厚労省、スイッチ候補18成分を公表

 厚労省は27日、スイッチOTC化を推進する医療用医薬品の候補として日本薬学会が選定した18成分を公表しました。

医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用について (お知らせ)
  (厚労省2009年4月27日)
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/h0427-2.html

 この18成分は、日本薬学会が転用が適当と考えられる候補成分について、OTCとなった場合の有効性や安全性、承認にあたっての条件などをまとめた「医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用に係る候補成分検討調査報告書」で選定された成分で、今後厚労省では7月17日を締め切りに、日本医学会及びその分科会107団体からスイッチが適当かどうかの意見を求め、これを参考に薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会において、OTCへの転用を推進する成分を決めるようです。

 想定される効能・効果については、医師から診断を受けている疾患の再発や骨粗鬆症の発症の予防など、医師による治療との連携も視野に入れており、薬剤師のプライマリケア、ファーマシューティカルケアにおける役割を考えさせられます。そういった点で、今回薬学会の報告書を公表した意義は大きいと思います。

 ただ、こういった効能・効果だとおそらく医学会から反発の声があがると思います。できることなら、英国のPubulic Cosultationのように、医学会から示される全ての意見(書)も公開してもらいたいと思います。

成分名
(医療用製品名)
販売の条件・販売の意義
(販売時における薬剤師の関与のあり方)
想定される効能効果
フルルビプロフェン
(貼付)
(アドフィードパップ)
骨折の可能性についての判断、およびアスピリン喘息、気管支喘息などの既往についての確認に関して薬剤師が関与することが望まれる。
肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、筋肉痛、肘の痛み(テニス肘など)、腱鞘炎(手・手首
の痛み)、関節痛、打撲、捻挫
ナジフロキサシン
(外用)
(アクアチムクリーム、軟膏、ローション)
薬剤師は、本剤の使用にあたっては、重症な化膿性疾患には使用しないことを指導する。また、5〜6 日症状の改善が認められない場合は本剤を中止するよう指導し、医療機関等へ受診勧奨する。耐性菌の発現を防ぐため、治療上必要な最小限の期間(2 週間以内)の使用にとどめることについても指導する。
耐性菌の発現防止と、副作用の早期発見と対処に関する販売実践ガイダンスが必要。
にきび、おでき
レバミピド(経口)
(ムコスタ錠)
本剤の適用症状は、暴飲暴食やストレスなどが誘因になるため、食事やストレスケアなどの生活習慣の改善に対する助言を行ったり、症状が持続する場合には他の疾患の可能性が否定できないため、定期的な検診を受けることの必要性について指導したりすることが望まれる。
胃粘膜の障害に伴う諸症状(部不快感、上腹部痛、悪心・嘔吐、胸やけ等)
コレスチミド(経口)
(コレバインミニ・コレバイン錠)
胆道が完全閉塞した患者、腸閉塞の患者、便秘の患者又は便秘を起こしやすい患者、高齢者又は嚥下困難がある患者、痔疾患を有する患者、消化管潰瘍を有する患者、出血傾向を有する患者、肝疾患・肝機能障害を有する患者に販売しないことや、他剤との併用による効果の減少が考えられることから、薬剤師は薬歴を把握し適切な服薬指導を行う必要がある。
また、食事や運動などの生活習慣の改善に対する助言、定期的な健診を受けることの必要性について指導する。
このため、薬剤師は、「高コレステロール血症および脂質異常症の病態生理に関する情報」「治療効果のモニタリングに関する情報」「禁忌症、薬物間相互作用、副作用に関する注意を消費者に促すための情報」「対象症状を予防し緩和するための生活指導に関する情報」「繰り返し購入する人への対処方法や助言に関する情報」などを生涯学習、公開講座、各種シンポジウムや学会参加等を通じてを研修する必要がある。
また、症状の把握や継続使用の可否、副作用の早期発見や他剤との併用による効果の変化に対処に関する販売実践ガイダンスが必要。
