を果たしていることも考慮し、過度の販売規制により、営業継続が困難となることのないよう、必要最小限かつ合理的な規制措置にとどめること
12.
市販薬の乱用の背景にはいきづらさや孤独・孤立等の社会的不安があると指摘されていることから、その対策を進めるにあたっては、販売規制のみならず、医療、福祉、教育などの分野において、関係府省間で対策を進めること
13.
地域における薬局の役割・機能さらに整理、明確化し、国民に分かりやすいものとするとともに、地域に必要な役割、機能を持つ薬局に対し、適切に診療報酬上の評価を行うこと
14.
国連女子差別撤廃委員会の勧告を尊重し、緊急避妊薬の全国の薬局での恒久的な販売について面前服用を始め、年齢制限、親の同意、価格などのセクシャル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する自己決定権)に関する諸課題の解決に向けた検討を行うこと
また検討にあたっては、これまでヒアリングやパブリックコメントでしか意見を聞いてこなかった当事者、とりわけ若い世代の意見を代表するものを検討の場に参画せしめ、具体的運用の決定過程に関与させること
15.
特定要指導医薬品に関する薬剤師による服薬指導及び情報提供について、研修受講などの条件が必要な場合には、それを満たすよう、全ての薬剤師が受講できる機会を提供すること。
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2025年05月13日 16:12 投稿