健康診断等で指摘された境界領域の高LDL コレステロール血症
ベンダザック(外用)
(ジルダザック軟膏・クリーム)
皮膚炎に使用できる一般用医薬品の非ステロイド系抗炎症外用薬は、現在、ブフェキサマクとウフェナマートのみである。転用により消費者の選択肢が増えるものと考えられる。
転用後は第一類医薬品として薬剤師による販売時における情報提供等を必要とするが、市販後調査を行い問題がなければ第二類医薬品に再分類して差し支えない。
皮膚炎、かゆみ、湿疹、かぶれ、ただれ、おむつかぶれ、あせも
クロベタゾン酪酸エステル
(外用)
(キンダベート軟膏・クリーム)
販売対象が限定されることから、薬剤師による症状・経過等の把握、反復使用による副作用等の発現を防止するため、販売時点ごとのモ
ニタリングが必要である。あわせてスキンケアに関する生活指導が欠かせない。
薬剤師は、「アトピー性皮膚炎の病態や治療等に関する知識」「禁忌疾患を見極めるための情報と主な皮膚疾患の病態に関する情報」「 ステロイド外用剤の禁忌使用と副作用の情報」「長期使用した際の副作用に関する注意及び注意喚起を消費者に促すための情報」「繰り返し購入する人への対処方法や助言に関する情報」など、アトピー性皮膚炎治療およびステロイド外用薬に関する研修が望ましい。
また、アトピー性皮膚炎治療ガイドラインに準拠し、かつステロイド外用薬の適正使用を定めた販売実践ガイダンスが必要。
アトピー性皮膚炎の軽度の再発(過去に医師の診断・診察を受け、治療目標に達した方に限る)
トラニラスト(点眼)
(リザベン点眼液)
本剤成分に過敏症のある人の確認や症状および重篤性のスクリーニングおよび服薬指導、さらには漫然使用を防止するために、販売個数の制限や随時の相談など薬剤師の関与が望まれる。
アレルギー性結膜炎の症状としての目のかゆみ、充血、なみだ目
アンレキサノクス(点鼻)
(ソルファ点鼻)
症状および重篤性のスクリーニングおよび服薬指導、さらには漫然使用を防止するために、販売個数の制限や随時の相談など薬剤師の関与が望まれる。
花粉・ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー性症状の緩和:くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり
オフロキサシン(点眼)
(タリビッド点眼液)
本剤の使用にあたっては、3〜4 日症状の改善が認められない場合は本剤を中止するよう指導し、医療機関へ受診勧奨する。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、治療上必要な最小限の期間(2 週間以内)の使用にとどめることについて指導する。
販売にあたる薬剤師は、的確な薬剤選択、耐性菌発現等に関する研修を受けることが必要である。
耐性菌の発生防止と、副作用の早期発見と対処に関する販売実践ガイダンスが必要。
ノルフロキサシン(点眼)
(バクシダール点眼液)
細菌性のものもらい・結膜炎(はやり目)・眼瞼炎(まぶたのただれ)に伴う自覚症状の改善
オメプラゾール(経口)
(オメプラール錠、オメプラゾン錠)
本剤は、胃がんを隠ぺいする可能性があり、また消化管出血が疑われる消費者に対しては禁忌であるなど、消費者の状態や薬歴を把握することが必要である。また、服用開始3〜4日後に本剤の有効性を評価し、継続服用の可否の判断が必要であることから、薬剤師の関与は必須である。
薬剤師は、「胃粘膜障害を伴う疾患の病態生理に関する情報」「治療効果のモニタリングに関する情報」「重篤な副作用を回避するための情報」「対象症状を予防し緩和するための生活指導に関する情報」「繰り返し購入する人への対処方法や助言に関する情報」などを、生涯学習や学会参加等を通じて留意する必要がある他、本剤の販売に先立ち、他の酸分泌抑制薬や粘膜防御因子強化薬との使い分けに関する研修を受けなければならない。
症状の把握や継続使用の可否、副作用の早期発見と対処に関する販売実践ガイダンスが必要。
ラベプラゾールナトリウム
(経口)
(パリエット錠)
ランソプラゾール(経口)
(タケプロンカプセル)
胸やけ、胃痛、胃部不快感
(オメプラゾール、ランソプラゾールは最大包装量制限10mg/錠、最大4日分4錠/箱、ランソプラゾールは15mg/カプセル、最大3 日分3 カプセル/箱)
デキサメタゾン
(口腔内用)
(デキサルチン軟膏)
口腔内に感染を伴う疾患を消費者が区別することは困難であり、本剤の適用の可否および受診勧奨について、薬剤師が関わり判断することが必要である。長期使用により下垂体・副腎皮質系機能の抑制が起こることがあるので、連用しないよう販売時に経過を薬剤師がモニタリングする。
口腔内に感染を伴う疾患とアフタ性口内炎との区別、本剤の適用の可否および受診勧奨について販売実践ガイダンスが必要。
口内炎、舌炎
アルファカルシドール
(経口)
(アルファロール)
軽度な腰痛程度では積極的に医療機関を受診する行動はとらないものの、予防を目的にサプリメントを摂取する動機にはなる。消費者の自己判断によるサプリメントの摂取は、本来治療的介入を必要とする骨粗鬆症患者の受診を遅らせることになりかねない。
本剤を一般用医薬品に転用することにより、骨粗鬆症予備群が日常的に薬剤師に相談できる機会を提供できるため骨折危険性を有する者を早期に発見し受診勧奨を行うことができる。あわせて低リスク者においては一般用医薬品による管理、一方で高リスク者への早期の受診勧奨を実施することで骨粗鬆症に起因する骨折の予防を図ることができる。
健康診断において軽微な骨密度低下が指摘されたか否かを含め薬剤師が販売時に適切なスクリーニングを行うことや、もし骨粗鬆症の進行が推定される場合は受診勧奨を行うなど薬剤師の関与が必要である。
骨粗鬆症および治療方法や適用薬剤についての知識や、市販サプリメントについての情報など、薬剤師の研修が必要である。
骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインに準拠し、かつ活性型ビタミンD 製剤の適正使用を定めた販売実践ガイダンスが必要である。
カルシトリオール
(経口)
(ロカルトロール)
軽度の骨密度低下を健康診断で指摘された者での骨粗鬆症の発症の予防
(最大包装量、アルファカルシドールは0.5μg カプセル(または錠)を30カプセル(または錠)(30日分)まで、カルシトリオールは、0.25 μg カプセルを60 カプセル(30 日分)まで)
ドンペリドン(経口)
(ナウゼリン錠、ナウゼリントライシロップ)
ドンペリドンの錐体外路症状、内分泌機能調節異常は用量依存性にあらわれるため、1回の最大摂取量及び1日の最大摂取量、また過量服用を防ぐためにも最大包装量の制限が必要である。
安全性の面から販売には薬剤師の関与が必須であり、使用者の選択(併用薬、基礎疾患等の考慮)を適切に行い、使用者が安易に増量、長期使用しないよう説明することを義務づけることが必要である。
薬剤師は、胃酸過多等の類似の消化器症状を持つ疾患と区別、イレウス、消化管出血、消化管穿孔等の禁忌疾患と区別、錐体外路症状、内分泌調節機能異常が発現した場合の症状や対処法についての研修が必要である。
症状の把握や継続使用の可否、副作用の早期発見と対処に関する販売実践ガイダンスが必要である。
食べ過ぎ、消化管運動の低下による諸症状(吐き気、食欲不振、胸やけ、膨満感)
(最大包装量制限、錠・散等:5mg/回×3 回(1 日量)×3 日分、液剤:5mg/本×3 本(1 日量)×3 日分)
フドステイン(経口)
(クリアナール錠、クリアナール内用液)
慎重投与の対象となる肝障害または心障害のある患者について確認するとともに、肝機能障害や黄疸、皮膚粘膜眼症候群または中毒性表皮壊死症などの副作用発現の可能性とそれらの初期症状と対処法について説明することが望まれる。
去痰(感冒に伴う痰を切れやすく、出しやすくする)

参考:医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用に係る候補成分検討調査報告書
     http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/dl/h0427-2a.pdf

関連情報:TOPICS 2008.08.30 一般用医薬品部会、7成分のスイッチOTC化を了承

厚労省、スイッチOTC候補に18成分(日刊薬業フリーサイト4月27日)
 http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226551231789.html?pageKind=outline

4月28日 21:50更新


2009年04月28日 19:10 投稿

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